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自分で決めて、前に進む③

前回の投稿では、

「自ら問いを立て、課題形成し、実現に動くこと」こそが社会人としての真のひとりだちであり、そうした仕事のしかたに目覚めたところからキャリアの本番が始まるのではないか

という視点を投げかけました。

そして、そのような仕事に踏み込めるかどうかは、いまの環境、立場でそのような振る舞いが許されている(と思える)のかが大きなカギになるのではないか、とも。

ただ、この話の難しい点は、若手であってもそうした振る舞いができる人もいれば、中堅あるいは管理職クラスになってもそのモードに移行できない人がいる、ということです。つまり、年次やポストが必ずしも影響しないのだと。

これは一体何を意味しているのでしょうか?

ここで援用してみたい視点が2つあります。

(1)ひとつは多様な持ち味の発揮という視点。
最近注目を集めているニューロダイバーシティやその人らしさを育む環境に関する考え方です。

(2)もうひとつは熟達と発達という視点。
こちらは俗にいう「熟達10年説」と、成人発達理論、そしてエフェクチュエーションという考え方です。


それぞれの視点についてのベースとなる情報は、本ポストの末尾に掲載したリンク先を参照いただくとして。

ここからはまず、ざっくりと全体の要旨を述べます。

そもそも「自分で決めて、前に進む」という仕事は、「自ら問いを立て、課題形成し、実現に動くこと」としていました。

「自ら問いを立てる」のは、現状や成り行きの姿に対して、何らかの問題意識を抱くということ。このままではいけない、本来はこうありたいのに、という想いを持ち、考え始められるかが鍵になる。

「課題形成する」のは、自分の問題意識を起点に、解くべき問題と解決へのアプローチを明確にするということ。私はこのテーマをどう認識し、どう扱いたいのかという意志を持ち、その方針を言語化できるかが鍵になる。

「実現に動く」のは、設定した課題を念頭に、具体的な行動を起こして成果が出るまであの手この手でやり抜くということ。誰とどんな一歩を踏み出すのか、動きながら何を学び次の動きを生み出すのかというサイクルを回していけるかが鍵になる。

そしてこれらの取り組みは、立場によらず、以下のような職場環境と個人能力がないと踏み込みにくいものだと考えています。

(1)職場側に、個々のメンバーのなかにあるちょっとした気づき、着眼点の違い、独自の感性などを、組織の成長や価値創造の原石、源泉として大切に受けとめ合い、そこから生まれる活動を組織的に支援する環境があるのか

(2)メンバーとしても、既存の知見を活用して規定演技を踊る基礎体力をつけたうえで、複雑性に向き合う姿勢を持ち、世の中に働きかけて多様な視点や新たなリソースを獲得しながら、既成概念の枠を超えた自由演技に踏み出せるだけの能力を研いているのか

今後のポストでは、これら2つの視点から、いかにして「自ら問いを立て、課題形成し、実現に動くこと」が可能になるのか、職場環境や個人能力のアップデートのために何ができるのかを順を追って考えていきたいと思います。

(つづく)

※上記2つの視点についての参考情報

(1)ニューロダイバーシティ、インクルージョンについて


(2)熟達化、成人発達理論、エフェクチュエーションについて


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