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#13 誰か助けて!
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自業自得、ここから何とか抜け出さなきゃ
ごった返すダンスクラブで後ろから両手で腰を押さえられ
身動きが取れない。逃げられない。
音楽の盛り上がりに合わせ
私の身体は腰を掴まれ上に持ち上げられるようになった。
持ち上げられるたびに四方八方から男性の手が伸びてくる。
怖い。
次に床に足が付いたら、しゃがみこんで下から逃げよう。
チャンスを狙っても腰を掴まれた状態でやっぱり逃げられない。
身をよじったりもがいたりしていたら、ふっと体の周りに空間が出来た。
大学生の二人が私の周りをガードしていた
身体を持ち上げられたのが見えたのだろう
大学生の青丹と鉄黒が体を割って入ってきてくれたおかげで掴まれていた腰から、手は離れた。
ギュウギュウのおしくらまんじゅう状態のホール中心から
隅の方まで踊りながら誘導してくれた。
しつこく外国人男性が追いかけて来ていたが
大学生のうちの一人青丹が私の頭の上から手を振ったり
肩を入れるような形で、私に触れられないよう守ってくれた。
バカ呼ばわりされて逆ギレ
鉄黒からは
『月白さんは、バカなんですか?』
『こういう所、一人で行動したら危ないと思わないんですか?』
と言葉を発するたびに頭をゴツンとされた。
怖かったし、色々触られて気持ち悪かったし
唇は死守したけれど色んな所に唇を当てられた。
守られて、安全な所にいるかと思うとほっとした半面
バカバカ言われてカチンときた。
口を利かない目も合わせない
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『私、楽しかったんだけど?』
恐怖感から安堵、そして訳が分からない怒りが
逆ギレのような形で出てきた。
その後、鉄黒から何を話しかけられても
口も利かず、目も合わせなかった。
鉄黒は気まずい雰囲気を感じたのか
流石に頭をゴツンとはしなくなったが
危ない、とかブツブツ言いながら飲み物を取りに行った。
もうすっかり楽しめなくなってしまった私はそろそろ帰ろうかと
珊瑚さんを探した。珊瑚さんは酔いつぶれてソファーで眠りこけていた。
青丹と私が一緒に珊瑚さんの自宅までタクシーで送ることに
珊瑚さんが一人で帰れる状態ではないので
私たちが送っていくことになった。
鉄黒は私が目を合わせないことに傷ついたのか
任せる、と言いその場から離れた。
繁華街からタクシーで2メーターも走ったろうか?
珊瑚さんの自宅についたころは
青丹と私は終電を逃していた。
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