RINTO | Hanako KONO

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RINTO | Hanako KONO

🌱📚庭・造園designer | Writer・Editor | フリーランス🏃‍♂️ 西洋と東洋の自然観・言語・庭の文化をいろんな角度から考えることに興味があります。 🎨https://hanakokono.com

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部分の美学。 日本の芸術が教えてくれる多様性へのまなざし

部分の美学 「美学」 最近辿りつたこの言葉が私は大好きだ。「美を学ぶ」。何を美しいと感じるかは人それぞれだけど、その人なりの「美学」を持っている人に私は憧れてしまう。それはものづくりだけでなく、生き方にしても考え方にしても。言葉でなくて、オーラで感じるその人の持つ美学。 そんな私は相変わらず、古典的な日本芸術の本が好きで、このコロナ渦の1年間相当な本を読んだ。その中でも今言葉に惹かれている高階さんが綴る本たち。 高階さんは美術学者で西洋美術史の専門家であり国立西洋美術

    • 根津美術館庭園とローマの話|地図のなかの日本庭園

      表参道駅から徒歩10分程にある根津美術館。 先日、頬には冷たい空気、背中には暖かな陽の温もりを纏いながら、 友人たちと「繡と織 華麗なる日本染織の世界」へ行ってきた。 今年は、庭園の分野とともに日本文化を面であじわえたらと思っている。 久しぶりの根津美術館で、庭園の由来や建築について気になって少し調べてみた。 そこで建築家の隈研吾さんが、とても興味深いこんな話をされていた。 地図で見てみると、あぁたしかにと思わず。 たしかに西洋は宮殿や意味を大きく場の前には、 ただひ

      • 01】デイヴィッド・ホックニーさんと日本庭園

        01. David Hockney and Japanese Zen Garden. デイヴィッド・ホックニーさんと日本庭園 はじめに 私は、西洋の空気を織りまぜて見る日本庭園が好きだ。日本庭園は、国内ではあまり気に留めてもらえないものだが、海外からはとても注目されている。Diorやスティーブ・ジョブズをはじめとして、多くのデザイナーや起業家のインスピレーションとなってきた。 西洋の空気を織りまぜてというのも、 デザインを学んだ私は、逆輸入的に、海外のデザイナーたちのス

        • あの日とこの日。「感化」されつづける倉俣史郎展。

          ロウバイの花が愛らしく花開く頃、世田谷美術館へ 「倉俣史郎のデザイン ー記憶のなかの小宇宙」を見に行った。 倉俣さんの展覧会に初めて行ったのは2011年。 当時はまだ建築インテリアを学ぶ大学生で課題のために、なくなく行った展覧会だ。 その時の展示だけは妙に強く覚えていて、自分のなかで小さな変化があったことを覚えている。 今振り返ると、それが持続する感動体験のはじまり。 今回ふたたび倉俣史郎さんの展覧会を訪れ、 10年経ってもう一度、新しい角度から心動かされる時間を味わ

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        部分の美学。 日本の芸術が教えてくれる多様性へのまなざし

          家族と迎える、新しい年。

          柔らかくも、しっかり芯のある人間になりなさい。幼い頃、母は言葉遣いやしきたり、礼儀マナーに本当に厳しい人で「どんなときも、自分で自分を律する」、いつの日かこの言葉は私たち親子の約束だった。 昨年の初め、フリーランスである私は、なんとも言えない大きな行き詰まりを味わっていた。小さな理由がかさなって、劣等感とともに「このままじゃいけない」となにかにかられる恐怖感だった。小さくともたしかに何か変わる自分を感じたい、そんな気持ちもあったと思う。毎日のように本屋に行っては、焦るように

          家族と迎える、新しい年。

          この世界にある見えない言葉たち。フリーランスをはじめて

          フリーランスとして働き方を変えてから2年が経った。 造園業界で、一人親方でもなく、フリーランスってなんだよ!と自分でもかんじているが、今フリーランスとして仕事をしている。この2年間の恵まれた環境と出会いとそれとともに有難い失敗達。そう、本当にたくさん失敗、後悔して、泣いて。その度に、今まで気づかなかった人達の存在やチームとしての力の大きさを学び直した。だから、今となっては「有難い失敗たち」。 私は、造園業界で新しいフリーランスとしてのカタチを模索しています。一般的に、私た

          この世界にある見えない言葉たち。フリーランスをはじめて

          春の黄色は、特別だ。

          冬から春に向かうころ、優しい黄色が顔を出す。 枯色の風景に少しずつ少しずつこの黄色が足されていく。 日本の春花には黄色が多い。 早春の頃、サンシュユやマンサクの花がこれからの春を知らせてくれる。あとを追ってヤマブキやたんぽぽ、野花も顔を出す。 そしてミモザの花はどうしてこんなにも多くの人に愛されるんだろうと、ミモザの日を迎えると毎年考えてしまう。 とある休日、友人たちと代々木公園でこの黄色を見つけました。まだ緑や花が少ないこの季節、梅やロウバイの花は遠くからでも、あそ

