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9月2日~8日のきろく

どんより空と、鮮やかなスカート。自分の気分を上げる手段を、いくつか持っている人になりたい。 → まえ


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9月2日 にちようび

東京旅2日目。ゲリラ豪雨をぎりぎりのところで逃れたり、カフェがめちゃくちゃ混む直前で席につけたり、とにかく運がいい旅だった。

昔から運だけで生きてきたという自負はある。昨日、夕方に「はっ!」と思いだしてスヌーピーミュージアムの前売り券を予約したときも、それまで本当に忘れていたし、実際、当日券の購入をする長蛇の列に並ぶくらいの、時間的な余裕はなかったから、危ないところだった。

スヌーピーは物心ついたときからずっと好きだけど、漫画もアニメも見たことがないから、スヌーピー以外のキャラクターは少ししか知らなくて、「スヌーピー好き」を名乗るものとして、それがずっとコンプレックスだった。

だったら、勉強すればいいんだけど、なんとなく知らないまま来てしまった。知ったかぶりはしんどいし、ぼろが出るからしたくないのに、いろんなところで知ったかぶりをしてしまう自分がいやになる。

「すでに知っていること」「なにも言われなくてもちゃんとできること」

手の掛からない子どもを演じるうちに、自分の知識量に向き合えないようになって、知ったかぶりをしても「すごいね~」なんて言われて乗り切れるから、自分の心がどれだけ傷んだとしても、それが正解だと思っていた。

ずっといちばんでいなきゃいけないと、意味のないプライドだけが高くなって、できないこと・知らないことは恥ずかしいんだと思い込んでいた。「わかりません」と手をあげることがとても難しかった。「なんでこんなことも知らないの?」と威圧的に言われること、実際に言われていなくても、思われているんだろうなと感じることがあまりにも多かった。

無知はどこまでいっても無知だ。でも知性があるからといって、世の中のすべてを知ることはできない。だから、やっぱり「わからない」ということは恥ずかしいことではなく、「わからない」をしっかりわかっていることが、よっぽど知性があるのになあ。

スヌーピーミュージアムは、少しだけコンプレックスを消してくれた。めちゃくちゃ受動的だけど、少しだけ。

積極的になることがしんどいときは、受動的でもいいよねと、自分を甘やかして、やっぱりスヌーピーがめちゃくちゃ好きだなあと、素直でまっすぐな気持ちを大事に守っておきたい。


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9月3日 げつようび

休日をひたすら遊びに使うのはひさしぶりだったから、ねむすぎて仕事中は何回か記憶が飛んだ。

先週、がんばっておかずを作り置きしておいたから、疲れて帰ってきてもすぐにごはんが食べられるのがうれしい。

今日もひたすら一汁一菜。どんなときもとにかくお味噌汁がおいしいから、日本人に生まれてよかったなあと思う。だしさえあれば、どんなところでも生きていける。

やわらかいもので胃を喜ばせる。そんな毎日が続くといい。


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9月4日 かようび

今日は台風で1日中家にいた。寝て起きて寝て食べて寝た。

頭で何かをずっと考えているから、エネルギーを使っているらしい。休むことも義務化してほしい。(自分でして)

「考えない」ってむずかしい。ふわふわしてる思考回路はいつ始まっているのか、いつ終わるのか、自分でも気づけないのに。

そういえば、わたしは「カラフル」なのが好きだけど、彩度が高すぎる写真は苦手かもなあと最近は思っている。

インスタの雰囲気を統一するために、自分の好きなニュアンスを探してるのだけれど、ひとつに絞れなくて困っている。そもそもひとつに絞る必要はないのかな?でも、世界観が統一されているインスタはたしかに見ていて楽しいんだよなあ。


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9月5日 すいようび

もしかしてわたしは、過去を全く覚えていないのではなく、過去を思い出したくないだけなのではないか、と少し思う。

中学の思い出ではっきり思い出せるのは、雨の降る中、涙をぼろぼろ流しながら自転車を飛ばした川沿いの風景。なにが悲しくて泣いていたのかは覚えていないけれど、たしかになにかがつらくて、そのつらさに寄り添ってくれたのは雨粒だけだった。

家に帰ったら、家族のだれかがいたら、泣けないから。
そんなふうに強がるしかなかったわたしは、とにかく自分に厳しくしていて、家族にさえ、いや、家族にこそ、泣き顔は見られたくなかった。

高校生になってもやっぱり、雨とか、夜とかに隠れて泣いた。

泣き目を腫らしながらも、たいして心も開いていない友達の集まりに行ったのは、今考えるとどうかしていたと思う。

大学生になって、社会人になって、自分の気持ちを優先することを少し学んだわたしは、気が乗らない誘いを断れるようになった。やだなあと思う約束はしない、そんな簡単なルールを、最近やっと実行できるようになった。

