ダークメード

Smart Strileと同じ生年月日の20代で競馬ファン歴20年目です。毎回過去の1…

ダークメード

Smart Strileと同じ生年月日の20代で競馬ファン歴20年目です。毎回過去の1レースを紐解きながら、膨大に積み重なった競馬の歴史を1ページずつ学んでいきます。21世紀の競馬しか経験していませんが、昔のことを堂々と語っている点は生温かく見守って頂けると幸いです。

最近の記事

第27回宝塚記念(1986年) [競馬ヒストリー研究(50)]

1960年に、有馬記念を模してファン投票で出走馬を選出するドリームレースとして創設された宝塚記念。歴代優勝馬には、シンザンやテイエムオペラオー、ディープインパクト、オルフェーヴルといったチャンピオンホースや、コダマ、ハイセイコー、トウショウボーイ、サイレンススズカなど、時代を駆け抜けたスターホースの名が連なっている。 その中において、宝塚記念、ひいては歴代のGI競走でもかなり異質に映る勝ち馬と言えば、1986年に当レースを制したパーシャンボーイではないだろうか。 パ

    • 第126回ゴールデンジュビリーS(2005年) [競馬ヒストリー研究(49)]

      シャフリヤールが出走し、日本でも馬券発売が行われたプリンスオブウェールズSは終了したが、ロイヤルアスコット開催は6月18日土曜日まで続く。その最終日のメインカードは日本のグレナディアガーズが出走するGIプラチナジュビリーS。 昨年までの10年間は「ダイヤモンドジュビリーS」という名称で施行され、エリザベス女王の即位70周年を記念して「プラチナジュビリーS」に今年から改称された当レース。1937年から2001年までは「コーク&オラリーS」という名称であったが、2002年にGI

      • 第119回プリンスオブウェールズS(2012年) [競馬ヒストリー研究(48)]

        今年も6月14日から18日の5日間にかけて英国のアスコット競馬場で開催されるロイヤルアスコットミーティング。英国王室が主催し、その荘厳さと華やかさは世界でも有数のビッグイベントであることは最早説明不要であろう。まさに競馬発祥の地に相応しい競馬開催と言える。 2日目の15日に施行されるプリンスオブウェールズSは芝9F212y(約10F)で行われ、総賞金は100万ポンドと開催中最高額を誇ることから、例年開催全体の目玉と言える競走となる。 2000年からGIに昇格するとともに出

        • 第50回安田記念(2000年) [競馬ヒストリー研究(47)]

          ジャパンC以外のGI競走では最も早い1993年から外国調教馬の出走が認められ、春のGIでは最も国際色豊かなレースであった安田記念。参戦表明だけで話題を呼んだ24戦21勝の香港馬Golden Sixtyは残念ながら回避してしまったが、今回は香港馬が制した往年の安田記念を振り返りたい。 2000年の安田記念は、前年1999 年の春秋マイルGIを制したエアジハードがターフを去ったこともあり大混戦ムードとなった。 前哨戦の京王杯スプリングCを1,2着した、4歳牝馬のスティン

        第27回宝塚記念(1986年) [競馬ヒストリー研究(50)]

          第63回東京優駿(1996年) [競馬ヒストリー研究(46)]

          昨年の日本ダービーを制したのはこれがキャリア4戦目であったシャフリヤール。近年は早い段階で出走するに足る賞金を確保し、間隔を開けて出走するローテーションが主流となっているが、その近年だけでも前走がクラシック一冠目以前という馬は同馬を除いて悉く人気を裏切っていた。 当レースを2歳戦が行われるようになった戦後以降に最小キャリアで制した馬と言えばデビュー3戦目のフサイチコンコルドであるが、今回は同馬のバックボーンを紐解きながら現代の競馬にも通ずる大記録の秘密を探っていきたい。

          第63回東京優駿(1996年) [競馬ヒストリー研究(46)]

          第82回優駿牝馬(2021年) [競馬ヒストリー研究(45)]

