村松恒平

40年も前、月刊『宝島』編集者だった頃の約3年間のことを書いていましたけど、途中でめん…

村松恒平

40年も前、月刊『宝島』編集者だった頃の約3年間のことを書いていましたけど、途中でめんどくさくなり、いまは適当なこと書いてます。続きが読みたい人は言ってください。 書くお仕事します。依頼、各種連絡はmura@hiden.jpまでお願いします。

最近の記事

ジョン・レノンは『酔生夢死』だった。   オノ・ヨーコは強力な『魔女』だった

ジョン・レノンの映画『失われた週末』を見てきた。 これから書くことはその印象に基づいている。 たぶんに語り手であるメイ・パン側の視点から見ていることになる。 オノ・ヨーコがこの時期の映画を撮ったら全然違う話になるだろう。 しかし、彼女は反論の必要を認めないし、映画を撮らないだろう。 * 『酔生夢死』という言葉が好きだ。 悪い意味なんだけど。 酔って生きて夢の中で死ぬ。 いいなと思って自分のスローガンにしようかと思っていたけど、この映画を見てやめた。 『酔生夢死』はジョ

    • ⚫️ジョン・レノン『失われた週末』をなんで今さら見に行くんだろう?

      気になっていた映画。今、予約しました。 普通映画見てから感想を書くでしょう。 でも、見る前から書きたいモヤモヤが出てきているので素直に書き留めたい。 率直に書くと、僕はビートルズ・ファンであって、レノンのファンではない。 ビートルズは「現象」であったが、4人がセパレートしてしまえば、それぞれが一人の音楽家に過ぎない。 最初から1人であれば何の琴線にも触れなかっただろう。 ソロになってからの4人はぼやっと見ているだけだ。 解散といえば、とくに解散の引き金とも言われたオノ

      • たまーに哲学 🙆‍♀️ 秩序と混沌はボケとツッコミである。

        子どもの頃、宇宙のあらゆる物質・情報・事象をコンピューターに取り込むことができたら、世界は完全に予測できると考えていた。 家族に話すとそれに反対された。 人間の自由意志という観点からであったと思う。 今になると、宇宙の秩序の中にもさまざまな不確定要素が含まれていると思う。 量子力学の話など聞くと、デタラメな世界が秩序の中に含まれていると思う。 あるいはデタラメな世界の中に秩序があるのか。 世界を予測しようというプロセスそのものが、現実に干渉するということも起きるだろう。

        • Back Marketというところで、iphoneXR、126 C級品。25,000円で買ってみた!

          デジタル機器の世界では、自分の判断にまったく自信がない。 肝心のところが抜けているのではないかと心配だ。 また運次第ということもあるだろう。 これは中古品ではなくて、それを業者が使える状態に整備してくれたものらしい。 リファービッシュ品(整備済製品)という。 そしてC級品は(僕の読み方が正しければ)、中身ではなく、外見状の等級である。 しかし、クラスが下でもそれほどひどくないものもあるらしい。 このサイトはフランス人が始めたらしく、新品に比べていかにリファービッシ

        ジョン・レノンは『酔生夢死』だった。   オノ・ヨーコは強力な『魔女』だった

          ⚫️入院してなお自分で考え主体的であろうとした話 2

          *ロキソニンを捨てる 食後の薬は二種類出された。 ロキソなんとか。まあロキソニンでしょう。 もう一つは胃薬。 ロキソニンが胃に悪いから胃を守るために胃薬を飲めと。 こういうデリカシーのなさが嫌いだ。 Aという薬を飲むためにBという薬を飲む。しかし、Bという薬を飲むにはCという薬を飲まないとダメだ。CのためにD、DのためにE……。 もちろん実際には医師はBで止まるというだろう。しかし、理論的にはこの連鎖も許される。 投薬のための投薬という概念を容認している。 経験的に