          春の黄色は、特別だ。

          『 に わ 』

          にわ(niwa)means GARDEN 🌱 ひらがなってやっぱり 柔らかくてかわいらしい。 はらぺこあおむし🐛で有名なエリック・カールさんの本を見ていたら、塗りたくなり夜な夜な絵の具の筆を持ちました🌜 いろんな緑がまざる庭のように。 - 休み時間 -

          - The little gardener -

          - The little gardener - little gardener が日々の庭しごとをきっかけに出会った美しいものや日々の驚き、何気ない観察やときに見てしまったディープな世界、そんなことを綴ったスケッチブックのような場所です。 あたらしい人や植物、素材に出会いながら時間を過ごすうちに、旅はもちろん本や美術に浸る静かな休憩時間を知っていきました。庭をきっかけに広がりつつあるその時間にこそなんとも心惹かれ、そんな内面をカタチにしていくnoteです。 かっこいい職人

          - The little gardener -

          なんか、なんかいいよね。 と思ってしまう

          言葉にうまくできないけど、 なんかいいよね、ひとが自然を見てる姿。 みんなと共感ができたら嬉しいな なにがいいのか、たまに必死に言語化しようと 撮った写真を何十分も眺める時さえあるけど、 まだしっくりくる理由も文章も出てこない。 美しいという事実をうまく言えないもどかしさ。 その人のまわりで起こっていることなんて 分かりもしないけど、どこの国へ行っても おとなでもこどもでも ひとりだろうと大勢だろうと 美しいな〜 と毎度感じてしまう。 きっとその美しさをあと

          なんか、なんかいいよね。 と思ってしまう

          冬がもたらすこと

          ひさしぶりの日本で味わう「冬」。今年は自分のなかの心境で初めて味わう感覚があって、その新しい感覚との出会いを言語化したくなりました。 いま私には2つの時間軸があります。年の変わり目にむけてだんだんと音楽のボリュームを落とすかのように内へ内へむかう「静けさ」に包まれる日本の時間軸。一方で、年の変わり目にむけてだんだんとボリュームをあげて外へ外へむかう「眩しさ」にあふれるニュージーランドの時間軸。 そんな2つの時間軸を知って、いまわたしは「日本の冬の美しさ」について 考える機

          冬がもたらすこと

          ふたつの時間

          人間の時間と植物の時間 このどこか心落ち着かない社会で 着実に時間が過ぎていることをゆっくりと感じます。 帰国した頃に田植えが始まり、 早いところでは稲刈りが始まっていました。 先日、ニュージーランドでとてもお世話になったかたに 近況の報告を兼ねて連絡をとりました。 その際に頂いたお返事の言葉が とても深くのこりまた文章を書きたくなりました。 その言葉をすこしここへ。 人間社会で起きることとはまったく別のペースで着実に育ち続ける野菜や植物から毎日、元気をもら

          ふたつの時間

          時間と深み

          植物の世界にいると 「時間」や「時の流れ」 にとても敏感になるようになりました。 生き物だからこと 急いでも仕方ないこと、 1でも2でもなく、 黒でも白でもなく。 時間が経ってわかることがあるのです。 「待つ時間」が 形のない豊かな心の動きを与えてくれるといいますか。 植物だけでなくて日々の日常の中で そういう気づきは いっぱい経験しているはずなのに。 植物はその仕組み可視化してくれる。 大学時代、デザイン界のプロデューサーの立場で活躍されている先生に

          Gardener and Florist

          Flowers 「 庭 」で生きる花 「 部屋 」で生きる花 Gardenerはどんな世界を見て Floristは どんな世界を見ているのだろうか 時には同じ花を見て チューリップ一輪例えにあげても、 花屋さんにとって、私たちにとって それぞれ別々の世界があるというか、そんなことを感じた時がありました。 業界の方であれば、とてもこの不思議な違和感を理解してくださる人もいるのではないかと思います。 建築業界から造園業界に身を移して、 おそらく私が「植物を生き

          Gardener and Florist

          Garden to table.

          Garden to table. 庭から食卓へ 「食」から見る「庭」 海外に出てから、より一層 「庭とはなにか、、、」 と深く考えるようになりました。 『 Garden  』 日本には「庭(にわ)」という言葉があることも実は、独特な文化だったのです。 「ガーデン」「庭」「ファーム」「畑」 この言葉の境目はいったいどこにあるんだろうか。ただ単に英語と日本語、そんなスッキリを引ける境界ではないことを感じました。 農業が盛んであり健康志向の高いNZでは、新鮮な野

          Color from nature.

          Life and Color 自然と色のつながり。 ーーーーーーーーーーーー なぜ「色」 わたしが最初に住んだ街、デボンポート。 気持ちがスッとする鮮やかな港の青 そして穏やかに広がる芝生の緑 夏を迎えようとする頃 (日本とは四季が真逆なので12月頃) 新たな色が加わる。 クリスマスツリーとして親しまれる ポフツカワの力強い 赤 が加わる。 ニュージーランドを象徴する 要素で溢れたこの風景 生活が始まって1ヶ月ぐらいの頃 この風景を目の前にして あっ

          Color from nature.