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オメガ3と血圧、睡眠不足と肥満、菜食とコレステロール、ストレスと聴覚過敏、糖の害、農薬と腸内環境、嗅覚とアルツハイマー、超加工食品と認知症・食事の質・筋力、野菜摂取とアトピー|8/13(日)〜8/19(土)医学論文&健康関連ニュースまとめ

8/13(日)〜8/19(土)にラハール公式X(Twitter)で紹介した、医学論文や健康関連ニュースをまとめました。

https://twitter.com/rahall_jp




【論文紹介】オメガ3は血圧を下げる


『Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids Intake and Blood Pressure: A Dose-Response Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials』

ドコサヘキサエン酸(DHA)やイコサペント酸(EPA)といった、オメガ3系のオイル(多価不飽和脂肪酸)を継続的に摂取していると、その量に応じて血圧が下がったよという論文です。
RCT71件のメタ解析。

高血圧や高脂血症の患者と高齢者に対しては、オメガ3の作用がより強力だったようです。
また、血圧低下のための最適な摂取量は、1日に2〜3gである可能性が高いこと、高血圧や高脂血症の患者では3gより多い方が良い可能性が高いことが示されました。

💭オメガ3脂肪酸の健康作用は他にも様々なものがあり、毎日の食事のぜひ取り入れたいですね。
ただ、何にでも適量はあり、米国心臓協会(AHA)は高容量摂取による不整脈リスク増加の可能性に鑑みて、1日の摂取量の目安を4g未満としていますので、これは参考にしていただくと良いと思います⚖️

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✅めんつゆや白だしと相性👌サラダにおすすめ

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睡眠不足と肥満


『Stanford study links obesity to hormonal changes from lack of sleep(スタンフォード大学の研究によると肥満は睡眠不足によるホルモン変化と関連する) 』

✅スタンフォード大学の公式ニュース記事

✅睡眠不足の人は、食欲を増進するホルモンレベル⬆️、満腹感を伝えるホルモンレベル⬇️、BMI⬆️
✅睡眠時間が2〜4時間の人は、一般的な睡眠時間の人より肥満になる可能性が73%高い
✅睡眠時間が8時間未満の人は、睡眠時間の減少とBMIの増加が比例する

✅適切な睡眠時間を取ることは、肥満の予防と治療に重要である可能性

💭日本は世界の中でも睡眠時間が短い国で、肥満率は増加傾向にあります。
食事も運動も全く変えなくとも、睡眠時間を増やすだけでも減量に繋がる可能性がありますから、お腹周りが気になるという方は、ぜひタイムスケジュールを見直して、睡眠時間を長くしてみていただけたらと思います😴

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【論文紹介】菜食はコレステロールを下げる


『Vegetarian Dietary Patterns and Cardiometabolic Risk in People With or at High Risk of Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-analysis』

心血管疾患(CVD)のリスクが高い人(2型糖尿病患者含む)と菜食の関連を調べたら、菜食は有意な体重減少とLDLコレステロール(LDL-C)及びHbA1cの改善と関連していたよという論文です。
オーストラリアの1,878人の参加者を含む20件のRCTのメタ解析。

調査に含まれた菜食の種類は、完全な菜食(植物性食品のみ)、乳卵菜食(乳製品と卵+菜食)、乳菜食(乳製品+菜食)でした。
他の食事方法と比較して、菜食を平均で6ヶ月摂取すると、LDL-C、HbA1c、体重がそれぞれ低下しました。最も体重が減少したのはCVD高リスク者、次が2型糖尿病患者でした。

💭差し当たって、心血管疾患や糖尿病の高リスクの人に関しては、短期的に菜食あるいは菜食中心の食事を取り入れてみるのは、体の状態をより良くするために役立つのではと思います🥗
魚乳卵菜食や鶏魚卵菜食といった、より緩い菜食の方法もあり、取り組みやすいのでおすすめです🐟

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【論文紹介】慢性ストレスと聴覚過敏


『Chronic stress induced loudness hyperacusis, sound avoidance and auditory cortex hyperactivity』

聴覚過敏や聴覚野の活動亢進などの聴覚の異常と慢性ストレスの関係を調べたら、慢性ストレスが副腎の不顕性の機能不全を起こし、それが聴覚過敏などを誘発する可能性があったよという論文です。

💭副腎はストレスを感じるとホルモンを分泌してストレスに対応しようとしますが、それが長期で続いて慢性化すると弱ってしまうわけですね。
聴覚過敏が、心のダメージが体のダメージになる心身症の一種である場合もある、という認識は、治療に際して重要だと思います👂

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【論文紹介】糖の摂取と疾患リスク


『Dietary sugar consumption and health: umbrella review』
https://www.bmj.com/content/381/bmj-2022-071609

糖類と健康の関係を調べた系統的レビューとメタ解析を対象としたアンブレラレビューで、糖の摂取量が多いことはさまざまな疾患のリスク増加と関連し、健康に対して有害であることが示されました。

加糖飲料の摂取量は、体重増加、異所性脂肪蓄積、脂肪肝、痛風、冠状動脈性心疾患、心筋梗塞、肝細胞がん、抑うつ、総死亡などのリスク増と関連していました。
また、果糖の摂取増に伴い膵臓がんのリスクが高まりました。

💭塩分の摂りすぎに気を付けている人は多いですが、糖分の摂りすぎに関しては、それよりは気にしていない人が多いように思います。
どんな食品も適量が肝心。加糖飲料はなるべく避け、甘いものは体への負担の少ない範囲で楽しみたいですね🥤

