マガジンのカバー画像

Story

11
運営しているクリエイター

#物書き

ぜんぶ、だけど

ぜんぶ、だけど

私の彼氏は、顔が良い。
じっと見つめて女を辞めたくなるくらいには。

イケメン、というには美しすぎる。
見目麗しい、と表現した方が合っている。
意味的には同じかもしれないが。

まぁ、その、なんだ。
人としてもちろん彼のことは好きなのだが、それ
と同じくらい顔が好きなのだ。

隣を歩き始めて早3年。
すれ違う女の子が色めき立つことにも慣れた。
気持ちはわかる。
きっと私も同じようにするはずだから。

もっとみる
invisible

invisible

君たちを見つけた、あの日。
それはきっとただの偶然なんかじゃなかった。
もしかしたら、君たちが私を導いていたんじゃ
ないかって思ってしまうんだ。

そんな君たちが、たくさんの出会いを経て
変化していく姿をこんなにも近くで見られることとても嬉しく思うよ。

…さて、何から伝えたらいいんだろう。
君たちと過ごした時間はあまりにも濃くて、
眩しくて、感じたものも得たものも本当に
たくさんありすぎて、持て

もっとみる
How sweet do you like?

How sweet do you like?

つくづく思う、私は面倒くさい女だなぁと。

「どうかした?」

あ、気づかれた。意外と早かったな。

「いや、綺麗な顔してるなぁって思って。」

「ふはっ、なんだそれ。」

彼は少し照れ臭そうに笑って、また手元の
スマホへと視線を戻す。

今は私の家で彼とまったりタイム。
お互いスマホゲームをして楽しんでいる。

正しく言うと、彼は現在進行形で楽しんでいるが
私はゲームに飽きて、目の前の綺麗な顔を

もっとみる
チョコレート事件

チョコレート事件

世の中がバレンタインだと浮かれていた中、
私たちの学校は絶賛テスト期間。

最終学年への進級がかかった大事な
学年末テスト。
チョコだのなんだの言ってる場合じゃないよ。

そして無事テストが終わり、
遅めのバレンタインが学校に訪れた。

昼休みはみんなでお菓子パーティーだし、
放課後はテストが終わった開放感で
遊びに行く人がいっぱい。

私? 私は、お菓子パーティーはするけど
真っ直ぐ帰宅組。

もっとみる