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弱小野球部哀歌。

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高校時代の失敗とか失敗とか失敗とか書きます。 汗と涙とあまり伸び代なかった成長の話。
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弱小野球部哀歌。#4

弱小野球部哀歌。#4

↑↑↑前回のお話↑↑↑

 前回最後の方でしれっと入部届にサインしたことを書いたけど、そこまでにも話がちゃんとあったのを思い出したから書いてみる。

 あの日、心神喪失状態のままホイホイと野球部員について行ってしまった私。遥か昔、知らない人にはついて行ってはいけないと親から教育を受けていたにもかかわらず、だ。

 心が弱っている時こそ警戒を怠ってはいけない。これは後の人生の教訓となったが、この時点

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弱小野球部哀歌。#3

弱小野球部哀歌。#3

↑↑↑前回のお話↑↑↑

 オープンスクールが終わってからというもの、私は人が変わったように勉学に励んでいた。そこそこ放任主義の両親が姿を見ただけで驚き、理由を聞いてくる程に。

 行きたい高校が出来たんだ、とは言った。嘘はついていない。

 あまりにやる気が見えるものだから、短期で家庭教師を付けるか。と両親が言い出した。息子の姿勢が変わったことがよほど嬉しかったと見える。そこまでしなくても……と

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弱小野球部哀歌。#2

弱小野球部哀歌。#2

 2003年、秋。中学三年生の私は受験先を決めかねて、友人と幾つかオープンスクールに参加していた。どのような高校生活を送るかというイメージを描くことが出来ない自分に、少し苛立ちを覚えたりしながら。

 特にやりたいことがないため、進路へのビジョンを持てない。誰に対するわけでもない劣等感みたいなものも感じていた。親のささやかな(コスト面での)期待に応えるため、公立高校に行くことだけは外さないようにし

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弱小野球部哀歌。#1

弱小野球部哀歌。#1

 まだ5月だというのに湿度がすごいと毎日言っている気がする。一歩外に出るだけで体に纏わりつく暑さをひしひしと感じる。先日ニュースでは梅雨に入ったと言っていた。偏西風と太平洋高気圧の位置が影響しているのだと。見てもよくわからんけど。不思議と梅雨と聞くだけで不快指数が増すように思う。字面がもう湿っぽい。この嫌な時期を乗り越えた先にはさらなる地獄が待っている。日本の夏は蒸される上にやたらと暑いことで有名

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