自分を殺すことでしか、自分の価値を見出せなかった、日々。

覚えていない過去と、思い出したくない過去。


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9月6日 もくようび

もしかしたらHSPなのかもしれない。

「感受性が強い」と言われるだけで思われるだけで、なんだかだめなことのような気がして勝手に傷ついている。ずっと、昔から。

家族や親戚、身近な人にクリエイターをやっている人はいないからか、みんなそういうことに疎い。疎いことと、理解がないことは全く違うとわかっているけれど、わたしの家は「不安定」を嫌う傾向にあった。

そりゃあ「不安定」はきらいだ。安定はこころの余裕をもたらしてくれる。でも感受性を育てるには、たまには崖のはしっこに立って風に吹かれるような経験も必要だと思う。

そもそもHSPなのだとしたら、感受性を育てるまでもなく先天的に強い可能性があるので、みんなから見て「安定」していても、本人は「不安定」だと思っているかもしれない。

自分の中身はいつだって普通だったから、これが周りの人にとっては普通じゃないなんて、思いもしなかったし、だからこそ「なんで自分だけがこんなに気配りしなきゃいけないんだ、つらい」と感じていた。

視野が広いというか、周りの人の細かい動作や言葉をいちいち拾ってしまうのはなんでなんだろう、訓練したわけじゃないのに、と思っていたけれど、先天的ならいろいろとしょうがない。(諦め)

人生において諦めることはかなり重要だ。諦めることは、受け入れることだと思う。ネガティブな意味で使われがちだけど、わたしの中ではポジティブな言葉。

HSPもポジティブに使えたらいいんだ。自分が意識せずにしてしまうことが、周りの人にとっては頑張ってもできないことかもしれないから。

ただ、自分を大切にすることはいちばんに考えないといけない。それだけは忘れちゃいけない。


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9月7日 きんようび

新しいパソコンが届いてから、料理中にティーバーを見るようになった。今まで、キッチンで作業をするとテレビが正反対になってしまって、「料理したい vs テレビ見たい」が戦っていたのだが、ついに終止符が打たれた。

音が聞こえづらいことはどうしようもないので、Bluetoothのイヤホンとかを使うのがいいのだろうけど、今はまだいいや。

アニメも映画もあまり見ないけれど、ドラマは好きだ。

今期はまっているのは
・半分、青い
・義母と娘のブルース
・グッド・ドクター
・透明なゆりかご
・絶対零度~未然犯罪潜入捜査~

なんだかんだ全編みているのは
・高嶺の花
・健康で文化的な最低限度の生活
・探偵が早すぎる
・幸色のワンルーム

少し見たのは
・チア☆ダン
・サバイバル・ウェディング
・ヒモメン

本も、映画も、何にも起こらない、平和な日々が続くようなものが好きだけど、ドラマはやっぱりなにかしらの事件が起こる。

好きな女優さんや俳優さんが出ていると見なきゃと思うけれど、内容が面白くないと見続けられないから、正直な視聴者だなあと思う。(窪田さんがだいすきだけど、ヒモメンは内容で離脱…)

高嶺の花は恋愛ドラマとしては微妙だったけれど、知らない世界を知れたのと、ちょくちょくいいセリフがあるのでなんだかんだ見ている。


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9月8日 どようび

今日は雨がしとしと降っていて、たまに止んだり、本降りになったり、忙しそうな空だった。

ひさしぶりに図書館に行った。行く道中ですれ違った女性にピンクのミモレ丈スカートをはいている方が3人ほどいて、いいなあと思った。20代後半くらい・30代くらいの子連れのお母さん・40代くらいの世代の違う3人だった。

20代後半くらいの方は、ショッキングピンクで、すその形が独特でチューリップをさかさまにしたようなスカートだった。鮮やかなピンクの変形スカート、めちゃくちゃかわいい。

30代くらい・40代くらいの方は、ピンクパープルのスカートだった。最近ピンクパープルは流行っているらしい。着るのに少し抵抗がある色なんじゃないかな?と思うけれど、おしゃれでかわいい。

ピンクパープルとか、ショッキングピンクとか、桜色ではない濃い色で、スカート自体も可愛かったから印象に残ったのもあるのだけれど、「雨の日に明るい色の服を着る」ことに意味がある気がして、とっても好きだった。

対照的にわたしは、ジーパンにグレーのTシャツという完全に色味のない、雨の日スタイルの格好をしていたから、注目してしまったのもあるかもしれない。

雨の日は好きだけれどそれは家の中にいる場合の話で、出かける予定がある日や、最近の豪雨はやっぱり憂鬱になる。

汚れてもいい服・すぐに洗える服を着ることは合理的だけど、テンションを上げるには、鮮やかな色のスカートに勝るものはない。ふわっと風になびくミモレ丈のスカートから長靴が見えると、「あ、この人は雨の日を楽しんでいるんだな」と色々想像してしまう。勝手ながら、一瞬でファンになる。

そもそもスカートを持っていなさすぎるので、買うところから始めないといけない。どんより天気にも映える鮮やかなスカートがほしい。

雨の日にあえてお気に入りの服を着るような、心の余裕がある女性になりたい。


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9月2日~8日のきろく おわり → つづく

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