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" Keep your smile, and the world smiles back to you. "

私はオーストラリア、アデレードのホスピスで正看護師として働いています。今日はそこでの患者さんとの一コマ。心が動いた瞬間だったので。忘れないうちに文字に。

"Keep your smile, and the world smiles back at you." これは先日患者さんからもらった素敵な言葉。

もうこれ以上治療をしない、と隣のoncology ward(がん、腫瘍病棟)から移ってきた患者さん。そこの病棟のナースにも最後のお別れを言ってきて、今も友達や家族に感謝を伝えているという。辛い気持ちを表情には全くと言っていいほど出さず、本当にニコニコ笑顔で私の人生は幸せだったと話してくれた。旅好きでたくさんの国に行ったらしい。多くの人に出会い、様々な文化に触れて、豊かな人生を送ってきたことを表情から感じた。日本はその中でも特に人が温かかった、と幸せそうに話してくれた。
癌が進行し痛みも多く、オピオイド(麻薬性鎮痛薬)を使用していたため、その副作用の便秘のマネージメントは必須だった。お通じを助けるため浣腸が必要だったが、その患者さんは嫌な顔ひとつせず、笑顔で"よろしくっ!”と。私も冗談を言いながらも、”こんなに前向きで人を幸せにする笑顔の裏にはどんな思いがあるんだろう。”と心の中で思っていた。
患者さんはその私の心の声に応えるように、"We must have jokes every day!" と言った。
ケラケラ笑いながらの看護ケアが終わって、” Thank you, it was so lovely to meet you. ”と私は’患者さんへ言った。すると、
"You have such a beautiful smile, Ruri. Please keep that, and the world smiles back at you."  私の目元は熱くなって、涙がじんわり溢れてきた。そして患者さんもなぜか涙ぐんでしまい、その後二人で泣いてしまった。患者さんを支える立場なのに、私の方が大きいhugをもらった気分だった。


感情の交換。これって一番の心の薬だと思う。共感し合えること、話を聞いてもらえること、お互いの存在に感謝しあうこと。人生の醍醐味だし、生きているって心から実感できる大切な一瞬だなって思う。

みなさんは、どんな感情の交換を、日々、誰と、どうやって、どこでしていますか?笑うことで、辛いことも疲れも吹っ飛んでしまうこともあることって結構多い。そんなことを思い出させてくれる人に、ありがとうを日々伝える時間をもっと大切にしていきたいな、と思う。


ちなみに、Smileの写真は十数年前にベトナムとカンボジアで、笑顔を集める旅に行った時のもの。言葉は通じなくても、笑顔って1番の世界共通言語なんだなぁ、と今でも心から思う。

With Love, Bohonurse Ruri from Aus x 

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