インナーチャイルドを癒したら自己肯定感が上がった本当の話
前回は、イライラなどネガティブな感情の根本的な原因である
インナーチャイルドについてお話ししました。
(前回の記事はこちら)
より扱いやすくするためにインナーチャイルドを、
子どもの頃に作られた
「満たされなかった欲求」と「心の傷にまつわる想い」と定義して、
それらがどのように感情を生み出しているのか、ということについて
具体的な事例を挙げて考えてみました。
こんなにイライラしてしまうのは、
本来、わがままな子どもが悪い!のではなく、
”ただ自分の心の中にあるものが反応しているだけ”と言うことでしたね。
「そういうものなんだ~」と頭でわかったとしても、
自分ごととして、実感を持つことはなかなか難しいかもしれません。
一つ確かなのは、
もしイライラして子どもをきつく叱ってしまったとしても
「私はダメな母親だ」と罪悪感を抱く必要は全くないということ。
それよりも、自分の中にあるものを見ていく準備をするために、
どんな感情も”OK”と全て認めていく習慣をつけることが最優先だと思います。
(感情の取り扱い方についてはこちらにまとめました)
でももしあなたが、本当に”変わっていきたい”と思うなら
インナーチャイルドを扱うタイミングがやってくるでしょう。
インナーチャイルドとは、意識の色眼鏡を作り出し、
ネガティブな感情やなかなか変わらない思考習慣を作り上げている
根本原因だからです。
今回は、私自身のインナーチャイルを見つめた経験を元に、
どのようにインナーチャイルドを癒していったら良いのか?について
ご紹介してみようと思います。
※Podcastでもお話ししています。
音声で聴きたい方はこちらからどうぞ♫
<ステップ1:感情を感じる>
私の場合は(子育てとは全然関係ないのですが・笑)
若かりし頃の失恋のことを考えると、虚しいような、寂しいような、
なんとも言い難い苦しい感情が出てくることがあり、
ある時、これを取り扱うことにしました。
もう随分前に終わったこととして、蓋をしていた感情の扉を、
敢えて大きくこじ開けて、感情を感じてみたのです。
すると、さまざまな記憶と共に、
心が痛くなるほど多くの感情が再び現れてきました。
感じれば感じるほど、涙が溢れてきて、あまりにもすごいので、
そのままお風呂に入ったぐらいです(笑)
しばらく感じ続けて、感情の波が少し穏やかになってきたところで、
この感情の底にある”想い”はなんだろうと意識を向けてみました。
人それぞれタイプがあると思いますが私の場合は、
心にあるものを”言葉に表してみよう”と力をかけることで、
想いが浮き彫りになりやすいです。
その時出てきた言葉が、
”もっと自分を見て欲しい””認めて欲しい”と言うものでした。
<ステップ2:記憶を辿る>
私の場合は、子どもの頃の1シーンが写真のような形で
ふと浮かび上がっていきました。
そのシーンに意識を向けると、
まだ2歳になるかならない頃のことだと分かりました。
下の妹が生まれて、母親が自宅に戻ってきて、
赤ちゃんに授乳しているシーンでした。
私は大好きな母がずっと家にいなくて寂しい数日を送っていましたが、
やっと母の姿を見て安心したのも束の間、
その胸には全く知らない誰かが大切そうに抱っこされていたのです。
「この子は誰なんだろう」
「私のお母さんを取らないで」
いつも私に注がれていた母の優しい視線は、
知らない赤ちゃんに注がれていました。
「私はここにいるのに」
「どうしてみてくれないの?」
その時私は、
”お母さんに私の方を見てほしい”と思いましたし、
”お母さんに抱っこしてほしい”と思いました。
けれども、周りにいた祖母に
「赤ちゃんのご飯の時間だよ」とか「お姉ちゃんになったんだよ」と
諭されて、母親から離されてしまうのです。
私は祖母に抱っこしてもらい
「本当はおばあちゃんじゃなくてお母さんに抱っこしてもらいたい」
と言う本音を複雑な感情と共に心に押し込めたのでした。
