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「公認日本語教師」と今できること

昨日、めずらしく日本語教師界隈の話がニュースで取り上げられました。

いよいよ「公認日本語教師」について大筋が決まりました。

これまで文化庁の「日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議」でずっと話し合われ、7月29日に行われた第九回の会議で決まった内容が、来年の国会提出される、ということです。つまり、実際に施行されるのはまだ数年先です。

会議の資料はこちらからも確認できます。

これまでも、話し合われてきたことが二転三転してきましたし、国会提出までまた横やりが入って二転三転する可能性ももちろんありますので、この内容について一喜一憂する必要はないかもしれません。

私は、この資料に基づいて「日本語教師として今何ができるのか」ちょっと考えてみました。

1,現役の教師も試験を受ける必要がありそう

公認の日本語教師の試験は①、②の2つに分かれています。資格がある現役の日本語教師の場合、実習と試験①は免除されそうですが、試験②の受験は必要そうです。

何ができるか

すでに「日本語教育能力検定試験」を受験した経験があれば教科書をとりだしてきてみる、420時間の養成講座を受けたのであればテキストをもう一度取り出してきて読んでみてもいいかなと思います。

「日本語教育能力検定試験」の内容自体、普段の授業に生かせるポイントが盛り沢山ですし、日本語教師として読んでおいて損はない内容ばかりかと思います。もちろん、現役なら試験②も免除、となれば一番うれしいんですが。そうなっても勉強自体は無駄にならない、と自分に言い聞かせて、以前勉強したことを思い出し始める(スキーマを活性化させる)ことはできるかなと思いました。

2,「公認の日本語教師」ができても雇用環境は大きくは変わらない

「公認の日本語教師」ができても、日本語教育界隈の大変な状況が一気に改善されるとは考えにくいです。「公認の日本語教師」の資格とは、単に「告示校」で働けるというお墨付きだけ、という気がします。

雇用環境は感染症の問題が終われば多少改善されるとは思いますが、今回の資料を読んでいても、外国人労働者向きの日本語教師のお仕事が薄給という状況が大きく改善されるというような国の補助などはそれほど期待できないと思いました。「介護福祉士」の試験ができたからといって、介護福祉士の待遇が一気に改善されたわけでもないことと似ています。

何ができるか

雇用環境が改善されるのを、ただ待っていても物事はなにも変わらないので、オンラインでもなんでもいまできる仕事をただ粛々とやり続けるしかないように思います。仕事をしながらも日本語教師としてのスキル、知識を向上させること、ICT対応など、できることは無限にありますし・・・。

あと、「日本語教師の仕事って結局勉強し続けるもの」と覚悟を決めることは大切かなと思いました。一度就職してしまったらその会社で定年まで働く仕事などではなく、常に勉強の仕事なんですね(泣)。最新の教授法を知り、日本語教育関連の本に目を通し、出られるセミナーがあれば出ておくとか。ただ、高額な「資格商法」も存在しますから、焦って高いセミナーにあれこれ行く必要はないかもしれませんが。

まとめ

日本語教師とは、資格や会社に守ってもらえるような仕事でなく、腕一本で生きていく「職人のような仕事」なんだなと思います。そうであれば、勉強する機会をありがたいと、と受け止めるしかないんでしょうね。勉強嫌いですけど・・・。

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