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自分への絶望、ゲストハウスへの希望。

――心も身体も疲れているのに、どうしても今の心の動きを早いうちに残しておきたくて、こんな夜中に記事を書いています。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「自分への絶望、ゲストハウスへの希望。」というテーマで話していこうと思います。


🏨予約100名を受け入れるゲストハウス

僕は今、木の家ゲストハウスという宿泊施設のマネージャーとして仕事をしているんですが、今日(もう日付超えてからだいぶ経ったけど)はこれまででトップクラスでしんどい1日でした。体力的にも精神的にもきつい日だったんです。

木の家ゲストハウスは茨城県水戸市上水戸にあります。オーナーは宮田悠司さん。現在は水戸まわりで9施設の宿泊施設を運営しているんです。で、その管理を僕がしているんです。

今週と来週の週末、隣のひたちなか市にあるひたち海浜公園で「ROCK IN JAPAN FESTIVA 2024」が開催されるんです。どこもホテルが取れなくなるほど、全国から茨城に人が集まる時期なのです。

木の家ゲストハウスの予約もずいぶん前からたくさん入っておりまして、ロッキン効果は確かなものがあります。いつもよりお客さんが来るから当然と言えば当然ですが、何かしらイレギュラーが発生するのが目に見えています。そんな理由から、ロッキンの時期はどうなるかなとかねてから不安がっていたんです。

今日は午前中清掃と最終確認を僕とバイトの人たちでやって、夕方からは僕と宮田さんでお客さんの対応をしていきました。さっき数えてみたら、今日宿泊のお客さんは100名近いことが分かりました。ほぼ満室の状態をつくることができたんです。

ただ、どうにか全てのお客さんを受け入れることができたみたいだけど(みたい、というのはセルフチェックインの施設もあるから!)、順風満帆というわけにはいきませんでした。

僕によるミスで危うくクレーム案件になりかけた瞬間がいくつもあったんです。


🏨たぶん不向きなんだろうけど

今日のお客さんのなかには友達や家族と一緒に宿泊する人たちも少なくなかったので、100名とはいいつつ組数でいうと34くらい。予約サイトコントローラーで管理しているとはいえ、それだけの組数あると、Booking.comやじゃらん、Airbnbなど、あらゆる予約サイトに掲載していることもあり、ほんのたまに予約が漏れてしまうことがあるんですね。

今回に関してはそれが2件もあった。その物件に関しては予約サイトコントローラーで管理していないから、見逃しやすいといえばそうなんですよね。この漏れの2件に関しては、空いている部屋に移動してもらったり、上手く対応してどうにか切り抜けました。

また、僕らはお客さんの予約をGoogleカレンダーに入力して管理しているんですが、人数を間違えて反映させてしまった予約がこれもまた2件あったんです。

それが発覚したとき、素直に自分に絶望しましたよね。

こういう未来が来ないようにあれだけ念入りに確認したのにも関わらず、当日になってエラーがこんなにも発生してしまうとは、明らかに自分の力量不足。管理人としてちゃんと仕事をしていないわけですから。

絶望といったけれど、初めての感覚ではなくて、「ああ、やっぱりこうなってしまうのね」という感覚になりました。大学生時代結婚式でバイトしていたんですが、そのときにも似たような感覚に陥ったんですよね。

そのときはありがたいことに、披露宴の責任を担う役を任されることがあって、バイトの人たちをまとめたり、披露宴の進行にあわせて料理を提供する時間を変えたりしていたんです。言うなれば、披露宴の管理人だったんです。

半年以上その仕事を続けていたんですが、結局手ごたえを感じることはなかったし、上手くいかないことの方が多かったんですよね。あの頃にもありました、これだけ確認したのに、準備したのに、なんでミスをしてしまうんだろうってことが。

さすがに認めざるを得ないから自分のネガティブな特徴を挙げていくと、不注意でずぼらで忘れっぽいんです。そんなやつが管理人していると考えると、まあ、予約漏れや掲載ミスが起こるのも頷けてしまいますよね。

それでも僕が、最低限管理できたり、今日みたいに1日12時間とか平気で仕事に向き合えるのは、見たい景色があるからなんです。


🏨この景色が見たいから

全てのチェックインが終わって仕事が落ち着いたのが23時半とかで、結局僕がチェックイン場所として機能していた本館を離れたのは、日付が変わってからでした。

僕が退出するとき、本館はロッキン帰りの2組のお客さんで賑わっていました。その場で初めましての2組です。にもかかわらず、ロッキンという共通話題があり、ひとつ屋根の下で寝泊まりをする環境が用意されたことで、初めましてとは思えないくらいに打ち解け合っていたんです。

パソコンに向き合って仕事をしながらその様子を横目に見ていたんですが、その光景に心動くものがあったんです。

「ああ、こういう景色を見たかったんだなあ」

「こんな景色が生まれる場所で仕事をしているんだよなあ」

そんなことを秘かに思っていました。

木の家ゲストハウス本館

本館を後にして、自転車を停めてある別館の庭の方へ向かいました。別館の前でタバコを吸っているふたつの人影がありました。別館に宿泊のお客さんたちです。

どうやら彼らも寝室を共にすることもあり意気投合し、共にタバコを吸う間柄になったそうなのです。聞けば、お互いの仕事が少し重なっていてその話で盛り上がったとのこと。

その後もいろんな話を3人でしていたんですが、お客さんのひとりが、僕の知り合いとつながっていたことが分かったんです。「◯◯さんって方なんだけど……」と名字を言われて、「え、△△さんですか?」と名前を答えたら、「そう!」と声高らかに。

僕はそのお客さんとはもちろん初めましてだし、今回木の家ゲストハウスに宿泊するのも初めてとのこと。なんなら、ゲストハウスも初めてだったとのことです。不思議な縁はあるもので、そんな風に、人とのつながりが新たに生まれるのが、ゲストハウスという場所なんですよね。

別れ際、3人でLINEとFacebookを交換して、おやすみなさいと言ってお別れしました。

ここでもさっきと同じように、「人とのつながりが生まれる場所をつくっているんだな」としみじみ思ったものです。

木の家ゲストハウス別館

心も身体も疲れているのに、どうしても今の心の動きを早いうちに残しておきたくて、こんな夜中に記事を書いています。

結婚式という場所が好きだったけど、披露宴の管理は上手くできなかった自分。ゲストハウスという場所が好きだけど、予約管理でエラーを起こしてしまった自分。

今日みたいに自分に絶望するくらいには不向きなんだろうけど、この場所が好きだから、この人がいるから、この景色が見たいから、を原動力にこれからも希望を追いかけていくんだと思います。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240915 横山黎





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