イドラデモン・アニヒレイト -22- #ppslgr
木陰の奥より次々飛び掛かってくる暗緑色タコに対し、一発、二発と真空弾頭を撃ち放つ。ドリルの様に見えざる刃を備えた弾丸は逸れる事無く、タコのど真ん中に突き刺さってその柔軟な怪異体をバラバラに切断。冗談みたいなペンキめいた体液がまがい物の森林にまき散らされる。
「まるでニンテンドーのゲームみたいだな!」
「ありゃもっとキュートじゃろう!ここまでキモイ輩じゃあるめぇ!」
茂みを揺らし、草音を立てながら次々と奥につながる獣道の木陰より続々とタコの増援。複眼は鈴なりのブドウにも似てエメラルドに艶めき、木々の枝葉に絡みついて振り子運動強襲!ヒトデの捕食モーションを繰り出すタコのど真ん中に次々銃弾を撃ち込みインタラプト!
六発打ち切った時点で素早く薬莢を吐き出させ、懐から雑につかみ取った弾丸をねじ込み再装填。だが銃口を向けた先にタコはいなかった。消え失せたのだ。迷わずに引き金を引く。イメージするのはシンプルな散弾だ。
「シューッ!?」
僅か数メートル前にして、何かが空中から落下した重い音がする。続けて散弾をぶっ放せば、見えざる何かが立て続けにヒットストップに引っかかって落下!続いて銃口を不自然に草が歪む大地に向ける!
「O・M!多少雑でもいい!銃口を向けた先にレーザーを!」
「ええ!」
寸暇なく叩き込まれた五本の細いレーザーが地面を焼き焦がせば、蒸気とタコの肉片が視認できる。奴らは居なくなったわけではない、視認出来なくなったのだ。
「緑色の眼をした見えざる怪物、か」
「R・V!まだ来るぞい!」
「マーキングだ!」
この中で敵を見えるように出来るのは恐らく俺だけだ。先ほどの六発を打ちきるとさらなる弾丸を空っぽの穴にピタリとはめ込む。一見何もない木々の合間へと銃が向く……!
「プレデターごっこは、俺には通用しない」
三度銃口から解き放たれたものは、まるで空気に張り付くかの如くピシャリと飛び散った赤いペンキだ。それも並大抵の量ではない、全身余さず覆う程の飛沫がタコを赤く染め上げる。マーキングされた個体には、J・Qが振り上げた燃え上がる一撃が突き刺さっては即席ゆでだこに変える!
「目印は俺がたてる!」
「お願いします!私流石に見えない相手には当てられないから!」
「任せるぞい!」
情景の僅かな歪み、草の揺れ、そして乱雑に周囲を動き回る音。それらのヒントを頼りに、次々ペイント弾をタコへと撃ち込んでいく!まるで空気が血に染まったが如く塗りつぶされていく奇怪ステルスタコ!当然それで倒れる事もなく飛び掛かってくるタコに炸裂光弾による迎撃が突き刺さる!
「塗られただけで倒れてくれたらよかったんだがな!」
「そいつはゲームのやりすぎというもんじゃろう!」
「イカのゲームは未プレイだがね!」
二体、左右挟み撃ちを狙って触手を振り下ろす赤ダコを、J・Qがスウェイからのカウンター斬撃で凍てつき、焼き尽くす!聞き苦しい断末魔を挙げて痙攣するタコ軍団!
【イドラデモン・アニヒレイト -22-:終わり:その-23-に続く】
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