          昨年2021年のオークスを制したのはユーバーレーベン。同年の3月19日に死去した岡田繁幸氏が代表を務めたビッグレッドファームで生産され、サラブレッドクラブ・ラフィアンが所有する同馬の劇的な勝利で競馬ファンが大きな感動に包まれたことは記憶に新しい。 岡田繁幸は1950年に北海道静内町で牧場を営む岡田蔚男の長男として生まれた。家業を継ぐために日本大学獣医学部へ進学するも、結核を患い中退。だが馬産への情熱を失うことなく単身渡米して修行した。 帰国して実家の牧場へ戻るも、"

          第82回優駿牝馬(2021年) [競馬ヒストリー研究(45)]

          第6回ヴィクトリアマイル(2011年) [競馬ヒストリー研究(44)]

          昨年のヴィクトリアマイルを制したのはGI4勝(当時)のグランアレグリアで、一昨年の優勝馬はこれがGI7勝目となったアーモンドアイ。いずれもGIとしては圧巻の勝ちっぷりで強さを見せつけたことは記憶に新しい。 アーモンドアイが制した2020年のレースには当初グランアレグリアも出走を予定していたが、熱発のため回避。ヴィクトリアマイルで実現する見込であった初対決は後の安田記念へと流れた。 レース創設と時を同じくして日本競馬における牝馬の活躍が増え、歴代優勝馬にも牡馬混合のGIでも

          第6回ヴィクトリアマイル(2011年) [競馬ヒストリー研究(44)]

          第129回ケンタッキーダービー(2003年) [競馬ヒストリー研究(43)]

          日本時間の5月8日早朝には、日本からクラウンプライドが出走するケンタッキーダービーが行われる。改めて説明するまでもなく、”The Most Exciting Two Minutes in Sports”(=スポーツの中で最も偉大な2分間)と称されるケンタッキーダービーと言えば、競馬ファンのみならず全米の注目を集めるアメリカ競馬最大のビッグイベントである。 歴代優勝馬にはNorthern DancerやSecretariat、Sunday Silenceなど日本の競馬ファンに

          第129回ケンタッキーダービー(2003年) [競馬ヒストリー研究(43)]

          第147回天皇賞(2013年) [競馬ヒストリー研究(42)]

          日本国内でこのように言われることは少ないが、春の天皇賞は世界トップか、少なくとも三本の指に入る有数の長距離戦である。IFHA(国際競馬統括機関連盟)が毎年発表する、年間レースレーティングを基にしたランキング「世界のトップ100GIレース」では、距離コラム「E」(Extended=超長距離)の競走の中で最上位にランクされることが多く、2017年には全体12位タイという順位も記録している。 1972年から1999年までの間外国産馬が出走できず、外国調教馬が出走できるようになった

          第147回天皇賞(2013年) [競馬ヒストリー研究(42)]

          第9回福島牝馬S(2012年) [競馬ヒストリー研究(41)]

          2011年3月に発生した東日本大震災による被害で同年春の福島競馬は開催中止となり、開催の目玉レースである福島牝馬Sは新潟競馬場へ移設された。翌2012年4月、丸1年に及んだ開催の休止を経て福島競馬は再開。「福島復興祈念競馬」として開催され、その初日にはセレモニーも実施されるなど、競馬に携わる人々にとっての復興へと歩む道標となった。 そして、またしても地震の影響で10年前と同じく春の開催が中止となり、新潟で代替開催となった昨年2021年の福島牝馬S。今年も3月に発生した地震の

          第9回福島牝馬S(2012年) [競馬ヒストリー研究(41)]

          第79回皐月賞(2019年) [競馬ヒストリー研究(40)]

          クラシック一冠目の皐月賞。柏木集保氏がしばしばこのような例えを用いて語ることがあるが、皐月賞まではトーナメント戦であり、2歳戦から続く世代限定戦を通じてそれぞれの道を勝ち上がった馬が初めて一堂に会するという点がこのレースの醍醐味なのではないだろうか。その面白さを存分に感じられるレースの一つが2019年の皐月賞だ。 皐月賞を迎える前から、この年のクラシック戦線で中心と見られていたのがサートゥルナーリア。デビュー2連勝で臨んだ前年暮れのGIホープフルSを余裕の手応えで制し

