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ゲーム歴史と随筆と・徒然なる話

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記事一覧

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(2)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(2)

続きです。

Gigamic社の「Inside」は、まちがいなく(1)で紹介した「平面的」コンポーネントによってゲーム内容の再現が可能です。
もっとはっきり言ってしまえば(1)でご紹介したZenithの4種のゲーム盤のうち三角形のやつを使えば遊べますよ、という事です。
Insideは現物を持っていないため、ルールは正確には知りません。「だいたいのルール」はこんな感じだそうです。

Inside 2

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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(3)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(3)

続きです。

とあるパズルの話をします。
ボドゲファンの皆さんには「パズル?じゃあ自分には関係ない。」として、切って捨てようと思った人もいるかもしれません。
でも、「新しいゲームアイデア」のネタとしてご利用いただける予感がしております。ぜひご参考にしていただければ&そのために、まずはお目通しいただかないと。と、希望する次第です。

さて、Smartgames社に「IQ-Perplex」というパズル

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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(4)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(4)

IQ-Perplexの続きです。

IQ-Perplexという名の3D的なパズルを平面化デザイン?するお話を前回はしました。
平面化したピース達をじっと見ていると、なんだかボードゲームを作りたくなってきます。

https://www.nestorgames.com/rulebooks/PENTUP_A5_JP.pdf

例えば、NestorgamesさんのPent-upやSevenのルールをその

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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(5)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(5)

IQ-Perplexの続きです。

とりあえずNestorgames社さんのPent-up類似品的ボードゲームの案が作れました。
しかし、ラジくまるはまだ、満足していません。

次は、パズルデザインのお話に変わります。
!!ご注意:これ以後は、すごいマニアックな「パズル設計の話」になります。ボードゲームのお話ではなくなります。

さて、Smartgames社作品「IQ-Perplex」での「立方体

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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(6)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(6)

IQ-Perplexの続きです。

意図的に、あえて触れずにここまで引っ張ってきたことがあります。
パズルで考えうるピース種の「総数」のことです。

例えば、有名な話として、ペントミノパズル(5個の正方形をくっつけた形状のパズルピースを使うパズル)では、全部で12種類のパズルピースがあります。そういう「ピース種類の総数」のお話です。

手始めとして、前回の記事(5)でご紹介した葉樹林さんのずれオミ

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面心立方格子をボードゲームに応用しよう(7)

面心立方格子をボードゲームに応用しよう(7)

「あそびをせんとや」という名前のサイトがあります。

ここの管理人さんは、「あやとり」と「パズル」に関して、すさまじい熱量で文筆していた方なのですけど、2024年2月時点には長期間休止中になっていました。
最後のページを拝見する限り、ご本職の方がとっても忙しくなってしまって何かを書く暇がなくなってるのかなあ?
それとも健康上の理由?と、心配していました。

が、なんと、PCの故障があり、復旧が大変

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バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(3)

バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(3)

一昨日から続く連作の3つめです。
記事の出典は「ゲームの世界 知と遊びの博物館」です。文献詳細は前々日の記事を参照ください。

出典原本「Games of the World」は、いちおうは、Frederic V. Grunfeldが書いた、という事になっています。しかしその実態は、ゲーム史に詳しい人たち、例えば Léon Viéさん達の文筆を、本人らの許諾を得たうえで編纂して使用している。とも、

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バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(2)

バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(2)

昨日の記事からの続きです。
今回の記事の出典は「ゲームの世界 知と遊びの博物館」です。文献詳細は前々日の記事を参照ください。

横道にそれますが、下の図で気になることがあります。
とにかく1600年~1800年は、ゲームを歴史書に記録しようなんて「酔狂な」人がいなかったせいで、下の図の2種類のボードが、主にどの地域で、主として何のゲームに使われていたのか、そもそもどっちが先に発明されたのか、すべて

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バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(1)

バンダイとプレイボーイとのコラボ(珍品)3号 追加情報発生!(1)

突然ですが、バンダイとプレイボーイとの珍品コラボ商品「ソリティア」について、重大な追加情報を書きます。

ゲームの世界 知と遊びの博物館 
1978年12月20日 日本ブリタニカ
フレデリック V グランフェルド編纂
清水哲夫 訳

原書:
Games of the World
Ballantine books, New York, September 1977.
Frederic V. G

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Feuille de route ロードマップ

Feuille de route ロードマップ

ラジくまるは、現時点で128日連続投稿を実現しています。
切りの良い数です。

10進数の128は
2進数表記で、10000000ですので。なんとなく、キリが良いのです。
16進数表記だと80だったりして、ちょっとボヤっとしてますけど。

そんなわけですので、キリがいいという事にちなんで、割込み記事を入れます。

私がnoteで書いてきた記事は、いままでの過去の経験&蓄積を消費するものばかりです。

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3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(1)

3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(1)

ドイツでは、ご覧のように変な形のゲームが売られています。
Das Spiel(日本語訳:ザ・ゲーム)

5種類のゲームが楽しめると添付マニュアルに書いてありますし、fan-madeのゲームが他にもいっぱいあるとか聞いています。
ただし、購入者たちのユーザーレビューを読む限り、多くのゲームは「運」まかせなのだそうです。つまりは Game of Luck が多めとのこと。
ちなみに、ラジくまるは、運だ

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3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(3)

3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(3)

いよいよ最後に、3D空間におけるサイコロの配置状態をお見せしましょう。今回の話は、最高にキモチワルイですよ。
(不快ではきそう・・というのではなくって、今まで自分が大事にしてきた常識と、これから示される図とが完全に乖離している、というキミノワルサです。)

まずは、化学の教科書とかで、面心立方格子ってのはこんな形状だ、なんて説明されつつ、よく載っている図をご覧ください。

図にはしっかりと「立方体

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3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(2)

3D立体ボードゲームを使って「立方最密充填」を学ぶ(2)

さて、続きです。
とりあえず、ゲーム盤のへこみにサイコロを置くとこうなるわけです。説明のため、ゲーム盤のくぼみはたった3個で図にしてみました。

これじゃあ、エッシャーのだまし絵ですよね。
どこが凸で、どこが凹か、見れば見るほどわからなくなります。見ているだけで、どんどん頭が混乱してきます。
とりあえず、図のなかに凸凹を書き加えましたので、なんとか頑張ってイメージしてください。

さて、Das S

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バンダイとプイレイボーイとのコラボ(珍品)2号(1)

バンダイとプイレイボーイとのコラボ(珍品)2号(1)

この時代(1980年頃)だけ、バンダイは「大人の男の子専用」ボードゲームという、たいへん珍しいジャンルの商品を販売していました。
昨日の記事に続きまして、2つめの紹介です。マンギンカという名前です。

色は真っ黒で重量感あるゲーム盤と、金色メタリックに輝く42本のペグ(まじ本物の金色合金でした。真鍮(ブレス)だったのかなぁ?)で、オトナ感が演出されていました。
小さな子供は、絶対に買うなよ!という

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