イドラデモン・アニヒレイト -21- #ppslgr
飾り気のないコンクリートの階段は、上がるほどにいつしか石畳造りへと手品のように入れ替わっていった。そうして、精緻な縁取りがなされた銃を手に登り切った先に待っていたのは、一面の緑。
「わぁ……」
俺の後ろでついてきていたO・Mも、開けた光景に感嘆の声をあげる。だが後続の二人へ振り向くと、J・Qの方は少々険しい表情によって眉間の皺を深めていた。
折り重なる緑の天蓋を抜けた先にはウソの様な青空が広がっていて、大地には木々の影の元に至るまでうっそうとした青い草花が繁茂している。