見出し画像

イドラデモン・アニヒレイト -28- #ppslgr

「ドネートなど……金銭などもらわずともワタクシはスゴイ!その事をおもいしるがいい!」

ぶるぶると身を震わせて俺の一言を思いの限り否定した神父野郎を中心に、取り囲んでいた覆面カルト集団の半分くらいがたいまつを掲げると神父に向かってスキを送り始めた。残り半分は周囲の奇行に対して困惑している様に見受けられる。

「見よ!これが新時代のソーシャル富豪の在り様よ!」

スキのハートに包まれた神父はその姿を桃色のもやに溶け込ませると、次に明確な姿を現したのは無数の浮遊ハート型で構成された生首であった。当然、生首のモデルはあの神父だ。新たに現れた怪奇異常存在に、カルト集団の半分はうろたえて逃げ去っていく。残り半分はたいまつを掲げたままにひれ伏した。

「悪趣味だな」

できる事ならいつでも仙人めいた暮らしがしたい俺とは真逆の方向性のようで、何とも理解しがたい。受けが良くなかったのは俺だけではないらしく、J・Qはあからさまにウゲー、という表情。O・Mの方は流石にリアクションに困った感じの苦笑を浮かべている。

そしてあの老婆はというと……抱えていた老婦人は既に横たえており、片手で全くぶれる事無く構えたライフルの引き金を引き絞った。破裂音に続いて、スキ生首の額にライフル弾が着弾すればハートがいくつも砕けて散っていった。

「なにをする!」
「アタシの孫をそそのかしてやらかしたのがそれたぁ恐れ入ったね。アンタは念入りに仕置きしてやるから覚悟しな」

地獄の底に住まう鬼めいた声色で宣言する老婆に、スキ生首がモザイク状にぶれるほど戦慄する。やはりこけおどしと修羅場をくぐりまくったベテランでは格が違ったか。だが、すぐに戦意を取り戻した生首はドリル状に回転しながらこちらへと突っ込んで来る!

「その減らず口、後悔しろ!させてやる!」
「おっとぅ!オヌシの相手はそのババアだけじゃないぞい!」

すかさず振るったJ・Qの手斧が分厚く強固な氷壁を構成すれば、突っ込んで来るスキドリルを凍てつかせて妨害する!続いて撃ち込まれた紅の刃の高熱が、スキ群を取り込んだ氷壁を爆発四散蒸発に至らしめる!

「グワーッ!」
「スキをそういう使い方するのは良くない、ですね!」

四方八方に飛び散ったスキ群を、レーザーの軌跡が立て続けにハートを両断からの機能停止!数を減らしながらもスキ群は態勢を立て直し生首を再形成!

「ぬぅううう!貴様ら何故恐れ、慄かないのだ!」
「まるで話にならん、スキ数などただの数字だ。中身の質を担保するわけじゃない」
「ハッハ、どういう理屈で脅しになると思ったんじゃか」
「ならば実力で黙らせてやる!」

生首から手首に形態変更したスキ群は、ライフルを肩に担いだ老婆へ真っ先に襲い掛かり握りつぶさんとする!だが、老婆の右腕がかすんだかと思えば桃色指先がちぎれて爆散する!老婆の手に握られているのは艶やかな平安美人の髪を束ねたかの如き黒いワイヤー鞭だ!

「残念だが、アンタに実力なんてもんは無さそうだネェ」

【イドラデモン・アニヒレイト -28-:終わり:その-29-に続く

一話はこちらからどうぞ

まとめマガジンはこちらからどうぞ

弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
主にロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#小説 #パルプスリンガーズ #スーパーロボット #毎日更新

ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL