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#11 東京での生活はジェットコースターのよう、という例えがはまる

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地味な稽古や裏方仕事、派手なロック・バーで盛り上がるかと思えば安酒場をめぐる日々


珊瑚さんごさんとの付き合いが多くなって起こった事

珊瑚さんごさんと親しくなって
ロック・バー、踊れるクラブのような場所へ足しげく顔を出すようになった。メンツは珊瑚さんごさん・大学生の若手男優二人と私。

今まで、芝居のレベルが劣っている人物は目に入らない取るに足らない存在として扱ってきたのだが
劇団に入って、少し変化してきていた。
菖蒲あやめさんからのいじめが身に染みていたともいえる。

一緒に芝居を創っている仲間にそんな意地悪をして意味がある?と思い始めていた私は”お芝居は初めてです‼”みたいな初心者マークがついている年下の大学生若手女優&男優には弟や妹のように接していた。
わからないことは教えてあげていたし自分で頑張りたい、という所は黙って任せていた。

憧れの人としての眼差しに気づかないふり

社会人としての経験もあり、事務所に所属して実績もあり
そこそこ芝居が出来る私に対して
若手男優の二人から憧れの眼差しを向けられることがあることを
気づかないふりをしてやり過ごしていた。

稽古前のストレッチで腕を掴まれ
月白つきしろさん、筋肉つけないと折れちゃいますよ』
作業で重たい荷物を運んだりしていると
『ハイハイ月白つきしろさんが落っことす前に運んじゃいます』
なんて取り上げてしまうなど

その都度『も~バカにして!』『え~じゃ、あっちの重い荷物(青竹あおたけさんを指して)も運んでもらっちゃおうかな~。落っことしてもいいよ♪』そして青竹あおたけさんから『こら~つき~聞こえてたぞ~』なんてのらりくらりかわしていたのだけど・・・

囲まれてピンチ

囲まれてしまった

いつものように珊瑚さんごさんに誘われて
いつものメンツでクラブに踊りに出かけた。
珊瑚さんごさんはベロベロに酔っぱらってホールのどこかに消え
気が付くと、私は一人だった。
酒を片手に踊りに興じているフリなのか、しらふなのかわからない
外国人の男性4~5人に囲まれ、逃げようにも逃げられなくなってしまった。

場慣れしている珊瑚さんごさんに助けを求めようにも、どこにいるのかわからない。端から弟のような存在の大学生二人を頼りにはしていなかった。

体を触られたり、頬に唇が当てられる。酒臭い。
嫌なそぶりを出して露骨にガードすると怒らせるかもしれない。
踊りながらなんとか手を払ったり、逃げようと足を運んだりするも
体格差でなすすべなく、引き戻される。
とうとう一人の外国人の男性に抱きかかえられるような、腕の中に入る形になり、もう一人、後ろから両手で腰を押さえられ、逃げられなくなってしまった。

ホールの中は大盛り上がりで誰も私の窮地には気が付かない・・

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