りよ🍀

色んな物語が今の僕を形作りました。 仕事が終わるとゲームに没頭し、 週刊紙と新刊の発売…

りよ🍀

色んな物語が今の僕を形作りました。 仕事が終わるとゲームに没頭し、 週刊紙と新刊の発売を楽しみにしつつ、 小説の世界に耽り、 週末は映画を観て締めくくる生活をしています。

マガジン

  • 僕の東京百景

    東京での体験談を書き綴っています。 又吉直樹さんの著書『東京百景』が好き過ぎて始めた企画です。

最近の記事

  • 固定された記事

本を好きになったのは、いつ?#10

 1/20(水)に第164回芥川賞・直木賞の受賞式が行われました。  芥川龍之介賞は、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』。  直木三十五賞は、西條奈加さんの『心淋し川』がそれぞれ選ばれました。  また1/21(木)からは2021年本屋大賞ノミネート作品が発表され、本好きの人間にとっては連日大きなイベントが押し寄せてきたような感じで、僕もTwitterやニュースで流れてくる華やかな話題に色めき立っています。  芥川賞・直木賞を受賞した2作品共まだ未読なので、積読した本を読み終わ

    • 『僕の東京百景 - 南青山の下り階段』

       約2年半程、僕の勤務地は南青山の住宅地の中にあった。  南青山はとても勾配の多い場所だ。大通りの方はそうでもないのだけれど、脇道の方へ一本入った途端に坂道や地下へ伸びる階段がたくさん現れる。土地代が高いせいかもしれない。住居から飲食店から美容院まで、地下に潜った場所で営まれている風景をよく見る。  僕はそんなところへお金も払わず立ち入っては、階段をちょっとだけ降りて地下には何があるのかを確かめる遊びをよくしていた。  あの店はこの階段の先にあるんじゃあ無かったんでしたっけ

      • 『推し、燃ゆ / 宇佐見りん 著』推しは背骨であり、魂そのもの。【芥川賞受賞・本屋大賞ノミネート作品】

         今回は第164回芥川賞を受賞、同時に2021年本屋大賞ノミネート作品にも選ばれらた『推し、燃ゆ』についての感想記事を書いていこうと思います。  ストーリーや登場人物、描写への考察をこと細かに記していくつもりですので、まだ本作品を最後まで読み終えていない方は、ページバックすることを強く推奨します。読了後にまた、立ち寄っていただければと思います。  それでは、よろしくお願いいたします! ■いつもの芥川賞とは毛色が違う まず初めに本作品に対して抱いた印象は「今回はずいぶんと

        • たくさんのスキありがとうございました~!! すごく励みになってます!記事はこちらです↓ https://note.com/rikuensis/n/naec1766c20cc

        • 固定された記事

        本を好きになったのは、いつ?#10

        • 『僕の東京百景 - 南青山の下り階段』

        • 『推し、燃ゆ / 宇佐見りん 著』推しは背骨であり、魂そのもの。【芥川賞受賞・本屋大賞ノミネート作品】

        • たくさんのスキありがとうございました~!! すごく励みになってます!記事はこちらです↓ https://note.com/rikuensis/n/naec1766c20cc

        マガジン

        • 僕の東京百景
          4本

        記事

          開花の時まで、あとどれくらい?#32

           桜が咲く時期には600度の法則というものがあるらしい。  2月1日から毎日の最高気温を足していき、その合計が600度になった頃に桜が開花する。春らしい陽気な雰囲気の漂う法則だと思うのと同時に、これを自分に置き換えた時に、あと何度合計すれ芽吹くのだろうと考えた。  自分は根明の人間だという自負があるのだけれど、時折鬱々とした気分に襲われて身動きがとれない状態に陥ることがある。  それは自分に課した目標を達成できなかったときとか、将来への不安とか、人の生きざまのようなものを見

          開花の時まで、あとどれくらい?#32

          『僕の東京百景 - 池袋サファリ』

           上京して早くも1ヶ月以上経ち、7月も終わろうとしていた。  僕はその間何をしていたのかと言うと、ほとんど働きもせず1日中池袋のゲームセンター「サファリ」に入り浸っていた。サファリは他のゲームセンターと違ってPCを貸し出しているスペースがあり、100円で30分、400円を入れるとなんと3時間もPCを使わせてもらえるのだ。  さらにその上の最上級コースがあり、1200円を払うと1台のPCを閉店まで使えるようになる。定職についていなかった僕はお金をあんまり浪費したらいけないなと

          『僕の東京百景 - 池袋サファリ』

          上映後の余韻、人はなぜ動けなくなるのだろう。#31

           今日は有給をとって映画館へ行ってきました。  平日の昼間から映画を観て過ごすなんて贅沢だな~と思いながら、目一杯楽しんできました!  観賞した映画は今話題の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。 今回は作品の詳細な感想や考察を語る記事ではありませんのでご安心ください。上映開始から沈黙を貫いているエヴァファン達の素敵な想いに僕も習って、作品への溢れんばかりの感想は今日は胸の内に仕舞っておきたいと思います。  上映が終わった後、しばらく茫然としていました。  エンドロール

