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やっちまった!


「やべぇ、やっちまった!」と朝起きて思った。

 ベッドから体を起こすのさえ気後れするほど、体中が鉛のように重たい。頭もゴワゴワする。

 今日一日で終わらせたいことがあったのに、体も頭も動かなくなってしまった。前日の夜、僕は夜中まで起きて、ひたすら絵を描いていた。

 僕はこの時期——といっても二週間くらいだけれど——ひたすらに絵を描き続けていた。

「本を書く」という自分のやりたいことを見つける前段階で、絵を描くことにチャレンジしていたのだ。

 この本の表紙にもある、イラストに載っているキャラクターを使って、たくさんの絵を描き、LINEスタンプを作っていた。

 きっかけは、当時働いていたアルバイト先の先輩が「LINEスタンプ一つしか持ってないんだよね」と言っていたことがきっかけだった。

 家族に「そればっかり使って、他に何かないの?」と苦情を言われたらしかった。

 僕はアルバイト先で自分のネームプレートに、このキャラクターを使って絵を描いていたので、「そのキャラクター好きだから、それでLINEスタンプ作ってよ!」ということになったのだ。

 どうやら僕が書いたこのキャラクターを気に入ってくれていたらしい。

 僕も「楽しそうだからやってみようかな」と乗り気になって、たくさんのアイデアを出して、結局二十四個のイラストを仕上げて、手描きのイラストでプロレベルからは程遠かったけれど、LINEスタンプを作った。


 その製作期間に、僕は夜更かしをしてしまった。

 絵を描くことが、楽しくて楽しくて仕方がなかった。
 ただ、ある日、なかなか日中調子が出ずに、夜になってからエンジンがかかったことがあった。

 そのときに、夜の八時ぐらいから朝の三時前ぐらいまで絵を描き続けてしまったのだ。

 よくある夜更かしの典型例かもしれないけれど、
 僕はそのままシャワーを浴びて寝るのではなく、夜中の三時に四十度を超える熱いお風呂に入ってしまった。

 そして、翌日の朝目覚めると、
「やっちまった!」と思うほど体に不調をきたしていた。


 よくよく調べてみると、
 これは自律神経の乱れから来るものだったらしい。

 あなたは自律神経って、知っていますか? 

『自律神経』は、簡単に言うと、体のオンオフを調整しているものだ。

 そして、緊張モードと緩和モードをそれぞれ司っているのが、「交感神経」と「副交感神経」だ。

 人は自律神経によって、
 時と場合によってこれらを切り替えて生活している。

 何かの試合があるときや集中して何かに取り組んでいるときは戦闘モードだから交感神経が優位で、寝ているときやお風呂に入っているとき、いい匂いがしているときなどは休憩モードだから副交感神経優位になるという仕組みになっている。

 しかし、この自律神経が乱れると、
 体内のリズムが崩れて体調が悪くなってしまう。

 僕がこの日体調がすこぶる悪くなったのは、
 この自律神経の乱れから来るものらしかった。

 夜中と言えば、通常人は寝静まっている時間だ。

 つまり、副交感神経が優位になっていないといけないはずの時間なのだ。しかし、僕は熱い風呂に入って自律神経を思いっきり乱しにいってしまった。

 熱いお湯に夜中に浸かってしまったせいで、交感神経が優位になったのだ。そのせいで翌日から体が凄く重くて、なかなか倦怠感が抜けなかった。

 その後ニ三日の間思うように体が動かなかったから、とても歯がゆい思いをした。



 僕は面白いものを見つけたらとにかく没頭する熱中型の人間だ。

 エンジンがかかってきて、「このチャンスを逃したくない」と思って、長時間作業するのは良いことだとは思うけれど、夜中に風呂に入って自律神経乱してどうする。

 僕は以前から勉強を高校三年間で沢山してきたから、集中力が持つように睡眠の質や休憩の仕方についてはよく調べていた。

 そこで、寝る前一時間から一時間半前の入浴が深い睡眠を助けてくれるという知識を得ていた。

 しかし、あろうことか僕は深夜の三時前に熱いお湯の風呂に入ってしまったのだ。


 没頭型人間の罠に、思いっきり引っ掛かってしまった。

 僕はすぐ熱中して生活習慣を乱したり、集中しすぎてフラフラするから直ぐ甘いものを食べたりしてしまう。

 没頭も結構、空手も勉強も趣味も大いに結構。
 でもそれ以上に、健康について学ぼうと今回思った。

 健康という土台がいかに大切か、このときに思い知らされた。そして、健康について睡眠や休憩方法などを調べて知った気になっていたのだ。

 覚えるべきこと、注意を払うべきことが日常生活だけでもこんなに多いなんて、笑えてしまうけれど、一度覚えれば一生ものだから、少しずつ健康に関する知識を痛い目を見ながら覚えていこうと思った。

 自分がやりたいことをやるには健全な健康基盤が整っていないといけないのだと、身をもって学んだのであった。





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