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【教育論】教科書の音読は、誰が、どのようにするべきか。
――まず「音読する」という作業が始まります。その授業では、教科書全文を実習生の先生がやっていました。僕の見る限り、みんな退屈そうでした。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「教科書の音読の仕方」というテーマで話していこうと思います。
◆教科書の音読
普段は創作に関する記事を投稿していますが、実は僕は教育学部に所属しておりまして、現在実習中ということもあり、教育に関する記事を投稿しています。
教育実習生による授業も続々と始まってきまして、都合の合う他の実習生はそれを観察しています。やっぱり気付くことはたくさんあるし、自分だったらどうするんだろうと想像を膨らましています。
今回の話は、ある教育実習生による中学2年生の授業を見て思ったことについてです。その実習生は僕と同じ国語を担当する人で、「日本の花火の楽しみ」という説明文を扱っていました。
「花火」は万人受けする題材ですから、導入するのは比較的楽な方でしょう。その授業の冒頭でも生徒たちは活発的に授業に参加していました。「夏といえば何を思い付く?」という発問から、「花火」というワードを引き出していました。
その後、教科書の内容に入ったわけですが、まず「音読する」という作業が始まります。その授業では、教科書全文を実習生の先生がやっていました。
僕の見る限り、みんな退屈そうでした。
◆音読の時間が退屈になった原因
はじめから退屈そうに見えたわけではありません。冒頭の自己紹介や題材の導入では、活発的な姿勢が見受けられました。音読のさなか、徐々に退屈になっていたように見えたのです。
中学2年生の題材ですから、決して短い内容のものではありません。教科書5ページにわたっていました。それをはじめから最後までぶっ通しで教師が音読していくわけですから、後半はしんどくなってきます。
また、実習生の声はとても聴き取りやすく、穏やかで、話し方は丁寧で宥めるかのようです。音読、というより、朗読しているような感じでした。別にそれが悪いわけではありませんが、教科書の音読に求められることとは外れているような気がします。
「音読は誰がやるべきか」問題に正解はありません。教師がやるべき、生徒に読ませるべき。どちらにもメリットがあるし、デメリットがあるはずです。
どのように読むべきかという問いもあります。そもそも音読か、黙読か。音読ならば、丸読み(一文で交代していく読み方)なのか、段落読みなのか。選択肢はいろいろあります。
実習生自身にもきっと考えがあって、「教師が読むべき」と判断したのでしょう。その是非は問題ではありません。僕が改善した方が良いと思ったのは、「一度に全文を読ませること」です。
◆生徒の主体性を削がない
さっきも言ったように、5ページにわたる文章を一気に読まれるのはやっぱりしんどい。教師の声を聴きながら、文章を目で追いかけて、その内容を理解して、でも自分は口を開いてはいけなくて、数分間黙っていなければいけないのです。ちなみに音読にかかった時間は全部で8分間でした。
教師が読むという選択肢を取ったなら、しかるべきタイミングで区切って、内容の整理をしたり、感想を共有したり、活動を挿むべきだなと思いました。緩急をつけないと、退屈になってしまいますから。
生徒の目線で考えるって意外と難しんですよね。でも、授業は教師のためにあるものではありませんから、教師のエゴも事情も知ったこっちゃない。生徒のモチベーションを維持し続けられるような、内容に興味を持ってくれるような授業展開を計画することが必要です。
こういうことって、実際やってみて生徒の反応を見ないと分からないことですから、授業を観察するって改めて大切なことだなと思いました。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20220905 横山黎
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