そんなシーンを思い出すと、自分の中に訳のわからない悲しさや絶望感、
心にぽっかり穴が空いてしまったような虚しさが入り混じったような感情が再び溢れてきました。
これらの感情も感じつつ、幼い頃の自分が感じた
”お母さんに私の方を見てほしい””抱っこしてほしい”と言う欲求を
しばらく感じ続けていると、
その気持ちが少し緩んでいくのがわかりました。
<ステップ3:その時の状況を捉え直してみる>
当時の状況を振り返りつつ、もし母が
「待っててくれてありがとう」「寂しい思いをさせてごめんね」と
私を優先して、少しの時間でも、ぎゅっと抱きしめてくれたなら、
その時は、満たされたかもしれないのにと思いました。
けれども当時は母まだ27歳。
今の私よりも(当たり前だけど)随分若くて、
子育ての経験も知識もない状態で
そこまで意識が向かなかったのは
無理もないことだったのかもしれません。
母は生まれたばかりの新生児のことでいっぱいで
私のことは、周りの祖父母や父に任せておけば大丈夫だと
思っていたことでしょう。
(多分、私も母の立場だったらそうすると思います)
そう捉え直した時、自分の中に燻っていたトゲトゲのような感覚が
すっと抜けたように感じました。
それと同時に、過去の失恋の出来事を思い出しても
「ただ過去の記憶」としてあるだけで、
苦しい感情は徐々に生まれなくなっていきました。
<いいお姉ちゃんでなくてもいい>
妹が生まれたことは、本当は喜ばしいことのはずです。
歳が近かったこともあり、喧嘩したこともあったけど、
いつも一緒に遊んでいて仲の良い姉妹でした。
でも、私の心の深い部分では、
「お姉ちゃんになっていい子でいなくてはいけない」と感じる
大きなきっかけとなった出来事だったのです。
その後も、我慢することで褒められたりもしていたので、
「我慢すること、いい子でいることで、私は認められる」
と言う心のパターンを作り上げていったようにも思います。
そんな私が子育てを始めたら、
自己主張が強くて、親の言うことなんて
これっポチも聞きたくない息子を見ると、
いつも腹立たしさを感じてしまうわけですね。
「いいお姉ちゃんじゃなくていい。」
「我慢しなくていい」
「そのままの自分を認めていい」
今は、そんな感覚が自分の中にどんどん増して
心が緩んでいるのが分かります。
すると、不思議なことに息子のことも
自然と受け止めるマインドができていきました。
<心は複雑ではあるけれど>
ここまで、インナーチャイルドを癒すプロセスを
私の実体験を元にご紹介してきました。
ただ、インナーチャイルドと一言で言っても、
同じような想いが絡み合っていて、
実際は、記憶をたどっていく方法だけでクリアにしていこうとするのは
かなり難しいと言われています。
幼少期の記憶は思い出せるものもあるかもしれませんが、
断片的ですし、時には美化されていることもあるからです。
現実に大きな問題を生み出しているインナーチャイルドほど、
思い出しにくいものですし、複雑さも増しているものです。
そのため、心理学的な手法や瞑想、ヒーリングなど、
世の中にはインナーチャイルドを癒すための
さまざまな専門的な方法があるんですね。
私も当時、ヒーリングを受けたり、毎日瞑想をしていましたので、
記憶を辿りやすいベースが整っていたのだと思います。
つまり、心を変えていこうと思ったら
それなりに”本気になる”ことが必要なのかもしれません。
もちろん、”どう生きたいか”は個人の選択ではあるけれど、
大人がどう生きているかは、子どもたちにも間違いなく影響しています。
私は、”自分らしい人生を選択していこう”とする親の姿を、
子どもに見せていきたいから、
あれこれ試行錯誤しながらも、変化し続けていたいと思っています。
<本気で心と向き合いたい方におすすめの書籍>
かなり詳しく感情のことや心の構造について説明してあります。
今回の内容もこちらの書籍を参考にしています。
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