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アジア人を好きになってもらうために私がしていること

今日は、私が制作している「イラスト漢字辞典」をご紹介します。


作品概要


対象:
日本語を勉強している外国人(英語話者)の方

目的:
日本語を勉強している方が、楽しみながら漢字をマスターできるようになること

掲載場所:
作品はInstagramで公開中です↓
https://www.instagram.com/ricco1116/?hl=ja

内容:
1投稿につき1つの常用漢字を解説しています。

1ページ目(イメージ)

漢字の意味に紐づいたイラスト

2ページ目(成り立ち・由来)

その漢字がどうしてそのような形をしているのか

3ページ目(字義)

その漢字がもつ意味

4-5ページ目(イディオム)
※ページ数は投稿によって多少変動があります。

その漢字を使った熟語やことわざ
その漢字を使った熟語やことわざ

6ページ目(読み方)

音読みと訓読み

7ページ目(出典)

基本的には漢語新辞典(大修館書店)と漢字源(学研)の2冊を参照しています。他に参照したメディアがある場合は追記してします。Webメディアを参照した場合はURLを記します。

そもそも、なぜ漢字辞典をつくろうと思ったのか?

きっかけは、大学時代に始めた言語交換(Language Exchange)です。
私の通っていた大学では、「英語を学びたい学生」と「日本語を学びたい留学生」をマッチングする掲示板があり、英会話に通うお金の無かった私はこの掲示板を通じて4年間で10人以上の留学生と出逢いました。学内のスタバで会って、前半30分は日本語 / 後半30分は英語という風に時間を分けて、お互いが外国語を学べるようにしていました。

人種、国籍、宗教、性別 … 出逢った留学生のバックグラウンドは実に様々だったのですが、面白いことに一つだけ共通点がありました。それは日本語の勉強で「何が一番難しい?」と聞いた時の答え。

「漢字」です。

「漢字の何が難しいか?」を聞けば、今度は様々な答えが返ってきます。(形が複雑・数が多すぎる・似たような形の漢字が区別できない…など)そしてLanguage Exchangeでの留学生との交流を機に、私は日本語学習者のこの悩みを解消したいと思うようになりました

やがて、この悩みを解消するためのアイデアが一つ思い浮かびます。漢字をわかりやすく学べるコンテンツを作ってみる、という案です。2021年1月19日私はこのアイデアを実現すべく、漢字辞典づくりをスタートしました。

なぜ、イラストが必要なのか?


「イラスト漢字辞典」の表紙は、必ず一枚の絵にしています。

これは、イラスト漢字辞典の構想を抱き始めたのがコロナ禍だったことと深く関連します。2021年当時はコロナ禍で、それまで当たり前に行き来していた国境が閉ざされ、それまで当たり前に会っていた友人に会えなくなり、当たり前に開催されてきたイベントが次々に中止・延期になっていました。当時レストランを経営していた友人が写真を送ってきた時のことは今でも覚えています。誰もいない。誰もこない。テーブルと椅子だけが並べられた店。そして友人はその後1ヶ月で店をたたみました。何となく、世の中がギスギスしていて、コロナを発端とする悲しいニュースが毎日のように目に入る時期でした。その中で、私にとって最もショックだったのは、アメリカ
で起きたアジア人襲撃事件でした。

シアトルに住む香港人の友人に連絡をとりました。ニュースをみて心配になったと伝えると、「ああいうのは本当にごく一部。私の周りは変わらない日常だよ」というメッセージが返ってきました。少し安心しましたが、でもやっぱり悲しかったです。日本人であるというだけの理由で、私は世界の一部と断絶されている気がしたからです。

報道では「新型コロナウイルスの流行で」と文脈が表現されていましたが、思えばコロナ以前から差別やヘイトクライムは存在していました。「〇〇人は嫌い」「〇〇へは行く気がしない」「〇〇語は勉強する気にならない」など、特定の国籍や人種に対し、ネガティブなイメージを持つ人は一定数います。無論私自身も例外ではなく、無意識に差別的意識を持っているのかもしれません。

そのような中で、どうすれば人種や国籍間に蔓延る「ネガティブなイメージ」を払拭できるのかを考えました。人種や国籍のフィルターに関係なく、人と人がつながるきっかけを作るにはどうすればいいのか?私なりに考えました。

例えば、お菓子を買うとき。パッケージのデザインに魅了されて手にとり、どこの国で作られたものかを後で知り、その国の意外な魅力に気づくというように。面白いアニメーション映画を見て、「なんて素敵なストーリーなんだ」だとか「この愛らしいキャラクターがたまらなく好きだ」と感動した後に、どこの国で作られた物語かを知るように。

人種や国籍を超えられる "媒体" があれば、人と人はつながることができる。そう信じて、漢字辞典の表紙に、必ずイラストを入れることにしています。

作品を通じて実現したいこと


そして、私のつくるイラスト漢字辞典を読むことで、外国の方が漢字に眠るストーリーに触れ、アジアの文化に親しみを覚えてくれたら良いなと思っています。

作品に込めた想いをストーリーで表明しています。

2021年1月から今まで、イラスト漢字辞典の作成に励んできました。今日(2024年4月5日時点)で投稿は139個目です。常用漢字は全部で2136字なので、まだまだ完成までの道のりは長いですが、これからも地道に続けて行きたいと思っています。 

#私の作品紹介 #日本語教育 #ヘイトクライム #差別 #ダイバーシティ

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