やめ役者@夢追い人と結婚した人

OL⇒ 小劇場で女優⇒役者と結婚⇒主婦&経営補佐しています。 夫と出会う前に付き合った…

やめ役者@夢追い人と結婚した人

OL⇒ 小劇場で女優⇒役者と結婚⇒主婦&経営補佐しています。 夫と出会う前に付き合った人も役者でした。夫は現在、役者を辞めて経営者に。 夢追い人のなれの果て、夢追い人と結婚したらどうなるかコツコツ書いていきますのでフォローしてお待ちください。

最近の記事

#16 私にとっては大きな出来事でも誰かにとっては些末な出来事

前記事はこちら いったん帰宅し仮眠を取った後、また稽古場へ 昨晩の事を思い出したら、目も合わせられ無い いつもの通りに早めに稽古場へ行き 念入りに掃除をした後、団員が集まるまで 鏡の前でストレッチをして待つ。 自分があまりにも変な顔をしていて鏡をまともに見れない。 顔が紅潮している気がするし なんだか鼻の下が伸びている、上唇がムズムズしている。 これ、誰かに見られたら何か言い当てられるんじゃない? そうこうしているうちに 珊瑚さんや青竹さんが稽古場入りし 菖蒲さん、高

    • #15 これが、イチャイチャなのか?

      前記事はこちら 青丹の顔が頭のてっぺんに押し当てられている 頭のてっぺんが生温かくなって息がかかっているのがわかる。 状況の把握が出来ずに体は硬直。 でも、私は青丹より年上だし、狼狽えちゃいけないんだ。 『当たったって、こんな感じ?』 『あ~うん、そうかな』 『楽しいんだ?』 『さぁ、今は・・うん、どうだろう』 とにかく慣れてないことに気づかれてはいけない。 息が上がってきて、みぞおちがあがってくるような むずむずする感覚に襲われてパニック状態になっていることを 隠し通さ

      • #14 3人なのに二人きりの世界に

        前記事はこちら 珊瑚さんの部屋は汚部屋だった 酔っぱらった珊瑚さんから、なんとか部屋を聞き出し 辿り着いたものの、珊瑚さんの部屋の有様は・・・ 玄関には、おびただしい靴が散乱し共同生活者が何人もいるのか?と思わせた。 とにかく靴の上で靴を脱ぎ、部屋に入り込み 珊瑚さんをベッドに横たえたはいいが 青丹と私の居場所がない。 始発の電車が動き始めるまでは、ここで過ごさなくてはいけないということでベッド横のローテーブルをギュッと壁に押しやり 散らばる衣服は珊瑚さんのベッドの上に

        • #13 誰か助けて!

          前記事はこちら 自業自得、ここから何とか抜け出さなきゃ ごった返すダンスクラブで後ろから両手で腰を押さえられ 身動きが取れない。逃げられない。 音楽の盛り上がりに合わせ 私の身体は腰を掴まれ上に持ち上げられるようになった。 持ち上げられるたびに四方八方から男性の手が伸びてくる。 怖い。 次に床に足が付いたら、しゃがみこんで下から逃げよう。 チャンスを狙っても腰を掴まれた状態でやっぱり逃げられない。 身をよじったりもがいたりしていたら、ふっと体の周りに空間が出来た。 大

        #16 私にとっては大きな出来事でも誰かにとっては些末な出来事

          #12 男慣れしていない私

          前記事はこちら 学生時代から演劇少女だった私 この年齢まで、全く異性とお付き合いしたことが無い 事務所に所属している間、藤黄といい関係だと思ってはいたが 付き合っていたわけでは無かったので 男女の関係ではなかった。 学生時代も演劇少女・演劇オタクだったので恋愛には全く興味が無かった。 OL時代もしかりで終業したら慌てて演劇学校に通っていたし 土日は撮影所に詰めていた。 所属事務所は5対1の割合で圧倒的に男性が多かったので 声をかけられることが無かったとは言えないが

          #11 東京での生活はジェットコースターのよう、という例えがはまる

          前記事はこちら 地味な稽古や裏方仕事、派手なロック・バーで盛り上がるかと思えば安酒場をめぐる日々 珊瑚さんとの付き合いが多くなって起こった事 珊瑚さんと親しくなって ロック・バー、踊れるクラブのような場所へ足しげく顔を出すようになった。メンツは珊瑚さん・大学生の若手男優二人と私。 今まで、芝居のレベルが劣っている人物は目に入らない取るに足らない存在として扱ってきたのだが 劇団に入って、少し変化してきていた。 菖蒲さんからのいじめが身に染みていたともいえる。 一緒に芝

          #11 東京での生活はジェットコースターのよう、という例えがはまる

          #10 少しづつ出来上がる台本は当て書き

          前記事はこちら 高麗さんは当て書きする脚本家で演出でもあった。 高麗さんから少しづつ台本が届く 高麗さんから少しづつ台本が届きだし、本読みを始める。 どんな話かざっくりと紹介すると といったところまでだが、この突然入ってくる 見知らぬ女性=キーマンの役が私だった。 菖蒲さんからのいじめがはじまる 今までもちょっとしたイビリのようなものはあったが この時期、私に対する本格的ないじめのようなものが始まった。 『今回は月白さんが主役ですから』 『この場面、月白さんにどう

