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#12 男慣れしていない私

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学生時代から演劇少女だった私


この年齢まで、全く異性とお付き合いしたことが無い

事務所に所属している間、藤黄ふじきといい関係だと思ってはいたが
付き合っていたわけでは無かったので
男女の関係ではなかった。

学生時代も演劇少女・演劇オタクだったので恋愛には全く興味が無かった。
OL時代もしかりで終業したら慌てて演劇学校に通っていたし
土日は撮影所に詰めていた。

所属事務所は5対1の割合で圧倒的に男性が多かったので
声をかけられることが無かったとは言えないが
藤黄ふじきと私はセットに見られていたため
帰り際に車で送ろうか?と声をかけられても
藤黄ふじきが終わるのを待ってる~』
と恋愛の対象にはならないことをアピールしていたし

何よりこの事務所の男性陣のアニキ分に大切に扱われていたのだ。
所属女優が少なかったという点もあっただろうが
傷つけたくない、という思いを感じていた。
このアニキ分によく言われていたことは

『この事務所外の男を好きになるなよ(守れないから)』
月白つきしろと二人でいてもカップルに見られないよな、俺ら』
月白つきしろ、この事務所で好きなやつが出来たとしても、お前から告白したらダメだぞ』

だから、事務所内で私に言い寄ろうとする男性はほとんどいなかった。
たまによその事務所から来た男優に声をかけられるくらいで
その場限りの適当な逃げで十分通用していた。

会社で色々言われても、事務所内で怪しい雰囲気を感じても
なんとなくうまくかわしていた。

気が付いたら、恋愛経験ゼロ

おかげで、いい年齢になっても恋愛経験ゼロ・男性経験ゼロ
清く正しい演劇オタクになっていたのだが
私自身、求めてもいなかった。
東京に出てきても、藤黄ふじきの事がいつもどこかに引っかかっていたし、演劇をしていることも
この世界にいたら藤黄ふじきと再会できるはずだと思っていたからだ。
もう一度藤黄ふじきに出会った時は沢山、芝居の場数を踏んで
お互いに実力ある俳優同志。
その後、恋愛の事は考えればいいと思っていた。

ずっと、つかず離れずの存在で50代くらいになって
やっぱり傍にいたのは月白つきしろだった。
そんな二人になったらいい、なんて思っていた。

だから、男性に囲まれてパニックに

東京に来て浮かれて
経験もないのに男性との距離感なく
ダンスクラブで踊って
挙句の果てに困ってるなんて
自業自得だ。

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