見出し画像

ファーストフォロワーの存在意義

――ファーストフォロワーがいることで、セカンドフォロワーが増える。どんどんフォロワーが増えてきて、フォローした方が面白いよねと周りが思ってしまうほど大きな流れが生まれるんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「ファーストフォロワーの存在意義」というテーマで話していこうと思います。


🏨選択してよかった仕事

昨日の夜、久しぶりに仕事でちょっとこたえることが起きて、それなりに気分が沈んでいたんです。僕は木の家ゲストハウスという宿泊施設で働いているんですが、簡単にいえば、お客さんの対応が上手くいかなくて、クレームに転じてしまうという事態があったんです。

こっちに全く非がないわけではないけれど、向こうの言い分を理解することも難しいような状況だったんです。最終的にはオーナーの宮田さんが電話対応して、事なきを得ました。

その後、引き続き仕事をしてはいましたが、生産的な時間ではありませんでした。自問自答を繰り返していたんだと思います。そんな風に少なからず落ちぶれていた僕に、宮田さんは優しさを見せてくれたんです。

「はい、これ、ボーナス」

そんな一声を皮切りに、僕と宮田さんの対話の時間が始まりました。もちろんボーナスという形で僕のことを認めてくれたり、励ましてくれたりして嬉しかった気持ちはあるんですが、それよりも、一度立ち止まって、僕が元の主体性を取り戻すために時間をかけて語り合う時間をつくってくれたことが何より嬉しかったんです。

僕がいるからこそ宮田さんが他都市への展開を目指せていること、ゲストハウス事業は基盤づくりでしかなくて数年後必ず突拍子もない野望を叶えたい夢を持っていること、僕の創作に向き合う姿勢のこと、宮田さんの人生観……気が付けば深夜の2時になっていました(笑)

僕はゲストハウスという仕事を選んだひとつの理由に、宮田さんの人柄を挙げているですが、自然な振る舞いで優しさをくれた今回の経験を機に、やっぱり良い人だなと思い直したんです。

上昇志向で、正直で、夢見がちで、でも堅実で優しさのある宮田さんに惹かれたこともあり、大学生だった僕はこの人と一緒に仕事をしてみたいと思ったんです。


🏨僕の選択の重さ

教育学部の大学生だった僕にとって、教員でもなく、会社員でもなく、ゲストハウスのマネージャーという道を選ぶことは簡単にできるものではありませんでした。

ただ、大学4年生の1年間でいろんな人に出逢って、生き方を知って、誰もが想像できるような選択をするのは違うなと思ったんです。僕らしくないとも思った。

その証拠に、進路に悩んでいる頃に友達から「教員になろうかな」というと、「らしくない」と言われたんですね。で、そろそろ意思が固まってきて、「ゲストハウスのマネージャーをやろうと思う」というと、「らしいね」と言われたんです。お世話になった高校時代の先生方からも、似たようなことを言われたんです。

そんな小さな言葉ひとつひとつに背中を押されて、僕はゲストハウスのマネージャーという選択をしたんです。

蓋を開けてみれば、あのときの僕の選択は間違いではなかったと思えるほどに、この道を正解にできているなと振り返っています。

さらに、最近思うのは、僕の選択は重く、尊く、客観的にみても意味のあることだなと認めることができています。

なぜなら、僕がゲストハウスのマネージャーになるという選択は、ファーストフォロワーになるためのものだといえるのですから。


🏨ファーストフォロワーの存在意義

僕には大学時代からお世話になっている隼さんという恩師がいます。住み開きシェアハウス「はちとご」の管理人、シェアベース「migiwa」の案内人をしているサッカーコーチです。僕が自分の生き方を見つめ直したのも、ゲストハウスの道を選ぶことになったのも、隼さんのおかげといっても過言ではありません。

そんな隼さんとは大学卒業後も関わっていて、毎月終わりごろに活動を見つめ直す時間を設けているんです。毎回、生産的な対話の時間になるので自分の思考や感情を整理する良い機会になっているんですが、6月の振り返りのときに言われたことが、僕のなかではトップクラスで印象に残っているんです。

「れいくんはファーストフォロワーなんだよ」

隼さん

ファーストフォロワーとは、リーダーを追いかけるひとり目の存在のこと。どれだけ奇抜な行動を
して何かムーブメントを起こそうとしても、それを認めてくれる人がいなければ凪のまま。一緒に面白がってくれる人がいなければ、ひとりでできることの範囲を超えることがないんですよね。

宮田さんはずっとひとりでゲストハウスの運営をしていました。ひとりで何棟も展開して、どんなに忙しくても乗り越えてきたのが去年の宮田さんでした。もちろん手伝ってくれる人や清掃バイトの大学生はいたけれど、がっつり運営に携わっている人はいなかったんです。

宮田さんとはゲストハウスオープンしてまもなくの頃から知り合っていて、よく語り合う仲でもあり、ゲストハウス事業や宮田さんの生き方の面白さを聴いていました。

木の家ゲストハウスはこれから絶対に面白くなるし、宮田さんは絶対にビッグな人になる。そんな予感を確かに受け取ることができたこともあり、僕はゲストハウスのマネージャーを引き受けることにしたんです。ファーストフォロワーになったんです。

あの頃はファーストフォロワーになろうなんて思っていなかったけれど、結果的にみればそういう存在になっていた。そして、それは重みのある選択だったんです。

もちろん僕の功績は見えにくいしどれだけの影響があるのか自分でも分からないけれど、最近日増しに面白くなってきたのは確かです。前橋や宇都宮での物件が決まったり、各地でゲストハウスを一緒にやりたいという声が集まったりしています。いうなれば、フォロワーが増えてきたんです。

ファーストフォロワーがいることで、セカンドフォロワーが増える。どんどんフォロワーが増えてきて、フォローした方が面白いよねと周りが思ってしまうほど大きな流れが生まれるんです。

隼さんにも紹介されたんですけど、「ムーブメントを起こすために本当に必要なのはセカンドフォロワー」という主旨のTEDの動画があるので、是非観てみてください。

自分の選択の重みを感じながら、これからもさらなるムーブメントを起こせるように尽力します。最後まで読んでくださりありがとうございました。

20240720  横山黎


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?