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新しい発見!身近な食事で妊婦さんが生まれてくる子供の脳を守ることができる?

妊娠初期にリンゴやハーブを食べる母親は、子供や孫の脳の健康を守っている可能性があると、遺伝モデルを使用したモナッシュ大学の研究で発見されました。


妊娠初期は特に神経の発達が始まる時期ですので、神経系の成長をサポートするために林檎やハーブを食べるべきといわれるのには様々な理由がありました。

実は、母親の食事の選択が何世代にわたって神経系に影響を与えるかどうか、そしてどのように影響するか今までよく理解されていませんでした。そんな中ついに、その曖昧さを断ち切るような研究の発表がされました。

林檎やハーブ(バジル、ローズマリー、タイム、オレガノ、セージ)に存在する分子が、脳が適切に機能するために必要な通信ケーブルの故障を減らすのに役立つことを発見しました。わかりやすく説明しますと、まず脳の通信ケーブルというのは神経細胞が通信ケーブルのように複雑に脳の中で情報伝達していることを例えています。そしてその通信ケーブルが故障してしまうと情報がうまく伝わりにくい、または伝達されないため断線してしまう可能性が高まります。それから、その可能性も年を取るにつれてその可能性が上がります。

よって、この研究ではその通信ケーブルが壊れてしまう原因となる遺伝子モデルを使用し、私たちがすでに食事の中でとっているもの、または含まれている成分でこの病気を治せるのかを調査した結果、リンゴやハーブ(ウルソール酸)に見られる、通信の脆弱性を低下させる成分が特定されました。

ウルソール酸とは、こちらではサプリメントとして売られていますが、効果としてはエネルギー消費を増加させ、肥満の減少、グルコース耐性の改善、肝脂肪症の減少につながることがわかっています *1。さらにはこの研究で、ウルソール酸が通信ケーブルの脂肪を作る遺伝子をオンにする(通信ケーブルが脂肪でできているため、そのケーブルを脂肪を増やすことで強化できる)ということを発見しました。

この成分から脳全体が健康に保たれるため、老化によってケーブルが壊れるのを防いでくれることがわかりました。また、母親の食事が子供の脳だけでなく、次の世代に影響を与える可能性があることも発見され、健康な脳が受け継がれることができることもわかったのです。

ちなみに、ウルソール酸が含まれる成分は林檎やハーブだけでなく、クランベリー、ペパーミント、ラベンダー、オレガノ、タイム、プルーンなど *1、さまざまな果物にも含まれていたりするので、気になった方は妊婦さんでなくとも脳に良い影響を与えることは確実なので少し意識して食べてみるのもいいかもしれませんね。

ということで、今回は短くなってしまいましたが、できるだけわかりやすく伝えることを意識してみました。実はこの記事を書いている最中、心理学から神経、脳について話すと専門性が高くなってしまうことに気をつけないといけないと思い出したので、できるだけシンプルな表現を使ってみました。これからも精進していきたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


参考文献:

元論文:
Wang, W., Sherry, T., Cheng, X. et al. An intestinal sphingolipid confers intergenerational neuroprotection. Nat Cell Biol (2023). https://doi.org/10.1038/s41556-023-01195-9

引用サイト:
*1 

https://www.sciencedirect.com/topics/pharmacology-toxicology-and-pharmaceutical-science/ursolic-acid#:~:text=Ursolic%20acid%20(Figure%2017.1)%20is,thyme%2C%20hawthorn%2C%20and%20prunes.


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