          #10 少しづつ出来上がる台本は当て書き

          #9 珊瑚さんと急接近

          前記事はこちら なんだか新人の割合が多いことに納得はしたのだが・・ 劇団の中はキャラがかぶるとバチバチ 劇団には中堅女優が二人いたのだが、どちらも同じ年齢。 先述した珊瑚さんと、もう一人は紫苑さんだ。 (私も同じ年だが後から入ってきた後輩となるので彼女たちとタメ口で話すことはない。) 二人は新人たちよりほんの少し早く入団したというだけで 実践を積んでいるわけでも実力があるわけでも無さそうだった。 とはいえ珊瑚さんと紫苑さんは 事あるごとにバチバチしてる。配役がやや被るの

          #8 看板女優が大好き

          前記事はこちら 菖蒲さんと稽古を重ねる日々 とにかく、上達したいから菖蒲さんの側にいたい 菖蒲さんと張り合える女優になるために 稽古場ではいつも菖蒲さんを見つめていた。 どのように稽古に挑むのか、空気を掴むのか その一挙手一投足を逃したくなかった。 高麗さんは執筆活動に入るとのことで 徐々に稽古場に顔を出す回数が減っていった。 菖蒲さんは、反比例するように不機嫌になっていった。 事実を知り衝撃を受ける。 稽古の後は、安い居酒屋で反省会と称する飲み会が常だった。 下戸

          有料
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          #7 稽古に参加

          前記事はこちら 客演として次回公演に参加することで合意を得ました 劇団員構成が若い 稽古場見学ですでに感じていたのだが 団員の構成が若いことに驚いた。 看板女優、その右腕になるナンバー2的存在の女優、中堅女優が二人 若手の男優(大学生!)が二人、若手の女優(大学生!)が二人 座長を含めると計9人の劇団だった。 看板女優(すぐにそのポジションは奪うつもり)が 私と5歳程度しか違わない。 身体を動かし始めて、わかる差 まだ台本が出来上がる前ということで声出しと基本的な身

          #6 頼りは演劇ぶっく

          前記事はこちら 劇団探し、奮闘します 自分の条件に合う劇団ってどんな劇団? さぁ、色々芝居を観て回っても、募集情報にはありつけないばかりか、観たことによってその劇団の”アラ”探しをしてしまって なかなかここだ!という場所が見つからない。 こんな時には地方出身の演劇オタクの バイブルともよべる雑誌”演劇ぶっく”を頼りにしてみよう! と演ぶの(演劇ぶっくの略)劇団員募集欄を見てみても 今のようにネットがあるわけでは無いので、その劇団の所属俳優、公演録すらわからない。 もし

          #5 東京での新しい暮らし

          前記事はこちら 初めての一人暮らしに追われる日々が始まりました。 一人暮らしはとにかくお金がかかる 部屋を探して敷金礼金、数か月分の前家賃 これだけで数十万が消え、最低限の電化製品 生活用品を揃えたら所持金が3分の2に程度になってしまった。 平日はOL、土日祝は撮影所で役者として休みなく働いていたので 半年は遊んで暮らそう、と決めていたのに140万程度じゃ厳しい。 と思いつつも、せっかくの東京、文化の集まる街。 たっぷりと小劇場演劇を観劇しまくろう! 下北・新宿あたり

          #5 東京での新しい暮らし

          #4 藤黄がいなくなった

          前記事はこちら 藤黄にとって私は特別だと思っていたのに、一言もなく消えた。 携帯電話のない時代、探しようもなかった。 周りがいたわってくれることがツライ 私自身、藤黄にとって自分が特別だと思っていたのだが 周囲もそのように受け取っていたと思う。 私は平日はOLをしていたため事務所で藤黄に会う頻度は低く 今回の藤黄の東京行きを事務所から聞いていなかった。 事務所のメンバーの中には引っ越しを手伝ったという面々もいたが まさか私が藤黄の状況を知らないとは思っていなかったよう

          #3 私が出来る事、って何?

          前記事はこちら 『いつか、俺があそこに行くから。その時は月白、お前も呼ぶからな』 芝居が上達するため、演技力を上げたい、のだが・・ 当時は平日にOLをしていたこともあり終業したあと また別の演劇学校へ通い始めた。 そこでは殺陣、日舞、モダンバレエ、標準語 そして演技指導を受けた。その学校は母体があるテレビ局なので 頑張れば、そのテレビ局のドラマにエキストラとして使ってもらえるのが売りだった。 その演劇学校での演技指導の講師の一人はそのテレビ局で作られるドラマに 端役で出

          #3 私が出来る事、って何?

          #2 アクタースクールで出会った男

          前記事はこちら 学生時代、アクタースクールに通っていた話。 学生時代にアクタースクールに通い始める アクタースクールには入会金が必要だった。 学生の身分ではかなり厳しい価格帯だったが、バイトしてお金を貯め 入会をした。 アクタースクールにもいろいろ種類があるのだけどそのアクタースクールは撮影所お抱えの事務所になっていて、低価格の賃金でいわゆる仕出し・端役を貸し出す事務所だったため、研究生として沢山の作品にエキストラ的に出演させてもらっていた。 アクタースクールに所属す

          #2 アクタースクールで出会った男

          #1 芝居が好きで役者を目指す

          これは、3人の夢追い人と出会い、そのうちの一人と結婚した私:月白の物語。実話?それとも創作?皆さんのご想像にお任せします。 小学生のころ 当時は吉本新喜劇・宝塚がテレビで観ることが出来(今も出来るのかな?) 知らぬ間に舞台で演じることを目標にしていた。 役者・・宝塚と言えばバレエが必要!と思い込み3年生のころにバレエを習いはじめ、ピアノももちろん必要でしょう、とピアノ教室に申し込み 4年生には同好会と称して仲良しグループで芝居作りをしクラスメイトに発表。5・6年生でクラブ

          #1 芝居が好きで役者を目指す