マガジンのカバー画像

徒然草とともに

187
徒然草をひもといて中世、京の都と、変らぬ人の心を 味わい楽しんでみませんか。
運営しているクリエイター

2023年4月の記事一覧

徒然草をひもとく 4章 (16)128段 養い飼うもの

 ”養い飼うものには、馬・牛。繋ぎ苦しめるこそいたましけれど……“。と書き出すこの段、と…

高沢英子
1年前
4

徒然草をひもとく 4章 (15) 117段友とするにわろき者、よき友、120段唐のもの……

 いまさら言うまでもなく、徒然草は、書きもののジャンルとしては、随想とか随筆の部類に入る…

高沢英子
1年前
3

徒然草をひもとく 4章 (14)116段 名をつくること

 鎌倉後期から室町へ、法師の生きた時代は、政治体制は古来からの天皇制朝廷と武家幕府との協…

高沢英子
1年前
2

徒然草とともに→をひもとく 4章 ❨13❩ 112段 諸縁放下すべきときなり

  徒然草をひらいて、ほぼ半ばの100段台まで辿りついて、当初、思っていた考えが甘かったこ…

高沢英子
1年前
2

徒然草とともに 4章 (12)109段高名の木登り

 熟練の植木職人と、経験浅いが、察するところ、身が軽く素早い動きの若い職人とのやり取りで…

高沢英子
1年前
2

徒然草とともに 4章 (11) 第108段寸陰惜しむ人なし

 108段、寸陰または光陰、を惜しむべし。とは、人として心得るべきと教えられ、知っていても…

高沢英子
1年前
3

徒然草とともに 4章 ⑽ 107段、女の物言いかけたる返事

 女が、ものを尋ねたりしたとき、さっと、ほどのよい言葉を返してくる男はいい男だとして、亀山院、第90代の天皇(1259年(10歳)から75年まで在位)の時代、都の女官たちのなかの、痴れたる、つまり軽薄と訳文にはあるが、もう少し厳しくいうと、生意気でアホな女房(女官)たちが、退屈まぎれに、参内してくる若い公卿たちに、ためしに「ホトトギスは鳴きましたか」と聞いてみて、答えの良し悪しを品定めして楽しんでいた。と云う話で始まる。そして、問いに答えて、ある大納言は“数ならぬ身”でありま

徒然草とともに 4章 ⑨ 106段高野の証空上人

 105段、平安から鎌倉末期への時代の名残をとどめた、夢幻しのような名文スケッチを味わった…

高沢英子
1年前
3

徒然草とともに 4章 ⑧ 105段…人離れたる御堂の廊

 105段は、104段につづいて、日陰に残雪凍りつく京都の冬の朝まだき、御堂の廊下  で語らう…

高沢英子
1年前
3

徒然草とともに 4章 ⑦

 夜更けの思いがけない客人のおとづれに、あたふたしたものの、女あるじのてきぱきしたさしず…

高沢英子
1年前
3

徒然草とともに 4章 ⑥

 夕月夜のおぼつかなきほどに、ある人、忍びて尋ねおわしたるに…  この ある人は、この段…

高沢英子
1年前
4

徒然草とともに 4章 ⑤

 104段、書き始めの文が、文庫版で6行、およそ156文字ちながっている。 古典文は文節が一般…

高沢英子
1年前
4

徒然草とともに 4章 ④

104段と105段に進むまえに、この草紙では、すでに読んできた32段、33段でも、一筆書きのような…

高沢英子
1年前
6

徒然草とともに 4章 ③ 103段 なぞなぞ作り「唐瓶子」

 徒然草を。ともに楽しむ気持で始めた随想、今回3章から4章へと、章を進めたのは、これまで同様特にわけあってのことではなく、50段程度のところで区切り、一応テーマの内容も変わった、とみれば、括っているだけ、強いて云えば、気になった段などを読み返したいとき、こうしておくと、いくらか便利かも、という程度なのでご了承下さい。  ということで、4章③第103段、なぞなぞ作りで起きたハプニング、今も昔もクイズ好きな日本人の、からかい半分の、あえていえば、ちょっと軽い、いじめ話で、故事をか