木村勝@中高年ライフデザイン・アドバイザー

1984年一橋大学社会学部卒業後、日産自動車に入社。2014年独立。最新刊に「会社を辞…

木村勝@中高年ライフデザイン・アドバイザー

1984年一橋大学社会学部卒業後、日産自動車に入社。2014年独立。最新刊に「会社を辞めたいと思った時に読む セカンドキャリアの見つけ方」「老後のお金に困りたくなければ 今いる会社で”半”個人事業主になりなさい」 HP:http://www.restart-ic.jp/

最近の記事

~「“半”個人事業主」から「個人事業主」へのシフトを目指す ~<おわりに(その2)> 

(その1から続きます) 拙著 「ミドルシニアのためのライフシフト戦略」(WAVE出版)の中で共著者の多摩大学大学院名誉教授の徳岡晃一郎先生は、「青銀共創」 社会の到来を予想されています。 「青銀共創」 社会とは、台湾のIT担当大臣であるオードリー・タン氏が、世代間の助け合いを重視する価値観を表現する言葉として使っているものです。 我々シニア世代も若手から 「働かないオジサン」 とお荷物扱いされている暇はありません。 環境変化のスピードもその変化幅も大きい時代であるがゆえ

    • ~「“半”個人事業主」から「個人事業主」へのシフトを目指す ~<おわりに(その1)> 

      2017年5月に出版した筆者の初めての著書 「働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書」(朝日新聞出版社)の中で提唱させていただいた 「シニアからの個人事業主化」 を自らの経験を踏まえ、そのプロセスをより具体的かつ現実的に解説したのが本コラムになります。 日本のシニア世代は、日本の高度成長期という時代の恩恵も受け、終身雇用制という長期でのじつくり時間をかけた人材育成法によりキャリアを積んできました。 実際に30年間のサラリーマン生活の中で一緒に仕事をしてきた先輩や同

      • <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その5)>

        (その4から続きます) <解説>Nさんの勤務されていた電通の個人事業主募集のニュースは、その当時(2021年)は大きな話題になりました。 その制度に定年直前でエントリーされたお一人がNさんですが名前の通った大企業に長年勤務されたサラリーマンゆえの踏み出しの難しさをお話されています。 定年間際になるとどうしても行動は保守的になりがちです。 「電通にこうした制度ができたから転身できたのだろう」 と思いがちですが、実際に電通の大看板を捨てて個人事業主へ踏み出した方は、約60

        • <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その4)>

          (その3から続きます) <これからチャレンジする人へのアドバイス等>今までの経験を「見える化」して何が商売の武器になるかを突き詰める。武器がなければ今から学んで獲得していく気持ちが必要。 始めは、リリーフマン型から始めて領域を自社だけでなく外部に広げていく。 いつまでも元の会社に依存する完全リリーフマン型はリスクがあることを理解しておく(相手先の窓口が変わるなど、環境変化でいつ契約終了になるかわからない) たまたま元会社で個人事業主応募のスキームができたことは追い風だ

        ~「“半”個人事業主」から「個人事業主」へのシフトを目指す ~<おわりに(その2)> 

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その3)>

          (その2から続きます) <“半”個人事業主になったきっかけ・ステップ> 直接のきっかけは定年退職直前に電通内に個人事業主制度(LSP)が導入されたこと。 既に社内でのフリーエージェント再雇用制度(再雇用制度の一種)を選択するつもりであったが、申し込み上限年齢ギリギリで個人事業主制度へエントリーし業務委託により仕事を行う個人事業主として独立することにした。 定年後再雇用制度に乗れば、金額は減るものの安定した収入と雇用と社会的地位が保証される(フリーエージェント型再雇用で

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その3)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その2)>

          (その1から続きます) Nさんの独立当初の委託業務の一つは電通社内の研修事務局業務。 営業局の若手研修の一つとしての越境学習(自社だけではなく他社社員も参加する若手の勉強会)の運営事務局を引継ぎ、事務局として研修企画、参加企業間の調整・連携業務などに従事されています。 人事局時代の人脈も利用し参加メンバー企業の開拓も担当するなどリリーフマン型の業務委託で個人事業主としての活動をスタートされました。 また、独立1年目は海外営業時代の経験・人脈を活かし、電通営業局からの依頼

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その2)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その1)>

          <キャリアの概要>Nさん(62歳)は、大学卒業後新卒として電通に入社、50代前半までは国内営業や海外赴任を含む海外営業部門の第一線で活躍され、50代前半にフィリピンから帰任後は人材開発・組織開発の領域でキャリアを積まれてきた方です。 定年直前の59歳(2020年)のときに電通が新しく立ち上げた新たな働き方に関する仕組み 「ライフシフトプラットフォーム(LIFE SHIFT PLATFORM)」(以下LSP)にエントリーします。 LSPとは、具体的には以下のようなスキームで

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <会社が個人事業主として働くスキームを構築。定年間際で新制度にエントリーし個人事業主への道を踏み出す(その1)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その3)>

          (その2から続きます) <解説>Eさんは、関係会社の役員まで勤められた方です。 役員経験者の中には、長年の指揮命令癖が抜け切れず実務はまったくできなくなっているという人も多いですが、Eさんの場合は60歳で役員退任後には進んで実務の現場に降りて実務の磨き上げを図られてきました。 こうしたスタンスが最後まで採用の領域で会社から頼りにされた理由です。 特に技術系の採用活動や高校生採用の場合は、大学研究室の先生や高校の就職担当の先生とのつながりも重要です。 また、役員として

