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民主主義

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私的衝動から公共性を生み出す、プロジェクト駆動の民主主義

私的衝動から公共性を生み出す、プロジェクト駆動の民主主義

これまで、従来の民主主義への疑問を呈し、デジタルテクノロジーを通じた政治への参画や、くじ引き民主主義などの新しい制度、遊びから市民性を醸成するなどを考えてきました。

今回は同様の問題意識で、民主主義を別角度から捉え、どのように私的なプロジェクトが民主主義と関わり合っているかを論考したいと思います。いうまでもなく、民主主義自体が"未完のプロジェクト"であり、常にあり方を問い直し、可能性を模索し続け

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2030年の行政のあり方を想像する、デザイン×未来洞察のプロセス

2030年の行政のあり方を想像する、デザイン×未来洞察のプロセス

行政のあり方は、未来においてどう変わりうるのか?
ー10年後の行政は、いったいどうなっているのでしょう。

フェイクニュース、政府の信頼度の低下、データプライバシーと監視など、いろいろな問題が議論される現代。一方では、AIの発展やソーシャルメディアによるコミュニケーションの変化、デジタルプラットフォームを通した市民の参画など新しいテクノロジーが統治のあり方に影響をあたえていたり、市民の私的な関心と

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コモンズの再生を通じ、ケアする市民性を回復する

コモンズの再生を通じ、ケアする市民性を回復する

公共は誰が担うのか?この問いは、本メディアを立ち上げた背景にあるひとつの問題意識でした。その際、指摘したように、公共には「お上・政府が担う」というイメージがまとわりついています。日本は、古くから貴族・武士・農民などの役割や上下階級の名残があるのかもしれません。または他国のように市民社会を革命により勝ち取ってきたのでなく、戦後に上から「降ってきた」ので、ぼくたちも国を統治していくための意識も育まれて

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民主主義をエコロジカルに拡張する、制度の思索

民主主義をエコロジカルに拡張する、制度の思索

もし民主主義の熟議や投票において、家畜とされている牛や絶滅しかかっているミツバチ、海中のサンゴが声をあげられたら、政治的な意思決定はどう変わるでしょうか?

以前の記事で述べたような、世界を修復するあらゆる営みとしての「ケア」は、いまの世の中にますます必要だと感じます。そして、ぼくたちはケアの営みを人間だけでなく、生きとしいけるものに広げていく必要があることも確かです。森の木々がなければ酸素もなく

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