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「特攻隊」になってくれる人がいる組織と、「督戦隊」が必要な組織

ちょっと面白い記事を見つけました。
乃木希典に対する見方は議論の余地があるかもしれませんが、ポイントはそこではなく、あくまで「会社や上司から無謀な命令が下ったらどうするか?」というところです。

個人的に一番共感したのが、玉砕覚悟で突っ込めと言われたときの行動が「お腹が痛い」と言って逃げろというところです。きっと私も100%そうします!

今のご時世で「命あっての物種」というわけではないのですが、やはり何も考えずに命令に従って突撃したら自分が潰れます。生き残ることを優先するなら「ヤバそうなら逃げろ」は最善の手段だと思います。

とはいえ、日本の会社を見ていると「逃げない人」のほうが多いと思います。無茶なスケジュールの案件でも過労死覚悟で毎日徹夜をしてでも納期に間に合わせようとする人はたくさんいらっしゃいます。

ある意味「お国のため」「会社のため」といって自分が属する組織に身をささげられる人がマジョリティであるからこそ「特攻」という戦法が成り立つのですが、もし「お腹が痛い」を言って逃げる人が多数派だと「特攻」は成り立ちません。おそらく出撃しても故障したフリをしてどこかに逃げていきます。

ただみんながみんな「逃げる人」になってしまうと今度は戦が成り立たないので、そのような組織では「逃がさないための人」が必要になります。

これが「督戦隊」という部隊です。
(某ドラゴン○ールに出てくるギ○ュー特戦隊ではありません)

第二次世界大戦のときに中国とソ連に存在したのですが、要は味方の部隊の後ろに陣取り、逃亡する兵士を片っ端から射殺する恐ろしい部隊です。

ちょっと古い映画ですが、「スターリングラード」という映画の冒頭のシーンで督戦隊が描かれていました。

二人で銃一丁持って突撃し、一人が倒れたら残った一人が銃を持って突撃を続けるのですが、後ろに自軍の督戦隊が控えているので前に進んでも撃たれる、後ろに逃げても撃たれるという状況です。

「特攻隊」と「督戦隊」のどっちが理不尽かと言われたら私は「督戦隊」のほうが圧倒的に理不尽だと思いますが、逃げる人があまりにも多いと仕方ないのかもしれません。

さて、日本では会社のために「特攻隊」になってくれる方(自分の意志か、周囲の合わせての行動かはわかりませんが)は数多くいらっしゃるのでわざわざ「督戦隊」を設ける必要はありません。
(だからこそ「お腹が痛い」といって逃げる裏技が成り立つ)

一方で中国では従業員がサボらないよう見張る役割の人が存在する会社もあります。いわば現代の「督戦隊」です。

中国企業も先進的なところは社員の自発的な行動を引き出す方向にシフトしていますが、旧態依然のところは未だに「性悪説」に基づいて社員をガチガチに管理するようなことをやっています。

結局のところ、「特攻隊」になってくれる人がいる組織も「督戦隊」が必要な組織も短期的には力を発揮する可能性はあるが、長期的に見ると戦いを持続できないため組織としては健全ではありません。

会社も上司も万能ではないので時には無茶な判断をすることもありますが、やはり健全な組織は上司が無茶な命令を下した時に部下が「それは無茶です、できません」と反論でき、そしてそれに対して上司が「それなら別の策を考えよう」と軌道修正できるような組織ではないかと思います。

そんなわけで、やはり私は「特攻隊」も「督戦隊」もどっちいない組織で働きたいと思います。(幸い今の会社にはどっちもいません)

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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