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言語屋=中国語教師×日本語教育×コーチング×言語学×オンライン。 noteで最近読んだ本の活用法をシェアしていきます。 Amazonのアソシエイトとして、 Rickは適格販売により収入を得ています。

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  • Rickの月曜心理学

    毎週月曜日、アドラー心理学を中心に心に効く心理学のアイデアをご紹介します。

  • 日本語教師 オンラインとリアルの間で叫ぶ

    オンラインとリアルの間で、授業のコツをなどを叫びます。

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    日本語教育や教案作成、授業のヒントになる本を紹介。日本語教育能力検定試験、外国語教育、第二言語習得に役立つ本も紹介。時々心理学関係も。

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    合格者以上講師未満が語る!日本語教育能力検定試験対策

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「EQを使う」とクライアントとうまくいく

今回から毎回人が語った、造った、つぶやいたいろいろな言葉を取り上げて、味わうコンセプトでエッセイを書いていきたいと思います。 AIで修正をしない、あくまで人が紡ぐ文章なので、誤字脱字、悪文お許しください。 さて、今回取り上げる”人の言葉”は「EQを使う」です。 定義、のようなもの EQ(心の知能指数)を活用して、人間関係を円滑に進めようとすること 聞いた場面(採取した場面) 私は日本語教師をしていますが、先日のクラスで外資系の会社で働く生徒の方(Aさん)と会話して

    • 「遊び」という言葉を、文化の起源、日本語、漢字、中国語、英語の語源で考えてみたら、どれも同じような意味だった件

      前回、『熟達論』(為末大)という本を紹介し、「遊びとは学びや熟達の基本である」という点について述べました。 その後、「遊び」という言葉について、日本語と中国語の両方から考えさせられたので、続編を書きたいと思います。 ホイジンガ「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」 「遊び」で思い出したのは『ホモ・ルーデンス』です。 ホイジンガという歴史家が1938年に書いた著書『ホモ・ルーデンス』で紹介されている言葉です。本書のタイトル『ホモ・ルーデンス』には、人間の本質は遊ぶことにあるとい

      • 語学学習の基本に「遊び」がなければ、それなりにしかなれないらしい

        語学学習は楽しい方がいい。楽しい方がいいが、「楽しい」ということはどちらかといえば、薬味のようなもので、「なくても食べられるけどあったらもっといい」という程度に捉えていた。 私がこれまで日本語を教えるとき、また中国語教師として中国語を教えるとき「真面目に学ぶことこそ正義」という固定概念にとらわれていたのかに気付かされたのは、為末大さんの「熟達論」を読んだから。 本書では、熟達の過程を「遊」「型」「観」「心」「空」の5段階に分けており、あらゆる分野で熟達者のスタートが「遊」

        • 「フリーランス」の昭和世代、日本語教師、ノマドとフーテンの違いがわからず戸惑う

          フリーランスかつオンラインの語学教師を生業とするようになってもう10年近く経ちます。何も最初からこの生き方を好んで選んだわけではなく、興味の方向性や、コロナなどによる状況で、一つ一つ仕事を選んでいたところ、いつの間にかこうなっていた、という感じです。 さて、私がオンラインで非常勤の語学教師の生き方を始めた当初は、「常勤になれない人が仕方なくやっている仕事」と見なされる風潮がありました。しかし、コロナ以降状況は劇的に変化し、またフリーランスの生き方を応援してくれるような教育系

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          「腹落ち」できないChatGPTの話が腑に落ちた

          先日、知り合いのIT企業の経営者の方と話す機会がありました。現在は、ChatGPTなどの生成AIを使った仕事が多くなっており、今後のChatGPTの可能性についても熱く語ってくださり、大いに勉強になりました。 ところで最近、「言語の本質」(中公新書)を読み、生成AIの限界と「記号接地問題」についての記述を読み興味を持ったのでその疑問をぶつけてみたのでした。 「記号接地問題」とはChatGPTなどの生成AIとは、大量なデータを解析し、アルゴリズムで次に来る確率が高い言葉を解

          「腹落ち」できないChatGPTの話が腑に落ちた

          「こんにちは」とは存在確認であり、存在証明でもある

          みなさん、こんにちは。急にあらたまってあいさつされると、なんとなく身構えてしまう、不思議なあいさつ「こんにちは」。訪ねていった玄関の戸口で家人が出てこないときに「こんにちは〜!どなたかいますか?」と聞きます。ちなみに「こんにちは」は、大声で「こーんにーちはーー!!」というと漫才のつかみにも使えてしまうという、不思議なポテンシャルを持つ言葉でもあります。 今日は、使いそうで使わない、いざ使おうとすると使い道が限られる不思議なあいさつ言葉「こんにちは」を味わってみたいと思います

          「こんにちは」とは存在確認であり、存在証明でもある

          日本語読解学習用「日本語と英語の世界観のちがい」(N1レベル)

          よく日本語は「鳥(虫)の視点」、英語は「神の視点」と表現されます。また、日本語の視点は「動く」、英語の視点は「動かない」とも言われます。どういう意味でしょうか? 日本語の世界では、自然の中に自分もいて(虫や鳥のように)、中から外の自然の世界を、動きながら見ている。一方で、英語は外から世界を(まるで神のように)一つの方向から見ている世界観だ、と言われます。 例えば日本語には「山があります」「お金がある」のような自動詞文が多く、その理由は、中から世界を見ている時に見えているモ

          日本語読解学習用「日本語と英語の世界観のちがい」(N1レベル)