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その3)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その2)>

          (その1から続きます) <これからチャレンジする人へのアドバイス等>当初の契約は1年間(週5日勤務)だったが、会社がM&Aとなり8ヶ月の期間となった。 その後は、親族の会社経営を手伝うとともに一般社団法人役員、キャリア研修講師など個人事業主として継続できているが、経営環境の変化(M&A等)で契約終了等がありうることは頭に入れておく必要がある。 役員経験者は65歳まで必ずしも雇用が保証されているわけではなかったが、業務委託に切り替えることによってそれまでの経験と大学教授な

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その2)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その1)>

          <キャリアの概要>Eさん(70歳)は、新卒で電気メーカーに就職、人事、採用、教育、労務、安全、法務、渉外、経理、庶務など主に管理部門の業務を担当されてきました。 54歳から関連会社に転籍。55歳から取締役として管理部門全般を担当され、定年後の60歳から嘱託社員として業務改善、法務業務を担当。 63歳から採用、教育業務を担当し、64歳から雇用ではなく業務委託で採用業務を担当されました。現在は親族の会社の支援をしつつ個人事業主として活躍されています。 <“半”個人事業主にな

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <採用業務という限られた領域で業務委託契約を締結し個人事業主として独立(その1)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その3)>

          (その2から続きます) Dさんが業務委託で仕事をされたOB会事務局という業務ですが、こうした仕事はおいそれと他の人には頼むことはできません。 相手は会社の大先輩です。うるさ型のOBもいます。事務局の対応を間違うとそれこそ現役の役員まで文句が行きかねません。 OB会事務局のような仕事こそ業務委託で担うべき仕事です。 フルタイム5日間までは業務ボリュームはないですが、OBをよく知った今までの担当者をいきなり外すわけにはいきません。OBからクレームも来ることも容易に予想される

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その3)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その2)>

          (その1から続きます) <これからチャレンジする人へのアドバイス等>キャリアプランを立てることは大事なことだが、ライフプラン(将来やりたいことありたい姿を考えておく)設計を立てることも大事。それを前提とした、資格の取得や情報収集などが必要。 考えることも必要だが、まず動くことが大事。 社員のライフプラン作成の支援の為にと60歳の時に1級ファイナンシャル・プランニング技能士や宅地建物取引士の資格を取得したことで、現在個人事業主として活動できる基礎になっている。 現役時代

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その2)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その1)>

          <キャリアの概要>ガス・空調・電気設備工事等を手掛ける企業(従業員数1500人)で長年勤務してきたDさん(75歳)は、現業部門から50歳の時に人事部門に配属され、組合との労使交渉の窓口業務、企業年金制度(退職金制度の改定・退職給付会計)業務、シニア社員に対するライフプランセミナーの企画・講師を担当されてきました。 57歳の時に早期退職制度により退職。そのまま契約社員として64歳まで雇用(業務内容は現役時代と同じ)され、さらに65歳から67歳まで業務委託契約を結びOB会の事務

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <OB会事務局という特定業務で会社と業務委託契約を締結し再雇用期限を越えて勤務を継続。会社との契約終了後もその間に準備したFP業務で個人事業主として活躍(その1)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その4)>

          (その3から続きます) <解説>60歳定年や65歳再雇用終了というシニア世代から “半”個人事業の道へ踏み出す人が多い中で、ミドル世代(40代)で個人事業主にキャリアチェンジされたのがCさんです。 Cさんの場合は、「退職即独立」 というルートは取らずに将来に向けた武器(キャリアコンサルタント資格)を獲得すべく退職直後に自己啓発の時間を取られていることが特徴的です。 個人事業主という方向性は決まっていましたが、「元会社(の関係会社)と仕事をすることは、独立当初は想定してい

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その4)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その3)>

          (その2から続きます) <これからチャレンジする人へのアドバイス等>「独立ありき」ではなく、自分のキャリアの方向性を実現するためにどのような働き方が望ましいかを考えたほうがいい。 自分の場合は、転職して雇用で働くのであれば、従来同様組織のルールの中で働くという状況は変わらないので転職という選択肢は考えなかった。 個人事業主になって良かったことは働く時間を自分で決められるようになったこと。 子供と一緒に過ごせる時間も増え、成長の過程を身近で感じることができた。子供の時期

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その3)>

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その2)>

          (その1から続きます) <“半”個人事業主になったきっかけ・ステップ>退職した企業と関係のある会社と業務委託契約を結んで働くことは退職時にはまったく想定していなかった。 退職の際にお世話になった方々へは直接お会いして挨拶などさせていただいたことで自分が独立したことが認知され、結果的として退職した会社の子会社と業務委託契約を結んで仕事をすることになった。 当初から“半”個人事業主を狙って活動していたわけではない。 “半”個人事業主として当初はキャリア面談業務で契約を結ん

          <事例紹介>~サラリーマンから個人事業主へ転身した人たち         <40代で個人事業主として独立。以前の勤務先でご縁のあった人から声がかかり個人事業主としてマルチに活躍(その2)>