          第79回皐月賞(2019年) [競馬ヒストリー研究(40)]

          第35回桜花賞(1975年) [競馬ヒストリー研究(39)]

          記憶に新しい昨年の桜花賞を制したのは純白のアイドルホース・ソダシ。世界初となる白毛馬によるクラシック制覇という偉業や、春の陽光を全身に浴び、光り輝く真っ白な馬体の美しさには誰もが目を惹かれたことであろう。 だが、それらと同じくらい度肝を抜いたのは、ハイペースを堂々と好位3番手で追走し、直線も脚色が衰えることなく1分31秒1のレコードで駆け抜けた同馬のスピード能力であった。そして、桜花賞で類まれなスピードを見せつけた馬と言えば、我々よりもっと上の世代にとってはこの馬の名前が上

          第35回桜花賞(1975年) [競馬ヒストリー研究(39)]

          第54回産経大阪杯(2010年) [競馬ヒストリー研究(38)]

          今年でGIに昇格して5回目を迎える大阪杯。重馬場で行われた昨年は1番人気の三冠馬コントレイルが3着に敗れ、GI初挑戦の上り馬レイパパレが優勝したことは記憶に新しい。 天皇賞春等のGIへ向けて殆どの有力馬が休み明けで出走してくるGII時代から時に大番狂わせが起きるレースでもあり、前年に8戦全勝を誇ったテイエムオペラオーが単勝オッズ1.3倍に推されるも4着に敗れた2001年のレースなどは有名だ。 今回ご紹介する2010年の一戦もその一つ。この年は前年に宝塚記念と有馬記念

          第54回産経大阪杯(2010年) [競馬ヒストリー研究(38)]

          第1回ドバイワールドC(1996年) [競馬ヒストリー研究(37)]

          世界最高賞金を誇り、鳴り物入りでスタートしたサウジCは創設3回目を数え、日本馬が4勝と大活躍した今年は過去最大の注目度となった。しかし、やはり中東の競馬を象徴するビッグイベントと言えばまだまだドバイミーティングの存在は大きい。 創設から四半世紀以上経ち、中東はおろか世界の競馬シーンの中で完全に定着した大きな要因の一つは、1996年に行われた記念すべき第1回のドバイワールドCにこの馬が出走し、勝利したことであることは間違いないだろう。そうとまで言わしめる90年代の米国競馬にお

          第1回ドバイワールドC(1996年) [競馬ヒストリー研究(37)]

          第23回ファルコンS(2009年) [競馬ヒストリー研究(36)]

          2012年に新装された中京競馬場の芝1400mで施行されるようになって10年が経ったファルコンS。昨年は朝日杯FS勝ち馬のグレナディアガーズがNHKマイルCへのステップとして出走し、GI馬の参戦は距離が1200mに短縮された1996年以降で初のケースであった。 一昨年も2着のラウダシオンがNHKマイルCを制するなど、前哨戦としての重要度が高まっている当レース。そこで今回は歴代優勝馬で唯一本番のNHKマイルCも制したジョーカプチーノが勝った2009年のレースを振り返りたい。

          第23回ファルコンS(2009年) [競馬ヒストリー研究(36)]

          第20回中山牝馬S(2002年) [競馬ヒストリー研究(35)]

          3月12日土曜日には中山競馬場で中山牝馬Sが行われる。同レースと言えば、一昨年は3月半ばとは思えない雪の中で、昨年は大雨の中で行われ、2年連続不良馬場での施行となったことは記憶に新しい。この時期の中山は悪天候に見舞われることが多く、1986年以降に芝の重賞が2年連続不良馬場となった4例中3例が3月の中山開催に集中している。 今回はそんな気分も晴らすようなパンパンの良馬場で行われ、ステークスレコードも記録した一戦を振り返りたい。 2002年の中山牝馬Sはこの路線のハン

          第20回中山牝馬S(2002年) [競馬ヒストリー研究(35)]