          オンライン授業で提供する「笑顔の価値」

          いろんなことがある世の中ですから、 オンライン授業のときは笑顔でいられることが ありがたいなあと感じています。 生徒たちも日本語で何かを話そうと奮闘しているときは、 他のことを考えずにすみます。 一生懸命授業を提供している教師側の私も 授業の時間は楽しく過ぎていきます。 オンライン授業が増えているおかげで、 笑顔で生徒たちと話せる機会が多くなっているのは、 自分のメンタルヘルスを考えても 意味があるなあと思っています。 (ΦωΦ)(ΦωΦ)(ΦωΦ) そんなわけで、

          オンライン授業で提供する「笑顔の価値」

          「原因追求症候群」をやめた話

          「どうして、こんなことになったんだろう」 「だれが失敗して、こんなことになってるの?」 「これって、結局だれが悪いんだろう」 いろいろなニュースや世相を見ていると、 どのニュースからもそんな声が聞こえてきます。 自分自身、ちょっと疲れて今の状況を憂えているとき 「あの時、誰かがあんな選択をしたから・・・」 「自分がこうなったのも、あれのせい・・・」 と原因(犯人)探しをしているのに気がつきます。 根がまじめな人たちは特に、問題の原因の追求に、 とことんあたってしまい

          「原因追求症候群」をやめた話

          日本語教師の「ティーチャートーク(先生日本語)」あり?なし?

          先日こんなツイートを見ていて、いろいろと考えさせられました。 全く同感です。 ただ、「日本語教育の教科書」などでも、このような説明もあります ティーチャートーク:直接法の指導では、既習語だけを使う。一文を短くする。大きい声ではっきりと話す。 この、「既習語だけを使う」という部分だけ見れば、 「ティーチャートークもありなのなか?」とも思えます。 みなさんはどう思われますか? 私が日本語教師になりたてのころのことを思い出しました。 教務室で、先輩の先生が生徒と話してい

          日本語教師の「ティーチャートーク(先生日本語)」あり?なし?

          「逃げたら負け」から「やめるのもあり」に

          私はオンラインの授業で、 中国の学生を担当することが多いんですが、 最近、生徒とオンラインで話していて、 こんな言葉を口にする学生が多いように思いました。 「わたしは今の仕事に向いていない。だからやめたほうがいい」とか、 「目標の大学に入れなかった。だから自分には価値がない」とか 「結婚できない。だから自分は敗者だ」と。 もちろん、生徒たちは日本語勉強中なので、 表現が足りず、やや極端な言い方になってしまう、 という部分あるとは思いますが、 何人かがそういうような考え方を

          「逃げたら負け」から「やめるのもあり」に

          「日本語教師は生き方」

          Twitterを見ていたら日本語教師関連で 「新卒で日本語教師 どうなんだろう」 というようなことが話題になっていました。 その問いにいろいろな先生たちが 思い思いの答えをつぶやいておられ、 熱いものを感じました。 私も思うところがありましたので、 いまnoteで流行っている改行多めの書き方で 記事にしていきます。 わたしは以前こんな記事を読んだことがあり、 ずっと心に残っているのでシェアしたいと思います。 日本語教師は職業か? いや「生き方だ」と。 私も同感です。

          「日本語教師は生き方」

          「公認日本語教師」と今できること

          昨日、めずらしく日本語教師界隈の話がニュースで取り上げられました。 いよいよ「公認日本語教師」について大筋が決まりました。 これまで文化庁の「日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議」でずっと話し合われ、7月29日に行われた第九回の会議で決まった内容が、来年の国会提出される、ということです。つまり、実際に施行されるのはまだ数年先です。 会議の資料はこちらからも確認できます。 これまでも、話し合われてきたことが二転三転してきましたし、国会提出までまた横やりが入って二転

          「公認日本語教師」と今できること

          「日本語は世界一早口の言語」という説、本当?

          どこかで「日本語は世界一早口の言語」という説を見かけて、ずっと気になっていました。それって本当なんでしょうか?ちょっと調べてみました。 ネットでいくつか記事が見つかりました。 この話自体は、2019年に発表された論文がもとになっているようです。 どんな論文?1,日本語は1音節中に入れられる情報量が少ない。 音節はまとまって聞こえる音の単位です。例えば、「ストライクSu/To/Ra/I /ku」は5音節になります。一方、英語は「Strike」となり1音節ということなりま

          「日本語は世界一早口の言語」という説、本当?

          「ゴン攻め」は「ガン攻め」の最上級とのこと。でも、オノマトペの強さとしては「ガン」のほうが上では?と思っていたら、こんな論文を見つけた。「ゴン」のほうが「大きさ、安定感」の面で上回っている、と。なるほど・・・。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/30/1/30_30_364/_pdf

          「ゴン攻め」は「ガン攻め」の最上級とのこと。でも、オノマトペの強さとしては「ガン」のほうが上では?と思っていたら、こんな論文を見つけた。「ゴン」のほうが「大きさ、安定感」の面で上回っている、と。なるほど・・・。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/30/1/30_30_364/_pdf

          「日本語教師も外国語を学習しておいたほうがいいかも」という話

          昨日のお話の続きで、日本語教師が外国語を勉強しておくメリットについて考えてみたいと思います。 昨日の記事と同様に、その言語そのものからくメリットは除外します。例えば、媒介語を使って授業ができる、とか。その国に渡航して仕事ができるとか。英語が話せればハイクラスの人材への外国語教育ができ、実入りがよくなりますが、そのことも心を鬼にして除外します。 1,生徒の間違いに優しくなれる 外国語を勉強する苦労を知っていれば、生徒のエラー/ミステイクに対し、寛容になれます。自分自身が外

          「日本語教師も外国語を学習しておいたほうがいいかも」という話