見出し画像

映画『エターナルズ』感想

予告編
 ↓


 冒頭の「待ちに待った作品」という文言を目にして、想い出しました。
……ああ、この頃ぐらいまではマーベル作品を拝めるのを楽しみにして、原作の予習・復習なども苦にならず、充実していたんだなぁ、と。

 でもどっかで、ドラマシリーズやら何やら、コンテンツの量が増えてきて追いつけなくなっちゃったんですよね笑。今もマーベル作品は大好きですが、本作公開当時(およそ二年前)に比べれば、だいぶ落ち着いちゃった気がします。

 そんなこんなも想い出せる。映画感想文ってのは、ある種、日記のような役割もあるのかもしれませんね笑。


ユニ・マインド


 さーて、待ちに待った作品だ。ネタバレなんか気にしないで書くぞー←。遂に登場、ソーやオーディン超えのガチ神様。ソーを小僧呼ばわりする様子だけでもその凄まじさがわかります。しかしながら、初登場キャラだらけで、どこまで話について行けるかわからないという不安もあったから、今回も『しゃべんじゃーず』等、柳生先生の動画にお世話になりました。まぁ初登場キャラだらけだからこそ、逆に予習無しでも良かったかもしれないけど、指パッチンの件など、MCU一見さんには理解しづらい部分があったのも事実。

 とはいえ、そんな事どうでも良くなるくらい面白かったです。まず、冒頭のアクションシーンで心を鷲掴みにされる。アンジーやらマ・ドンソクやらスーパースターがヒーローに扮するという得も言われぬ贅沢感を味わいながら、これまでのMCUで描かれてきたような、ヒーローたちによる超人的能力をも凌駕する程のスーパーパワーがお披露目される。有無を言わさず見惚れてしまいます。そんな力強さを持ったオープニングアクトのおかげで、「エターナルズの設定とかキャラとか知らなくて大丈夫かな?」なんて不安は吹き飛ぶこと請け合いだ。……ちょっとだけ画面がゴチャついてた気もするけど笑。



 本作は、エターナルズというスケールのデカすぎる存在に負けず劣らず、自然や死生観、愛、個々のアイデンティティ等々、重厚なテーマが詰まっている作品。公開前、クロエ・ジャオが監督と発表された時はとても意外に感じたものの、実際に観てみると納得というか……うまく言葉にできるかな……。

 『ノマドランド』(感想文リンク)にも通ずる部分があるとかそういう理由もあるんですけど、何よりクロエ・ジャオ自身のイメージが上手く噛み合っていた印象があるんです。特にそう思えたのは、ファストス(ブライアン・タイリ―・ヘンリー)が強く後悔、或いは人間に失望したきっかけとなるシーン。「え?!こんな過去が?!」という驚きも然ることながら、「広島の件は過ちでした」と言わんばかりの描写になっていたから。アメリカの、それもマーベル映画なんつービッグタイトルの中で、こんなことを描くのかと度肝を抜かされました。なんていうか、“こういうこと” を言えちゃうのは、クロエ・ジャオ監督だからこそなんじゃないかな、と思うわけです。ヒーロー映画というエンタメ作品の壁を越え、社会的な話まで出て来るとは露ぞ思わなんだ。


 壁という点で言えば、会話の中にDCネタが転がっていたのも面白かった。「この世界にもDCはあるんだ」という驚き(喜び?笑)もそうですが、アメコミのレーベルの壁を難なく超えられるのは、人知を超える存在であるエターナルズたちが主人公だからこそなのかもしれません。



 事前にあらすじやらキャラ設定を調べていたことによって、物語の理解度が大きく変わるということはありません。けれど、その代わりに驚きやサプライズが多々あり、これまた序盤から驚かされました。エイジャック(サルマ・ハエック)が女性になっていたり、ファストスがゲイだったり、マッカリが耳が聞こえない設定で、それを演じているのが聴覚障がいを持つローレン・リドロフで……。人種や性的指向その他諸々、原作から大幅に設定を変えたキャスティング。多様性と包括性が求められる現代の潮流に合わせている部分もあるんでしょうけど、エターナルズという存在は、人類がなんとなくで決めた線引きや枠組みなんかには囚われないんだろうな、とも思えてくるから面白いし、ある種の神である彼らがマイノリティの側面を持つことで、マイノリティは決して欠陥や弱点ではないんだと教えてくれているようでもあります。

 こういったキャスティング面もそうですが、先述したような幾つものテーマなど、本作には裏テーマとも呼べるような要素がたくさん込められている気がしてなりません。じゃあそれらをどう解決するのか、どう着地させるのか、ってなった時に、一番に頭に浮かんだのは、彼らエターナルズたちだけが持つ特別な力〈ユニ・マインド〉。経緯や特徴の説明こそ省きますけど、この能力の特性からは「共有する」「一つになる」みたいなワードが連想される(無論、他にも適当な言葉があるんでしょうけど、そこはご容赦を)。物語を着地へと導いたこのユニ・マインドの精神性は、『アベンジャーズ』ないしはこれまでのMCUでも描かれてきたテーマとも相通ずる部分が大いにあります。聞くところによると、レビューサイトなんかだとMCU映画の中では最低評価だとか何だとか……。自信を持って述べてやる。 何言ってんのよ!そんなワケ有りますか!めっっ……っちゃくちゃ面白かったわっ!!笑
(まあ確かに、これまでのMCU作品に比べれば、決して観易い映画というわけではありませんでしたが……。)

 ぶっ飛んだスケールの物語の中にも、ちゃんと一般人目線が挟まれていたり、うっかり声を上げてしまいそうなサプライズも盛りだくさんだった本作。さーて、自分の意見もまとまったことだし、柳生さんの感想or解説動画を観なきゃ!……そうなんです。僕の中では柳生さんの話を聴くまでが、アメコミ映画鑑賞のワンセットなんです笑。


#映画 #映画感想 #映画レビュー #映画感想文 #コンテンツ会議 #MARVEL #マーベル #クロエ・ジャオ #エターナルズ

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,708件

#映画感想文

66,330件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?