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成人の日に読み返したくなる本

――りらちゃんが成人式を迎えるということで、昨日の記事に「ステキな時間をお過ごしください」とコメントしたら、次のような返信が返ってきました。

横山さんコメントありがとうございます!

成人の日、楽しく過ごしたいと思います☺️
(実は今『Message』読み返してます(笑)成人式の話だったので)


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「成人の日に読み返したくなる本」というテーマで話していこうと思います。


📚成人式を迎えるりらちゃん

昨日のことです。noteで知り合った穂崎りらちゃんが「日々は流れていくもの」という記事を投稿していました。元日の能登地震のときにおばあちゃんの家がある富山にいて怖い体験をしたこと、そして翌日には成人式を迎えることを話していました。つまり、今日、ですね。

りらちゃんとはnoteでフォローし合って、コメントもし合う仲だったんですが、去年のこの時期に開催された文学フリマ京都に出店していた僕のもとに、りらちゃんが来てくれたんです。もちろん顔を見るのは初めてだったから最初は誰だか分からなかったんだけど、「穂崎りらです」といわれて「ああっ!」ってなりました。そのときに、僕の初書籍『Message』とそれにまつわるエピソードを収録したエッセイ『伝えたいことが20年分ある』を買ってくれたんだっけな。


その後、Instagramのアカウントも相互フォローになりまして、確か初夏の頃だったかな、りらちゃんから突然「今度東京に行くんで会いませんか!?」と誘われました。これは会わない理由はないので「是非会いましょう」という話になって、8月に東京で再会することになったんです。ずっと気になっていた、池袋にある「袋書茶房」に一緒に行ってきました。

そのときにめちゃくちゃ話が合うこと、共通点が多いことが分かって、創作のこと、人間関係のこと、人生のことについて長い時間語り合っていました。また、『Message』や『伝えたいことが20年分ある』の感想もたくさんいただきまして、届けてきてよかったなと思うし、誰かの人生に自分の物語が関わることができていると目の当たりにして感慨深くなったものです。


そんなりらちゃんが成人式を迎えるということで、昨日の記事に「ステキな時間をお過ごしください」とコメントしたら、次のような返信が返ってきました。

横山さんコメントありがとうございます!

成人の日、楽しく過ごしたいと思います☺️
(実は今『Message』読み返してます(笑)成人式の話だったので)


📚『Message』読み返してます

作り手なら誰しもが思っていることだと思いますが、本をつくるんだったら、読者に感動を与えられるような作品をつくりたいし、人生で何度も読み返したくなるような物語に仕上げたいじゃないですか。

だから、「もう1度、読みました」という声をいただくとき、胸に込み上げてくるものがあるんですよね。

今やお金と同じくらい大切な時間を、僕の物語に割いてくれている。それも、2度も。それを確かめることができた瞬間は、「人生で何度も読み返したくなるような物語」をつくれたと自負して悦に入るものです。そして、次はもっと面白いものをつくろうと糧にするものです。

だから、りらちゃんの返事を目にしたときは、思わず笑みがこぼれました。

何よりも嬉しかったのが、「成人式を前に、『Message』を読み返したくなった」ってこと。その物語の舞台を、成人の日にしたのは間違いではなかったと改めて思いました。

※りらちゃんの昨日の記事↓↓↓


📚改めて『Message』を紹介する

改めて紹介しますが、小説『Message』は2022年6月29日、僕が20歳でいられる最後の日にAmazonで出版した初書籍です。この際だから、久々にちゃんと紹介しますね。

成人の日の夜にひとりの青年が亡くなりました。彼の手元には「110」という血文字が遺されていたんです。いわゆるダイイングメッセージというやつですね。この物語は、その「110」が何を表しているのかを解き明かしていくヒューマンミステリーです。

「110番」を表しているから犯人は警察官?……いや、ゴロ合わせで「いいお」と読めるから犯人は「飯尾」さん?……いろんな推理が展開できると思います。ちなみに、亡くなった青年のお父さんは警察官で、幼馴染は「飯尾」という姓の女子大生です。

「110」は何を表しているんでしょうか?

さて、僕がこの物語の着想を得たのは、ダイイングメッセージに対して疑問を抱いていたからです。被害者が死に際に犯人の名前を遺す文化がありますが、それってちょっとおかしくない?と思いました。

暗号のように複雑怪奇なメッセージを死に際に残せるはずがないし、そもそもどうして犯人の名前を書こうとするのか分からなかった。だって、人生最後の言葉になるんですよ? この世で最も嫌いな人、憎い人の名前が最後のメッセージになるのは嫌じゃないですか? そのダイイングメッセージのおかげで犯人が捕まろうとも、別に自分の命が蘇るわけではない。

だったら、人生最後なんだから、自分が本当に伝えたいことを伝えたい人に伝えるべきなんじゃないかなって思い至ったんです。

だから、さっき犯人は警察官かもしれない、飯尾さんかもしれない……なんてことを話していましたが、「110」というダイイングメッセージはそもそも犯人の名前を表しているわけではないんです。

じゃあ、何なのか。

110は何を表しているのか。

その答えは、この物語の最後の1行で明らかになります。絶対に最後から読まないでください。1ページ目から「110」について思案しながら読み進めていってください。そして、彼からのメッセージを受け取ってください。


📚成人の日に読み返したくなる本

成人の日は、新成人が20年生きてきたことをみんながお祝いしてくれる日だけれど、新成人が今までお世話になった人に感謝と愛情を伝える日でもあると思うんですね。

そんな思いがあったから、僕は20歳の誕生日には家族に手紙を書いたし、成人の日の前夜には家族に向けた歌をつくって弾き語りました。家族全員が涙したあの日は忘れられません。


少しずつでいいからそういう文化を育てていきたいと思うし、だからこそ『Message』をつくって、届けて、発信して、認知を広めて、誰かの心を動かしてきたんですよね。おかげで、「自分も親に手紙を書こうと思った」とか「成人式を目一杯楽しんできます」とか、嬉しい言葉をもらうこともありました。

『Message』は「成人の日に読み返したくなる本」としての価値が確かにあって、新成人の心を動かす力を秘めている作品であることを再認識することができました。これからも届けることを怠らず、伝えることを疎かにせず、創作に向き合っていく所存です。

『Message』は手売りもしています。Amazonで買うくらいなら僕から直接買うよという方がいらっしゃいましたら、コメントください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240107 横山黎


※試し読みはこちらから↓↓↓




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