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イドラデモン・アニヒレイト -29- #ppslgr

細切れにちぎれ飛んだハート群の指先は、すぐさま収束し元のスキ生首の形態に戻っていく。だが受けたダメージは無かった事にならないのは明白だ。現にヤツのサイズは少しずつ縮んでいっている。

「今すぐ許しを請えば9割殺しで勘弁してやろうか」
「むぐぐぐぐぐ!誰が、誰がお前の様な老婆に負けるものか!」
「おやおや現実を受け止めれないたぁ、哀れだねぇ」

そのデカく赤い生首をなおも赤く紅潮させ、赤鬼めいて染め上がるハート群!

「お前ら!もっとスキを寄こせ!私が負けたらお前達の番だぞ!」

分別無く罵倒し殉教者を急かすと、包囲網を形成する者達は一心不乱にたいまつを掲げて祈りスキを巨大生首へと捧げていく。積み重なったスキにより、当初のサイズの倍程度まで風船のように膨れ上がるスキ生首!

「これで貴様らを残らずひき肉にしてやる!」

高らかに宣言すると今度は高速回転するミンチメーカー棒と化して敵対者に襲い掛かる!その数4対8本!挟まれ押しつぶされれば宣言通りボロクズミンチ肉化は避けられまい!まともに当たればの話だが!

「キシャーッ!」

人間の物とは思えない裂帛の気合が老婆の口から放たれると、振るわれた黒髪ワイヤー鞭が神話生物めいて迫りくるミンチメーカー棒を二本まとめて絡めとり締め上げる!獲物を捕らえる前に自身同士が衝突しへし曲がる棒!

「ウワーッ!」
「今度はもっと穏便な攻撃でお願いします!」

O・Mの方へと襲い掛かった高速回転棒だったが、やはりこちらも正確に放たれたキラキラレーザーのなで斬りでバラバラと20以上の残骸へとあっさり解体された!残り二対四本!

「ジジイーッ!貴様だけでもっ!」
「ワシャジジイちゃうぞ!」

サイドに回り込んで今度こそひきつぶそうとする棒に対し、J・Qが双手に握った蒼紅の斧が軌跡を描く!金属めいた強度のスキ製ミンチメーカーは、凍てつき燃え上がって砕け散る!残り二本!

「オノーレェーッ!」
「群体というアイデアは悪くないが、使いこなせていないのでは意味がなかったな」

やはり横から挟み撃ちを狙ってきた棒が迫る!俺は手品めいた早業で銃を戻すと、背の柄を握って抜刀ざまに水平回転斬り!射程内に入った棒を真っ二つに切断すれば、踏みとどまった反動で力任せに棒を叩き切り返す一太刀でもう片方もばっさりと斬り飛ばす!

「ヌワーッ!?」

一矢報いる事も出来ずカウンターで潰されたスキ生首は再度バラバラに戻って一か所に集まろうとするが、甘い。

左手に柄を移すと、抜銃からの早撃ちでもってしめる。撃ち出された弾丸は、ハチ一匹逃さない投網と変じてスキの群れを覆いつくし捕縛!網玉に捕らわれたスキ生首は一片も逃すことなく大地に転がった。

「さて」
「ちょっくら吐いてもらおうかねぇ……次の階段とかね」
「なんじゃ、まよっとったんかい!」
「こーうみょうに隠されてて、木偶の坊を辿っただけじゃ見つからんのさぁ」
「じゃあどっちみち私達も聞くしかないですね」

四人の厳しい目線が無力化したスキ生首神父に突き刺さる。今も必死に網を破ろうとしているが、如何せん充分な慣性が確保できない網の中ではどうする事も出来ない。

【イドラデモン・アニヒレイト -29-:終わり:その-30-に続く

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