          ⚫️入院してなお自分で考え主体的であろうとした話 2

          入院してなお自分で考え主体的であろうとした話

          *救急車で病院へ 今回、痛風で入院した。 両膝が痛く、立ち上がることもできなくなって、ついに生まれて初めて救急車を呼んだ。 S病院が範囲にあったので、お願いした。 病院では僕は痛風だと言っているのに、自己診断はあまり信用されず(痛風では何回も発作が起きているが医者にかかっていない)なぜか皮膚科と、整形外科がでてきた。 皮膚科の女医さんは、膝は痛風か偽痛風かもしれないと言ったが、足の甲は感染症の危険があると言った。 水虫から菌が入って、蜂窩織炎(ほうかしきえん)が起きている

          入院してなお自分で考え主体的であろうとした話

          生老病死

          老いや病気や死について書くことが好きだ。 というのは、それに直面したときにしか見えないヒトの断面が見えるから。 たとえば若いときに老いについて書こうとは思わないし、たぶん空疎なものしか書けない。 ニーチェに「病者のパースペクティブ(遠近法・眺め)」という言葉があり、印象に残っている。 老いや病は、主観的な視点の根拠である心身が特殊な状態にある。その状態でしか見えない世界がある。 死については僕には死者の観点から書くことはできないのは残念だ。 * ところが老病死に

          痛風はどう解いても痛い負け犬パズル。入院しました。

          久しぶりに病院に入院しました。 🏥には天使さんがたくさんいて、ワンダーランドでした。 5/9に🏥入り、本日5/15に退院しました。 久しぶりに暴飲暴食気味の歯止めが効かず、いつもの痛風です。 いつもと違ったのは両膝を同時にやられたことです。 痛風は僕にとって、「どう解いても痛い、負け犬パズル」です。 布団に寝ている状態から(ベッドだとかなり楽なはず)立ち上がる。 立ち上がる時に膝にどうしても体重がかかる。 そのとき激痛が来るのです。 だから両手の腕力を使ってなる

          痛風はどう解いても痛い負け犬パズル。入院しました。

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●映画編集に苦しみ悶える / 千里の道も一歩からだよ

          編集に苦しんでいる。 喉元過ぎれば熱さを忘れる、という。 病気が治れば、苦しい感覚を思い出すのは難しい。 今のうちに何が苦しいか書いておこう。 〈編集の基準とは何か〉 苦しい……といっても、編集自体は楽しい。 なんなら編集のセンスやら、才能やらは「ある」と感じている。 なぜその自己評価がでてくるかというと、「何がしたいか」はつねにはっきりしているからだ。 AとBのカットどちらがいいか、と聞かれればその場でつねに明確に選んでいける。 これは料理でいうと「味がわかる」という

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●映画編集に苦しみ悶える / 千里の道も一歩からだよ

          ⚫️高田馬場のラーメン屋で感心した話

          高田馬場、さかえ通りに「麺達うま家」というラーメン屋がある。 ここは安くてうまいと思う。 カウンターだけだが、安直で気軽に入れる。僕の知る限り、列をなしていることがない。 少し離れた池田屋という店は毎日長蛇の列である。僕は並ぶの嫌いなので入ったことがない。 安いといって、どれくらいかというと、750円でラーメンにライスがつく。 駅前の博多ラーメンはたしか500円で替え玉オーケーだったが、いまやメインは1000円近い感じになっている。 そういうご時世に安定している。 この日

          ⚫️高田馬場のラーメン屋で感心した話

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●いよいよ映画編集 / 木の中の仏様の話

          クランクアップしたばかりのときは、撮影後のやることの多さに溜息混じりだった。 それは前回の投稿を見ればわかると思う。 少なくとも映画完成までのプロセスは楽しもうと心を改めた。 映画作りは人生で最大のそして、この規模として最初の(そしてたぶん最後の?)道楽である。 道楽というと不謹慎に感じがするかもしれない。 まあ「道を楽しむ」が語義であれば、悪くもないでしょう。 ぶらぶらと一歩ずつ踏み締めて道を楽しもうと思う。 まず編集。 編集に「時間がかかる」ではなく、「時間をかける」

