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18無理して子育てを頑張っていた理由③

何かを無理して頑張ってしまう理由というのは、一つではなく、いろいろな要因が複雑に絡み合っているもので、絡み合っているからこそ、なかなかやめることができないのだと思います。それを一つ一つほどいていけたのは、やはり娘の死によって絶望して、社会とのつながりを断ち、何もせずに引きこもりをしたおかげだと思います。娘がくれたチャンスでした。

そのチャンスを無駄にしないよう、私は自分の知らない自分を知ろうとしました。自分を知ろうとすること。それは一番自分が望んでいたことかもしれません。なぜなら、私は「認められたい」という欲求を常に持っていたからです。親に認めてもらいたいと思っていたことも確かですが、ではなぜ親に認められたいかといえば、自分が自分を認めていないからなのです。

でもその欲求は娘が死んでしまうまで、自分の中に向けられることはなく、社会に向かって放たれていました。いわゆる承認欲求です。そして、私が自信を持って自分を見せることができ、世間が認めてくれるだろうと思えたものが、子育てだったのです。子供が素晴らしいのが自分の手柄だと勘違いしていたのだと思います。

確かに長女を始め、娘たちは自慢したくなるほど素敵です。でもそれはどこの親も同じように感じていることでしょう。それに娘たちが素敵なのは、私が子育てしたからではなく、私の子育ての中から自分に必要なものを取り入れた彼女たち自身の選択によるものです。だからこそ私が素敵だと思ってしまうほど、私にはない輝きを持っているのだと思うのです。

でも、勘違いしていた私は、胎教の講師になったり、産後ケアの仕事をしながら、地域の子育てイベントのお手伝いをしたり、幼稚園のPTA会長をしたりして、子育てを通して自分を認知してもらうことで、自分が認められているような気持ちになってしまったのだと思います。ですから自分自信の子育ても手を抜くことができなくなっていたのです。それがどんなに自分を疲弊させるものだったとしても、無理してでも続けなければ、自分が認めてもらえなくなってしまうからです。

私がやっていたそれぞれの活動は、胎教にしても地域活動やPTA活動にしても、子育てに真剣に向き合うことも、何も悪いことではありません。楽しんでできているなら、人からも喜んでいただけて、幸せなことだと思います。私も、もちろん一つ一つの活動を楽しんでいましたし、普通では体験できないこともたくさんありましたから、従事することに感謝していました。

でもどんどん忙しくなっていく生活の中で、すべてを完璧にこなそうとすることは、私を確実に疲弊させていきました。どこかで無理をしているのです。何か一つでも活動をやめればいいものを、私は手放せませんでした。やっと幼稚園のPTA会長の座から降りたと思ったら、今度は誰もやりたがらない長女の高校の本部役員に立候補していました。

今考えると恐ろしいぐらい頑張り屋です。そういえば周りからもよく「なんでそんなに何でもできるの?」と驚かれたものです。その時は「好きだから」だと本気で思っていました。でも違います。認めてほしいからです。さらに言えば、優しさや完璧さがあるほど認められると思っていたからです。だから私は子育てに手を抜けなかったのです。

そして娘が死んでしまった時、私の意識は逆転しました。私は「誰からも見られたくない」人間になったのです。それは心の奥に住む自分に認められたい私にとって絶好のチャンスとなりました。自分以外の誰かに認められようとしているのは、自分が自分を認めていないからです。私が、自分を自分で認めるためには、自分以外の誰かのいない世界に行かなければ難しくなっていたのです。

その世界こそ、絶望の底です。引きこもりのひとりぼっちの世界です。娘が強制的に連れてきてくれた、私しかいない場所でした。もう私なんか死んでも構わないという自暴自棄になりながらも、娘たちのために死ぬことだけはやめようと思った私は、どうせ自分は死んだも同然なのだから、もう誰からも認められようとしない人生を送ろうと思いました。

ただ自分を自分らしく生きればいい。引きこもってゴロゴロしてるだけでも、死んで娘たちを悲しませるよりはマシだ!くらいな気持ちでした。でもその自分に対する「ただ生きていればいい」という思いこそ、最強の自己肯定だったのです。

最近は「頑張らない子育て」などという言葉も聞くようになりましたが、それは「誰かに認めてもらおうとしない」ということなのだと思います。誰がなんと言おうと自分がやりたいと思っていることなら、頑張ることは大切だと思います。本当にやりたいことは頑張って疲れても気持ちが良いと感じるものです。それはきっと親自身が楽しいこと。子育ては親が楽しく出来ることだけをすればいいのだと思います。

さて、次回からは、我慢や無理をせず引きこもりながら自分自身を生き始めた私が、絶望の底で見つけた真実を実際に社会で適用していくとどうなるのかということと、またその社会の中で気付いたことについて書いていきたいと思います。


*Rayより読者の皆様へ*
いつもお読みくださりありがとうございます。
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ダークな内容が続いてしまいますが、
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私の体験した闇があなたの光を見つけるヒントになれば幸いです。


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