偏差値教育の脳科学的な問題点

側頭葉中心の日本の教育

なんか茂木健一郎氏が書いてそうなタイトルになったが(笑)、偏差値教育の問題点を脳科学的に分析してみよう。

まず、日本のいわゆるお受験教育は暗記が中心である。暗記するための脳の部位としては、側頭葉の海馬の働きが重要である。ただ、海馬という器官はとても繊細で、酸素不足やストレスでダメージを受けやすいそうな。

一方、前頭葉や後頭葉は日本の学校教育環境ではほとんど出番が無い。

特に、前頭葉の出番が無いのが問題だ。この器官は、ヒトがヒトたらしめるとして最も大事な高次の脳機能が存在するからだ。

前頭葉(厳密には、前頭葉の大部分を占める前頭前野)の働きは、善悪・状況の判断、感情のコントロール、創造・思考など。一言でいえば「理性」「こころ」を司る部位である。

それが育っていないというのは考えてみれば恐ろしいことではないだろうか。

少年革命家ゆたぼんが他の生徒がロボットのように見えたというのも、脳科学的に見てみても的を射ていると思う。

ソフトバンクの孫正義社長も、日本の教育は暗記が7割で思考が3割なので逆にすべきと提言していた。

教育意識に長けていることで有名なユダヤの教えにも「知識を得るのは大事だが、本を積んだロバになってはいけない」という格言で、暗記偏重を戒めている。

アインシュタインも「調べればわかることをわざわざ暗記する必要はない」と言っており、記者から専門分野であるはずの光の速さを問われても、即座には答えられなかったという逸話や、自宅の電話番号ですら覚えなかったという逸話が残っている。

そういえば前述したゆたぼんも、「わからなければググったらええ」と言っており、さっきのアインシュタインの言葉とシンクロする。やっぱ天才だ(笑)。

脳科学的に見ても、先にも述べたが海馬は繊細な部位で、酷使するのはあまりよろしくはない。脳の発育のバランスを考えても、暗記の割合を減らすのは理にかなっている。

甲子園の投手とお受験教育

いきなり甲子園のお話になるが、日刊ゲンダイの記事によれば、1大会で650球投げた15人のなかで、プロでも目覚ましい活躍をしたのは松坂大輔投手と田中将大投手、新人王を獲得した正田樹投手の3人のみ。また、現代ビジネスの記事によると、春のセンバツで最も球数が多かった安楽智大投手の5試合で772球。他にも辻内崇伸投手の5試合で696球、藤浪晋太郎投手の春の大会で5試合659球、夏の大会4試合で516球。そしてダルビッシュ有投手の5試合505球など。最近では金足農の吉田輝星の881球などが記憶に新しい。

確かに、のちにプロで活躍出来ている人も一応いるのだが、そういう選手はやはり例外的と見るべきで、多くはプロとしての選手生命を絶たれたり、短くされたり思うように活躍できなかったり。また、その甲子園出場チームの陰で、オーバートレーニングで人生も狂わされた選手が無数にいることを知っておかねばならないだろう。

お受験(偏差値)教育だって同じである。朝から晩までで脳を酷使、しかも海馬というデリケートな部位に偏って酷使した教育はさしずめ、医学的にみてもデリケートな肩の部位を酷使する甲子園の投手と同じである。高学歴で活躍出来てる人はたくさんいるじゃんという人もいるだろうが、その陰で脳のオーバートレーニングで人生を狂わされた生徒が無数にいることを知っておかねばならない。

よしんば東大なり慶応なり、いいとこの大学受験を突破できたとしても、これまでの脳のオーバートレーニングがたたり燃え尽きてしまい、その後社会で思うように活躍ができない人たちが大勢いることを知らねばならない。いわゆる「高学歴ニート」などはその典型であろう。


なぜ脳の酷使は問題視されないのか

それでも、甲子園の投手の方の酷使の問題は、上記でリンクした記事のようにしばしば問題視はされるのだが、お受験教育の脳の酷使はなぜかほとんど問題視されない。

なぜか?

それは、医学的な実証が難しいからである。

身体の故障ならば、レントゲンなどといった検査で確認しやすい。

ただ、脳の機能異常は、例えば脳梗塞や脳溢血などといったはっきりとした病気でないかぎり、なかなか異常を見つけるのは難しい。

ただ、全くわからないわけでなく、例えばこちらの記事の脳の血流画像、のように、異常の発見は可能である。ただ、例えば先ほどの記事のものだと、SPECTというやや特殊な検査である。はっきりした脳の病気が疑われるのであればならいざ知らず、少なくとも通常の健康診断ではまず行われないだろう。ましてや昨今のコロナウイルスですら十分に検査体制を整えるための予算を政府が出さない国なんだし(笑)。おっとこれは蛇足だったか。

私の連載の記事でも、先ほどのリンクの記事で紹介したSPECTという検査以外にも、生体リズムの異常など、いくつかの記事で研究報告を紹介している。もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事で何冊か参考文献を紹介しているので一読されてみてはいかが。まあ、すでに絶版になって手に入れにくい文献もあるとは思うので、ヤフオク等で頑張って探してください(笑)。


因みに私自身はというと、高校時代に始まった不登校から紆余曲折があり、大学を受験しようとして、東進衛生予備校に通った経験がある。そのときの回顧談もできれば執筆したいが、記憶を掘り起こす作業も大変だし、それをする心理的、労力的、そして経済的な余裕がまだ無い。正直私は、心身の健康を破壊された原因である日本の教育を恨んでいる面もある。このいきさつに限らず、私の自伝的な記事もできればいつの日か投稿したい。


さて、前も連絡したが、配信環境が資金不足でなかなか整わずライブ配信か滞っている状態。とはいえ、最近メルカリでちょこちょこ売れたので(実は今日も)、ひょっとしたら安い機材なら購入できるかもしれない。お財布と相談の上、購入を検討する予定。ヤフオクやメルカリでご購入された方、ありがとうございます。

ただ、それでもお財布は予断を許さない状況ですので、引き続き支援をよろしくお願いします。詳しいことはこちらのブログにまとめましたので、ぜひご覧ください。

今回の記事は結構気合い入れて書きました。では、また。

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