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【人物解体新書】浮気の仕方がわからなかったおかげでこの道20年。「人は環境でいかようにも変われる」おもしろさが人材業界にはある。

【人物解体新書】とは、話を引き出すプロのキャリアコンサルタントがHR領域での活躍者にインタビューをして、様々な心理学やキャリア理論を用いながら、読者の皆さまが再現できるように活躍者を解明していくコンテンツです。


㈱ログシーキャリアコンサルタント&新米広報の鈴木さくらです。

私たちは一人では決して成長できない。

社会的な動物である私たち人間はどこかに必ず属していて、その中で誰かと出会い、ときに思ってもみなかった方向へと人生が進むこともあります。進学先や就職先など自分で意図して選択する出会いもありますが、選べるのはせいぜい入り口だけ。その先は事前に知りえない環境という名のワンダーランド。でも、そこには必ず「成長」があります。

今回は、「人は環境によっていかようにも変われる」ことに魅せられた、この道20年の活躍者を通して、その成長の秘訣を探っていきます。

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■人の成長に関われる「人材業界」はこの上なくおもしろい

昨年10月に㈱ログシーは育成支援事業部を立ち上げた。これまで多岐にわたる業界・職種での採用のご支援をするなかで、育成や定着の相談を受けることが増えてきたからだ。

当事業部の立ち上げメンバーとして当初から中核を担い携わっている人物が、今回の主人公である育成支援事業部 統括の細野和彦。

多様性を認めるカラフルなカルチャーを持つログシーだけあって、細野の経歴もまたユニークだ。

両親がうどん屋さんを営んでいたこともあって自分も商売をしたかったが、反面、両親を見て商売が大変なことも知っていた。手に職が必要だと考えた結果、工業高校に入学するも性に合わず、心がついていけなかった。

その先の進路を考えたとき、やっぱり商売の道に進もうと思い直し、商業・経営系の専門学校へ進学。そこで出会った仲間と在学中に起業した。そう、学生起業である。たまたま初めて携わった仕事が人材採用、人材育成という仕事だった。そこから約20年、一度も浮気せずにこの道をひたすら突き進んでいる。

様々な業界のクライアントとの出会いに恵まれていてもなお人材業界を離れずに「浮気しようにも浮気の仕方がわからなかったから、そんな崇高なものじゃないよ」と謙遜する細野だが、とはいえ、約20年も関わるなかで人材業界の醍醐味はどこに感じているのだろうか。

人って環境によっていかようにも変わるじゃないですか。その環境に惹かれて人が集まってくるから、新しい環境のきっかけ作りが採用だったり、環境を整えるっていう仕事が教育だったりするでしょう。人を変えちゃう可能性があるわけだから、それは責任重大だし、おもしろいよね。」

具体的なおもしろさとは?

「人が成長することを目の当たりにできること。人は、付き合う人によって綺麗になったりカッコよくなったりする。恋愛が一番わかりやすいけど、部活動でも同じ。まったくスポーツしてなかった子が運動部に入ってから性格がガラッと変わってアツい奴になったり。仕事でいうならば、お金をいただいて人が成長する過程に携われるのは、この上なくおもしろいと感じるよね。


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■「成長とは何か」と「ビジネスのいろは」を教えてくれたメンターとの出会い

私たちは生まれてからその生涯を閉じるまで、成長の連続である。生物学的に見れば肉体的な成長はある年齢以降後退していくが、精神面での成長に上限はない。これまでを振り返って、細野自身が大きく成長できたという経験はどんなものがあるのだろうか。

「一番思い出すのは、専門学校入学後の19歳から起業する21歳くらいまでのとき。工業高校から専門学校に入って、カルチャーショックがすごかったのね。工業高校では毎朝0時間目に資格の勉強をみんなしてた。そんな生活から大阪の専門学校へ入学してみたら、周りは授業に出ないし課題もやらない、物も大切にしない…なんなんやろなと思った。」

学級委員の経験もある真面目な細野にとって、そのカルチャーショックはさぞ大きかっただろう。

「でも一方で躍動感があったり、考え方がユニークだったりっていう学生も多くて、その担任の先生の導き方が素晴らしかった。今思い返すと、多様性を受け容れながら、その学生のできることを伸ばしていく指導だったんだよね。それでみんな就職していったり、起業していったりするわけよ。ようは箱に型通りに詰めて社会に送り出すのではなく、その人のいいところを引き出しながら就職させるっていう見方をしたときに、自分も型通りにいかなくていいんだって思ったんだよね。自分には自分なりの良さがあって、人生の進め方があることがわかって、それを体現できた。みんな一緒じゃなくていい。それが自分にとって成長できたってことなのかなと思う。