          上映後の余韻、人はなぜ動けなくなるのだろう。#31

          バレても人生は終わらないけれど。#30

           鼻栓をしている。どこにといえば、鼻にだ。  ティッシュを丸めて片方の穴に詰める。ひどいときは両方に詰める。  噂話もしたくないが、この時期、陽が暖かくなるにつれて「花粉症」がやってくる。すっかり治ったのだとばかり思っていたのだが、それはどうやら思い違いだったようだ。成りを潜めていただけで、彼らはまたやってきた。  今年は来てもいいよ、とは一言も伝えていないのだけれど。  花粉症患者は外へ出るのも億劫だ。  陽気な気候に誘われて一旦外に出てみたら、とても痛い目を見る。  マ

          バレても人生は終わらないけれど。#30

          『僕の東京百景 - 劇場前広場の夜気』

           僕は都会の喧騒に馴染むことができず、いつも家の中に引きこもっていた。東京に来たら色んな場所へ足を運んで、地元には無かった色んな遊びをしよう。そう思って上京した筈なのに、東京の店はどこも目に眩しく、調べれば調べるほど敷居が高いように感じる。  外を歩くのは、決まっていつも人の往来が収まった深夜の時間帯だけである。一人での外出もままならず、早くも一ヶ月が過ぎ去ろうとしていた。  そんな僕を見兼ねてか、同居人の友人がよく池袋観光に連れ出してくれた。サンシャイン通りの賑わいの中

          『僕の東京百景 - 劇場前広場の夜気』

          こんなことなら白にするんだった。#29

           仕事が終わり、今はカフェにいる。  平日は気合いを入れて身支度をしようと思う気になれないので、服装のことなんて何も考えずに家を出てきてしまった。  それでカフェに着いてから気づいたのだけれど、僕はシャツからズボンから靴まで全身まっくろくろすけではないか。しかも無地で統一されている為、見ようによっては黒い影が椅子に座っているように見えなくもない。  外を歩くときはベージュ色のコートを羽織るのでまだなんとかなるが、コートを外して席についた今、店員さんは僕の存在に気づいてくれ

          こんなことなら白にするんだった。#29

          『僕の東京百景 - 上京』

           上京する前、東京は”人同士が希薄で冷たい”というぼんやりとした恐怖の印象を抱いていた。風の便りで、上京して働いていた従妹のお姉さんが、仕事で体を壊し地元へ帰ってきた話も聞いていたので、やはり東京は過酷な環境に違いないのだと妙に確信しているところがあった。  そんな僕も4年前、地元浜松市の長閑な田園風景にもいい加減飽きたので、刺激的な日常を求めて上京することを決意した。  寝静まる故郷の灯りを置いてけぼりにし、夜行バスの固いシートに揺られ東京を目指す。車内は暗く、人が大勢乗

          『僕の東京百景 - 上京』

          SUGARの栞。#28

           最近、星乃珈琲店によく行っている。用途はもっぱら読書だ。  近くに行きつけの本屋さんがあるので、本を買った帰りがけに星乃珈琲店を訪れ、いつもそこで本を読む流れになっている。    店内の照明が暗く、全体的に落ち着いた色合いの内装をしているので、暗い場所が好きな僕は引きずり込まれるように足を運んでしまう。  腰を深く収めることのできる椅子や、珈琲を入れる銅製のコップとかも気に入っていて、最近お気に入りの場所になりつつある。  話はすこし逸れるのだけれど、僕は読書好きにも関わ

          SUGARの栞。#28

          ゴミ箱を飛び越えた先にある未来。#27

           僕は文章を書くとき、それはたくさん書いては消してを繰り返す。  何度も行ったり来たりしている間に何を書きたかったのかがよく分からなくなって、やっぱり最初にたどり着いた言葉で行こうと思い、ページの上から消した文章をまた拾い上げて使う。そうすると案外悪くないじゃんということに気付き、なぜ書き直そうとしたのか疑問に思うことがよくある。  今はPCの画面上にキーボードで文字を打ち込むことで文章を綴ることができるのだけれど、これがエンピツや筆の時代であれば、僕がやっている書いては消

          ゴミ箱を飛び越えた先にある未来。#27

          『犬がいた季節 / 伊吹有喜 著』青春の甘い匂いがする──。【2021年本屋大賞】

           今回は2021年本屋大賞ノミネート作品の一つである『犬がいた季節』についての読了感想記事を書いていこうと思います。  ストーリーや登場人物、描写への考察をこと細かに記していくつもりですので、まだ本作品を最後まで読み終えていない方は、ページバックすることを強く推奨します。読了後にまた、立ち寄っていただければと思います。  それでは、よろしくお願いいたします! ■誰にとっても想起できる青春を描いた作品 読んでいる最中、僕の胸の奥では様々な感情が湧き起こっていた。  青い恋

          『犬がいた季節 / 伊吹有喜 著』青春の甘い匂いがする──。【2021年本屋大賞】

          読了ツイートできなくなった、夏。#26

           数年前までは、読み終えた本の感想をTwitterのつぶやき140字以内に収めて書くことをちょっとした趣味にしていた時期がある。  まとめることで時間が経過しても本の内容をよく覚えているし、感想を書くのも楽しかったので読書の後の楽しみにしていた。  棚からぼたもち的な出来事で、本の感想を簡潔にまとめる技術が仕事でも役に立った。物事を要約して伝える場面で活用できたし、自分の考えを文字に起こして表現するという行為が間接的に、誰かとのコミュニケーションを円滑に進めるための術として

          読了ツイートできなくなった、夏。#26

          読んでいただき、ありがとうございます!

          読んでいただき、ありがとうございます!