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農薬摂取と腸内環境


『日常的な農薬摂取が及ぼす腸内環境への影響、名古屋大学などがヒトで確認 』

✅有機リン系殺虫剤の曝露(摂取)量が多くなると、腸管免疫制御などに寄与している便中酢酸濃度が低下
✅日常的な農薬曝露と腸内環境の関係を、ヒトで初めて調査
✅動物では農薬の腸内環境への影響が次々に報告されている

💭ヒトにおいても、農薬は腸内環境にとって悪影響を与えている可能性があることが、ある程度はっきり分かりました。
長期的な影響や、子供さんや妊婦さんへの影響など、今後行われるであろう研究にも注目していきたいですね📈📉

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【論文紹介】嗅覚低下とアルツハイマー


『Association of APOE ε4 Status With Long-term Declines in Odor Sensitivity, Odor Identification, and Cognition in Older US Adults』

アルツハイマー病関連遺伝子「ApoE-ε4」を持っている人は、認知機能の低下に先行して、より若い年齢で嗅覚が低下していたよという論文です。
嗅覚テストは将来の認知機能障害を予測するのに役立つ可能性があります。

ApoE-ε4保有者は嗅覚の低下が65〜69歳で明らかでしたが、非保有者は75〜79歳になるまで嗅覚の低下は現れませんでした。
今後の研究で、加齢に伴う神経変性における嗅覚の重要性が解明されるだろう、と著者は述べています。

💭聴覚については、高齢の家族がテレビの音量を大きくするようになったことで耳が悪くなって来ていることに気づく、というのはよくある話です。
嗅覚についても、フレグランスなどをそれまでになく強く香らせるようになってきたら、要注意かもしれません💐👃

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【論文紹介】超加工食品と認知症


『Association Between Consumption of Ultraprocessed Foods and Cognitive Decline』

超加工食品と認知機能低下との関係を、超加工食品の摂取量ごとに1万775人を4群に分けて調べたところ、摂取量が多い群では包括的認知機能低下の速度が28%速く、実行機能の低下速度は25%早かったことが分かりました。

この研究結果は、超加工品の摂取を制限するという、現在世界的に取り組まれている公衆衛生上の推奨を裏付けるものだと著者は述べています。

💭超加工食品とは、簡単に言うと家庭で作れない又は作るのが困難な、加工度の高い食品のことで、冷凍食品やインスタント食品はその代表です。
概ね糖分や塩分が多く、体に害のある可能性の高い添加物が含まれます。
認知機能だけではなく体全体の健康のために、なるべく避けると良いのではと思います🍱

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超加工食品と食事の質

『日本人成人における超加工食品の摂取量と食事の質との関連』

https://research-er.jp/articles/view/121853

✅日本人388人を対象に超加工食品の摂取量と食事の質との関連を調査
✅超加工食品を多く食べている集団ほど、Healthy Eating Index-2015及びNutrient-Rich Food Index 9.3の合計得点が低い、つまり食事の質が低い

✅超加工食品:複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品で、脂質やナトリウムを多く含む一方、たんぱく質や食物繊維、ビタミン・ミネラル類の含有量が少ない
✅日本人の超加工食品からのエネルギー(カロリー)摂取量は、1日の総エネルギー摂取量の 3~5割を占める

💭インスタント食品だけではなく、ファストフード及び清涼飲料水や、ソーセージやハムなどの加工肉も、超加工食品に含まれます。
健康のためには、こうした栄養価が低い一方で体の負担になりやすい食品の摂取に要注意ですね🥤🍔

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【論文紹介】超加工食品と筋力


『The consumption of culinary preparations and ultra-processed food is associated with handgrip strength in teenagers』

家庭の食事に含まれる食品の加工度合いと握力の関係を調べたら、未加工か加工度が低い食材(料理の材料など)の摂取量が多く、超加工食品(添加物や防腐剤等が含まれやすい工業生産の食品)の摂取量が少ない人は、握力が強かったよという論文です。

摂取量別に「多い・中程度・少ない」の3群に分けて調査したところ、

・男性は、加工度が低い食品の摂取量が多いほど握力が強く、超加工品の摂取量が多いと握力が弱かった
・女性は、加工度が低い食品の摂取量が多いと握力が強かった

とのことでした。

加工度の低い食品の摂取量を増やし、超加工品の摂取量を減らすことが、筋力の向上と維持に役立つ可能性があります。
尚、調査対象者は10代の若者2,433人(そのうち女性は52.1%)でした。

💭握力はただ手を握る力を示すだけではなく、全身の総合的な筋力と関連していることが、多くの研究から分かっています。
超加工品の摂取をなるべく減らして食事の質を上げることは、からだ全体の筋肉を養い、健康な肉体を作るために重要と言えそうです💪

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妊娠中の野菜摂取と子のアトピー


『妊娠中の野菜摂取が乳児のアトピー性皮膚炎を予防する可能性 〜出生コホート研究における血中・母乳中カロテノイドの解析〜』

✅母子のカロテノイド濃度の低さが、1歳時のアトピー性皮膚炎(AD)の発症と関連
✅AD発症に、野菜や果物の摂取量が関連している可能性

✅母親の血中ルテイン濃度の低さと1歳の子の血中リコピン濃度の低さがADと関連していた
✅乳児期のアトピー性皮膚炎はその後のアレルギー性疾患とも関連
✅ヒトはカロテノイドを⽣合成することができないため、野菜や果物などから摂取する必要がある

💭アトピー性皮膚炎は腸内環境との関連が報告されていますが、野菜や果物などをバランス良く食事に取り入れることは、腸内環境の改善に繋がります。
妊娠中及び授乳中のお母さんの食事や子供さんの離乳食に、野菜や果物をより多く含めることは、アトピー性皮膚炎の予防や治療に役立つかもしれません🥬🍅

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