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上映後の余韻、人はなぜ動けなくなるのだろう。#31

 今日は有給をとって映画館へ行ってきました。
 平日の昼間から映画を観て過ごすなんて贅沢だな~と思いながら、目一杯楽しんできました!

 観賞した映画は今話題の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』。
今回は作品の詳細な感想や考察を語る記事ではありませんのでご安心ください。上映開始から沈黙を貫いているエヴァファン達の素敵な想いに僕も習って、作品への溢れんばかりの感想は今日は胸の内に仕舞っておきたいと思います。

 上映が終わった後、しばらく茫然としていました。
 エンドロールの流れが止まり、館内の灯りが少しずつ上がり始めたというのに椅子から立ち上がることができずにいました。
 胸の内は作品に対しての充足感や爽やかな気持ちで満たされているのに、なぜ心臓の深部がキュッとなるような、寂しい感情がやってくるのだろう。

 特にシリーズ物が未完の時期は、早くストーリーの完結が見たい!キャラクターの最後を見届けねば死ねない!みたいな感じで、物語の終わりを待ち望んでいるのに、すべての幕が閉じた今、まだ終わってほしくないという気持ちが溢れてくる。もう終わってしまったというのに。

 映画館の大スクリーンに映し出される映像に圧倒され続け、目の前から迫る様々な音の嵐に打ち付けられ、完結後のエンドロールの静けさに感慨無量となる。この映画館特有の構造的な演出にまんまとハマり、人は喪失感を覚えてしまうのだろうか?

 しかし僕たち人間の感情はもっと複雑なものだ。

 作為的なもので簡単に心を揺さぶることはできない。

 架空の物語、架空の世界、架空のキャラクター、僕らが生きる世界には存在しないはずのものを自分の中にある現実のように感じ、彼らの存在に愛着を、もしくは本物の愛情を抱いてしまうから、感慨深くなってしまう。作品は後世に残り続けるのだけれど、一旦の別れを告げられてしまうから喪失感を抱くのだと、スクリーンに映し出された「終劇」の文字を見て思いました。

 上映中はすごく楽しくて、悲しい気持ちになったり、ハラハラさせられたり、観終わった後には満ち足りた想いで晴々とした気分になったかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような寂しい"ロス"に襲われる。

 自分のこの数時間の心情を言葉にしてみると、やっぱり創作物は素晴らしくて尊いものだなと感じました。そしてこれだけ感情豊かに感じることができるのも、やはり創作物に触れてきたお陰なのだと。

 しかしまあ、僕はまんまと「エヴァロス」にハマってしまったので、数日の間は彼らの物語を想いながら過ごしたいと思います。

 はぁ~、すごく充実した休日でした。

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