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●いよいよ映画編集 / 木の中の仏様の話

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●クランクアップ(撮影完了)!!  されど、意外にもちっとも解放感がない

          「ときたま映画日記」というタイトルで映画撮影にまつわるあれこれを書いていた。 これは僕を知っている人の多いFacebook用に簡単につけたものだ。 知らない人にも状況のわかるタイトルに改めた。 ** 2024年1月14日、映画はクランクアップした。 実景は少し追加撮影があるかもしれないが、役者さんの出るシーンは撮影完了。 シナリオ第一稿を書き上げたのがいつかよく覚えていないが、2021年の10月くらいではないかと思う。 撮影前、役者、スタッフが揃うまでにゴタゴタしたり、ロ

          70歳で初めて長編劇映画を撮る●クランクアップ(撮影完了)!!  されど、意外にもちっとも解放感がない

          ときたま映画撮影日記●低予算映画とモニターのこと

          前回の出張合宿ロケで何を撮ったのか、撮れたのか、はっきりしない。 屋外では映像のモニターがたいへんに見づらいのだ。 明るいところでは、カメラについている小さなモニターでは本当に見えない。 大型モニターなら少しましだが、取り回しがたいへんだ。 モニターはまず、こういうアングルで撮りますよ、とカメラの人が見せてくれる。 (今回の映画、僕は監督専業ではなく出演もしている。 脚本・監督・主演を全部初めてやる、という無謀な企画なのだ。 神をも恐れぬ所業である) 見せてもらってもああだ

          ときたま映画撮影日記●低予算映画とモニターのこと

          ときたま映画日記●ロケ終わった。

          5泊6日に渡るロケ合宿が終わった。 濃密な日々であった。 数々のうっすらとしたリスクをすりぬけて。 奇跡のように必要なカットを撮り終えた。 しかし、ある意味、必然ともいえる。 奇跡か必然か、どちらだかよくわからない。 ロケとはそういうものだろう(違うか?)。 長くない滞在の中で、雨が降った。 1日は朝ワンシーンしか撮れず。 翌日も雨で早朝からは撮れなかった。 最終日に、翌日にとってあった予備日は雨だと誰かが言い出した。 たしか晴れの予報だったはずだが。 天気は変わるものだ

          ときたま映画日記●ロケ終わった。

          ときたま映画日記●大失敗を含む3日間の撮影、終了しました

          まず大失敗の話から。 時間の読みが甘かった。全然足りない。 結果、2つのシーンの撮影がこぼれました。 なぜ読みが甘かったかというと、前回のロケが野外だったからです。 野外には照明という要素がない。 あってもレフ板その他くらい。 でも全然使わなかった。 今回の室内撮影では、照明が6割7割以上の要素を占めるのです。 倍以上の時間が掛かりました。 室内でもピカピカに明るい室内とかであれば、ある程度安定した照明でいいでしょうけれども、暗い部屋の設定が多いのです。 暗いと映像の画質

          ときたま映画日記●大失敗を含む3日間の撮影、終了しました

          ときたま映画日記●撮影初日

          第2期の撮影の初日です。 今日から3日間撮影。 映画の撮影というと、早朝から夜中までというイメージがあるかもしれません。 僕らの映画はあれこれの事情でそこまで詰め込む必要がありません。 昼くらいから浅い夜までの予定です。 そのあとたぶん飲む(笑)。 わくわくします。 あれこれ衣装や小道具、買ったり作ったり試したり、整えてきました。 いろいろ工夫しがいがあって楽しいものです。 たぶん見る人も楽しめるのではないかな。 撮ってみないとわかりませんが、ぼくらの映画はたぶん2時間を

          ときたま映画日記●撮影初日