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僕と花


最近よく思い出すんだ
なぜだか分からないけれど

いつしかの遠い記憶

私はベッドに横たわっていて
延々と、流れゆく光の映像を眺めている

記憶に靄がかかっていて
上手く思い出せないけれど
とても高揚していたことだけは覚えている

現実か、幻か、
その境目がよく分からなくなってくる

意識と、無意識の渚で
行ったり来たりしている

どこか遠くへ連れ去られてしまいそうな感覚





空のどこかには隙間があって
私はそこからやってきた

何のためにここへやってきたのか
どこへ向かって歩いていくのか

全く分からない
きっと、忘れてしまったのだ

ただ一つだけ確かなことは
『種を植えるために私は存在している』
ということだ

今までの全てにさよならを告げ
私はきっと、綺麗な花を咲かせる

いつか散ってしまうとしても

私がその種を植えるんだ
これは、悪魔にしかできない



ずっと不思議だったんだ
私とは、一体なんなのか

その正体は、天使であり、悪魔であり、
どうしようもない、子供なのだ

形を手に入れた自我
それが私だ 不器用に今日も生きている



私はいずれ帰らなくてはならない
元いた場所へと

最後にきっと、私は雨になるだろう
これは予言だ 生まれてきたときの

私は琥珀を胸に宿し
白い虎となってこの街の喧騒を駆けていく
あの日の少年のまま

私は花を咲かせる
いつかその意味が分かるのなら
きっと、それでいい










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