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物語とシャンパンと

今夜はクリスマス・イブ。世界中のあちこちで、いろんな物語が綴られることと思います。

或る家では、サンタクロースがこっそりと、枕元にプレゼントを置く、そんな家族の物語が。

或る店では、美味しいディナーを味わいながら、瞳をキラキラさせている、恋人たちの物語が。

或る街では、クリスマスツリーの下で、別れた人と運命的に再会をする、そんな奇跡の物語が。

そして中には、たった独りで過ごしつつ、淋しい物語を紡ぐ人も、きっといるかと思いますが…。

いかなる物語にも、その人だけの彩りと、味わいと、オリジナルの世界があるような気がします。

かく言う僕も、イブの夜には、嬉しい物語もたくさんあれば、悲しい物語もたくさんありました。

幼い頃には、両親という名のサンタクロースからプレゼントをもらった、そんな嬉しい物語も。

大人になって、恋人という名のサンタクロースに振られてしまい、涙をこぼした悲しい物語も。

もちろん、この世界には、もっと悲しい物語や、物語に出来ない、厳しい現実もありますが…。

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そんな世界の片隅で、僕たち夫婦は、今年も去年と変わらない、イブの夜を過ごしています。

コタツの中で、テレビのバラエティを見ながら、シャンパンを飲みつつチキンを食べた後は、

ルタオのクリスマスケーキとタカキベーカリーのシュトレンを、分け合いながらパクパクと。

理想を言えば、高級なレストランで、フルコースのフランス料理でも食べたいところですが、

僕たち二人には、そんな贅沢をするよりも、これぐらいが、ちょうどいいような気がします。

と言うよりも、コタツに入って仲良く食べるこのひと時が、最も贅沢な時間のような気もします。

おまけに、コタツの中には、二匹の愛猫たちもいて、これ以上の幸せが果たしてあるでしょうか。

煙突もなく、子供もいない我が家には、サンタクロースのプレゼントも、届くことはないけれど、

もしかしたら、このささやかなひと時が、最高の贈り物であり、珠玉の物語なのかも知れません。

今宵は、皆さんにとっても、素敵な物語をひもとくような、満ち足りたひと時でありますように☆

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イブの夜は妻と炬燵に入りつつ小(ち)さきケーキとシュトレンを食(は)む  星川孝

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