見出し画像

第54回産経大阪杯(2010年) [競馬ヒストリー研究(38)]

今年でGIに昇格して5回目を迎える大阪杯。重馬場で行われた昨年は1番人気の三冠馬コントレイルが3着に敗れ、GI初挑戦の上り馬レイパパレが優勝したことは記憶に新しい。

天皇賞春等のGIへ向けて殆どの有力馬が休み明けで出走してくるGII時代から時に大番狂わせが起きるレースでもあり、前年に8戦全勝を誇ったテイエムオペラオーが単勝オッズ1.3倍に推されるも4着に敗れた2001年のレースなどは有名だ。

 

今回ご紹介する2010年の一戦もその一つ。この年は前年に宝塚記念と有馬記念を制したドリームジャーニーが出走。同馬は前年にこの大阪杯も優勝しており、前走に京都記念を使い休み明けではなかったこと、他にGI級の出走馬がいなかったことなどから、01年のテイエムオペラオーを超える単勝1.2倍というレース史上最高の支持を集めた。

他の出走馬は、前年の夏に札幌記念で二冠牝馬ブエナビスタを破ったヤマニンキングリー、OP入りしてから3戦とも芝2000mの重賞で堅実な走りを見せていたサンライズベガ、前年の皐月賞で4着し、近2戦で復調気配を見せていたシェーンヴァルトあたりが単勝人気では続いていたが、いずれも10倍を超えるオッズを示し、完全にドリームジャーニーの一強と言える勢力図であった。

 

いつものように立ち遅れ気味のスタートからドリームジャーニーは後方を追走。レースは淀みなく流れ3角からペースアップ。最低人気のフィールドベアーが逃げ馬を早目に交わして先頭で直線を向き、4角から一気に進出したドリームジャーニーは直線大外から追い上げるも、併走したゴールデンダリアを交わすことも出来ず3着に敗れた。

勝ったのは6番人気のテイエムアンコール。道中は好位集団の先頭に位置し、抜け出しを図るフィールドベアーを直線坂下で捕らえると後続の追撃も完封した。

ちなみに、勝ったテイエムアンコールは前走不良馬場で行われ大荒れとなった中山記念で2着していたが、同日に中山で行われたダービー卿チャレンジTでは同じ中山記念で3着していたショウワモダンが勝利。共に道悪での好走をフロック視された伏兵が同じ日に東西の重賞を席巻するという結果となった。

 

GIとなった現在でも、王道とも称される古馬戦線の一年を占う一戦というポジションにあることから、有力馬の始動戦として最も注目を集めるレースと言っていいこの大阪杯。

トウカイテイオーのように快勝する有力馬が現れればその年の競馬を楽しむ軸とも言うべき中心馬として期待が持てる一方で、昨年や2001年のように敗れることがあれば群雄割拠、新たなヒーローの登場を期待することもできることであろう。楽しみな一戦が今年も幕を開ける。


昨年の年度代表馬エフフォーリアが始動する今年の大阪杯。いよいよ春シーズンも本番です。パーフェクトに近い戦績だけに死角を探すのは難しいですが、今回の注目点はやはり初の関西圏での出走ということでしょうか。

昨年の覇者レイパパレは2000mに戻った前走うまく折り合ってこれまでと少し変わったイメージの競馬を見せました。やはりこの距離でこその馬です。ヒシイグアスの香港Cは外枠でなければ勝っていた可能性も十分と言える走りでした。こちらも含めて香港遠征を断念せざるを得なかった組には少し肩入れしたい気持ちもあります。


それではー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?