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#6 頼りは演劇ぶっく

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劇団探し、奮闘します


自分の条件に合う劇団ってどんな劇団?

さぁ、色々芝居を観て回っても、募集情報にはありつけないばかりか、観たことによってその劇団の”アラ”探しをしてしまって
なかなかここだ!という場所が見つからない。
こんな時には地方出身の演劇オタクの
バイブルともよべる雑誌”演劇ぶっく”を頼りにしてみよう!
と演ぶの(演劇ぶっくの略)劇団員募集欄を見てみても
今のようにネットがあるわけでは無いので、その劇団の所属俳優、公演録すらわからない。

もしかしたら、この劇団・・いいかも?

そんな右も左もわからない中、気になる劇団を見つけた。
・旗揚げから、そこそこ経過している。
・小劇場シーンの中でも古くからある劇場(名の知れた小劇場の劇団も
まずは、ここの舞台を踏んで表舞台に進んだ)と言われる劇場の小屋付きが座長。
・規模が小さい
・劇団員ではなく客演の募集
まずは、この劇団の客演として1本出て感触を掴もう。
早速、電話をしてみることにした。

劇団の座長と面談

電話で劇団の座長と会うことになった。
小屋付きである劇場の
『近くまで来たら電話をして』
と言われ携帯電話が無い時代、伊勢丹にある公衆電話で電話をした。
伊勢丹の周りにはお洒落な喫茶店が多々あるにもかかわらず
面談に指定された喫茶店は細々とした観葉植物が置かれただけの飾り気のない場所だった。

座長は一見30代にも見える40~50代?年齢不詳の
高麗さんという男性。面談はあっさりと終わり
一度、稽古場で様子を見てくれと言われ次の約束をして別れた。

劇団の稽古場は大学の一室だった

初めての劇団の稽古に、地方出身を舐められてはいけない。
そして座長である高麗さんが男性であったため気に入られるように
精一杯、めかしこんだ。

立ち襟のフリルストライプシャツはストレッチが効いて
ボディラインが出るもの
膝上スカートはタイトシルエットで膝がしらが見える位置で
裾が割れるよう配置されたラップスカートだ。
椅子に座り脚を組んだら、太ももが膨らみ始めるフォルムが見え隠れする。

稽古場はある大学内にあるという。
高麗さんと待ち合わせた駅から大学に向かって歩いていく。
ここは東京なのか?と疑いたくなるほど駅近くからのどかな道が続く。
大学についたら敷地内の離れのような場所へ連れていかれた。
老朽化が見て取れる、なかなか廃墟な見た目の建物だったが
室内には鏡張りされた壁もあり、スペース的にはかなりゆったり取れる。

中に入ると上座に折りたたみの長机と折りたたみ椅子が用意されていた。
座長の高麗さんの場所だ。
軽く会釈をして、私ももちろんその隣に座る。
薄笑みを浮かべて高麗さんとひそひそ話す姿は愛人か何かに見えたろう。

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