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映画せんにんの記録

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映画を観て感じたことを綴った記事をまとめました
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2024年3月の記事一覧

”ヒロシマ!ナガサキ!”と燥ぐのではなく~「オッペンハイマー」

”ヒロシマ!ナガサキ!”と燥ぐのではなく~「オッペンハイマー」

リアルタイムの作品を観ることは少ないのだが、本作は劇場まで足を運んできた。朝から飲まず食わずで3時間耐え抜いた!

様々な方がその解釈や感想を多く書いているので、細部には触れない。
豪華出演陣とのことだけど、最近の映画を観ない身としてはほぼ知っている出演者もおらず、やや浦島状態。

やはり3時間という長さは感ぜざるを得ない。が、それでも中盤からドライブがかかってきて、引き込まれていった。

オッペ

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”からまわり野郎”では?~「からっ風野郎」

”からまわり野郎”では?~「からっ風野郎」

若尾文子を辿っていくと避けて通れない作品がある。
三島由紀夫主演・「からっ風野郎」である。1960年公開。

当時の三島はすでに文壇の寵児、彼の主な作品はこのころまでに著していたというから実に早熟な作家だったのだと思う。
そんな彼が、ある作品の評価が芳しくなく、心機一転映画界に飛び込んだのがこの作品だとか。

内容は、当時流行りのギャング・ヤクザもので特にどうということはない。三島の演技は、意外と

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人間という種に対する問いかけ~「まあだだよ」

人間という種に対する問いかけ~「まあだだよ」

黒澤明の最後の作品、「まあだだよ」
なんとなくいまいちな評判しか耳にしていなかったのだけど、配信が終わりそうということで今回視聴してみた。

レビュ―のいくつかにあったように、たしかにやや説教臭く感じる点はある。それにこの「先生」と「教え子」という関係も強調しすぎでは、と思わなくもない。
でもどこか懐かしく、羨ましくもある。なぜだろう。

やはり人間って集団じゃないと生きていけない。
ひとりひとり

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屈折したアメリカ人~ジャック・ニコルソン「ファイブ・イージー・ピーセス」「さらば冬のかもめ」「恋愛小説家」

屈折したアメリカ人~ジャック・ニコルソン「ファイブ・イージー・ピーセス」「さらば冬のかもめ」「恋愛小説家」

U-NEXTの配信終了が迫ってきている映画をせっせと視聴しているのだが、奇しくもジャック・ニコルソン主演映画が続いたので、その紹介を。
1970年「ファイブ・イージー・ピーセス」、1973年「さらば冬のかもめ」、1997年「恋愛小説家」

ジャックの演技は、よく言えば一貫していてブレがない。悪く言うと、キャラがほぼ同じ。こうありたいという思いはありつつそれができず悪態をつく、癖のつよい、鬱屈したキ

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昔々ハリウッドでこんなことがあったとさ~「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

昔々ハリウッドでこんなことがあったとさ~「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

タランティーノ監督は次の作品が10作目となり、それで監督引退を表明しているのだが、現時点での最新作がこちら。2019年公開「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

”ワンスアポン~”は、「昔々、○○であったところでは・・・」という決まり文句なのだが、似たタイトルの作品もいくつかあって。

これは”~アメリカ”

これが”~チャイナ”
ほかにもまだまだあるようだが。

いわゆるシャロン・テ

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