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【短編】恋模様(2年1組)

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同じ教室で過ごす18人の高校生たち。 それぞれの日常を1話完結で描く。短編恋愛小説集。
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記事一覧

桜の咲く頃(恋模様2年1組#1)

出席番号10番 志賀山コウタ「また、隣ね」  4月、そう声をかけてくれたのは、七島さんだ。七…

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スニーカー(恋模様2年1組#2)

出席番号18番 矢上ショウヤ 「おい、ショウヤ」 「悪い、また明日」  俺は、カズマの呼びか…

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プレイリスト(恋模様2年1組#3)

出席番号16番 蓑部マイカ 「ごめん」  スマホに送られてきた返事は、たった3文字だった。…

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言えない気持ち(恋模様2年1組#4)

出席番号3番 臼井カズマ 「マジかー、だめだったか」  電話は、もう1時間も続いている。…

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佐々木さん(恋模様2年1組#5)

出席番号12番 瀬戸リュウキ   周りはなんだか騒がしい。カズマとマイカは最近ぎこちないし…

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真っ白な世界(恋模様2年1組#6)

出席番号13番  槻田ミツキ   青色、ミルクティー、コマドリにシロツメクサ…、カエデが好…

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執着心(恋模様2年1組#7)

出席番号2番 飯野川ジン   俺には、人望がない。なんとなく最近そう気づいた。今年の春に、バスケ部のキャプテンになったけれど、日に日に俺には向いてないと思っている。 「休憩入るぞ」  部員達からは気のない返事。もう慣れてしまっているけど、やっぱり虚しい。  父の影響で、バスケは5歳から始めた。家の庭にも小さなゴールがある。バスケは好きだ。だけど、今の部活の雰囲気はあまり好きではない。奥では、卓球部の連中がいる。あいつらの方が、なんだか楽しそうだ。冴えないヨシトの方が、俺

天使か悪魔か(恋模様2年1組#8)

出席番号6番 河合ヨシト 「はい、集合!」  部員はたったの7名。僕は、卓球部のキャプテ…

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偽りのプレゼント(恋模様2年1組#9)

出席番号7番 紀野カエデ  私はずっと、言えないでいる。  腕についた傷は、ミツキのせい…

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瀬戸くん(恋模様2年1組#10)

出席番号8番 佐々木ヒカル   文化祭の実行委員。そういう役割は決まって私にやってくる。壇…

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押せないインターフォン(恋模様2年1組#11)

出席番号4番 江森カイト 「相田は、まだ出てこないのか」  先輩の声に、僕は足を止めた。…

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ファインダー越しの涙にキスを(恋模様2年1組#12)

出席番号17番 森藤サイカ  ただ、海に行こう、その一文で私は、学校を抜け出した。多分、周…

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青と赤(恋模様2年1組#13)

出席番号9番 佐野 ユウリ  私たちにはルールがある。教室では絶対に会話をしない。どちら…

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紫、クラゲ、ゆらゆらと(恋模様2年1組)

出席番号1番 相田ナリヒト  周りとは違う生き物かもしれないと気がついた時、僕はもう、壊れかけていたようだ。部屋では、紫色のライトに照らされたクラゲが、僕を嘲笑うかのように優雅に泳いでいる。狭い水槽の中にいるクラゲの方が、きっと僕よりも自由だ。  二つのカテゴリーにあてはまる生き方を、僕は選ぶ事ができなかった。僕は知っている。人と違うものには、好奇の眼差しが向けられ、偽善の塊は僕を潰し、壊していく。笑えよ、笑えばいい。僕は未完成だと、心の奥底から覗いているその悪魔の顔で