多様性を受け容れながら導いてくれたその先生こそ、細野にとっての恩師であり、専門学校在学中に起業したときの創業メンバーとしてビジネスのいろはを教えてくれた人物、早田先生である。

「在学中に起業してやっていた仕事は大学の就職セミナーの企画や運営だったんだけど、その時の企画の立て方とか営業の仕方とかは早田先生から教えてもらったし、企業研修の基礎の基礎を教えてもらった。今の僕が提供している研修は、当時の早田先生の考え方やノウハウからきているものがほとんどなんだよね。」


■恩師であり、メンターである人からの最大の教え

早田先生は細野にとってのメンターでもある。

「僕としては、メンターには2種類あると思ってて。1つは、比較的年次が近くて斜めの関係でガス抜きをさせる役割のメンター。もう1つは、目標やベンチマークのように憧れを含んだメンター。早田先生は完全に後者で、教えを乞う、稀有な存在としてのメンターだった。歩み寄ってくれるわけでもなく、追いつけるわけでもなく、持っているものを学んでいきたいなっていう存在の人。」

恩師でもあり、教えを乞うメンターでもある早田先生から何を最も学べたのだろうか。

「一番は、人は環境によって変われる動物だよねってこと。置かれている環境によっていかようにも変化できるっていうことかな。僕自身が専門学校のときに身をもって経験できた。」

最初はたまたま大学の就職セミナーの企画や運営だったかもしれない。だが、この最大の教えが細野を人材業界へのおもしろさへと加速的に駆り立てていった。

早田先生も創業メンバーとして細野と一緒に起業していたため、社内メンターというポジションになるのだろう。

「今で言うところのメンタリングとか1on1コーチングも、実は20年前に体験してるんだよね。当時週1~2回、早田先生からお電話いただいて2時間くらいビジネスの話をずっとしていただいていて、毎日辛かった飛び込み営業とか企画書作りとかの支えになっていたんだよね。」

細野自身がメンターとの出会いで人生が大きく変わったことから、メンターへの思い入れも強い。ログシーの研修商品である「メンター育成研修」も細野の肝入り商品のひとつで、クライアント企業からリピート受注をもらっている。


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■環境によって成長できた自分だからこその今後の野望

早田先生との出会いから早くも20年。細野は、ビジネスパートナーとして何か仕事を一緒にできないかと模索をしている。

「理由は2つあって、1つはこの成長した姿を見てもらいたい。もう1つは恩返し。何かできへんかなと思ってます。」

そして、もちろんログシーでの野望もある。

「僕がかつて創業したベンチャーを思い浮かべながら今年4期目のログシーを考えると、まだまだアクセルを吹かし続けるべきだし、ここから5~6年経ったときに『人材採用・人材育成のベンチャーといえばログシー!』といえるくらい、十分狙える規模とステージにいるよね。コロナ禍によって開発した新感覚オンライン研修『HOMEROOM』があるけど、『オンライン研修と言えばログシー!』というのがひとつのブランドになっていけばいいな。ツールとしてはオンラインを使うけど、トレンドを反映させながら場所や時間を問わず、研修ができる環境を提供できるように仕掛けていきたい。」

細野の野望は、「人は環境によっていかようにも変わっていく」というメンターによる最大の教えから20年経った今も全然ブレがない。

「今の研修サービスってもう使い古されてる。僕はその知見が20年分あるけど、現代に合わせた研修設計をしていく必要はあるから、今後可能であればオンラインプラットフォームに投資ができたらいいね。申込管理、受講管理、クライアント管理は今はまだアナログだから、それらを管理できるプラットフォームサービスが展開できたら、使いやすさとともに、オンラインという環境によって人が成長できる機会を提供できるよね。

最後までブレることのない細野の野望は、必ずや実現されるだろう。ログシーという環境で。



【編集後記】

▼インタビュイー細野:
たいていの出来事には表と裏があるけど、自分の中で「肯定してきた歴史」がインタビューで出てきたなという印象だった。自分にとって大事なビジネスの出発点を思い出せて懐かしかったし、当時は嫌なことであったとしても、振り返ると、結局マイナスなことってなかったなって改めて気づけた。

▼インタビュアー鈴木:
細野さんは私にとってのメンターです。ビジネスのいろはを教えてくれるし、こういうときにはこうやるんだよとか、思い余って教えてくれる。私の中では両側面あって、教えを乞うほうのメンターと交通整理をしてくれるメンターと。その両方を兼ね備えている人が細野さんなんですよね。



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