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あらすじ

連作小説シリーズのあらすじです。
いったん完結してますが、他の短編等も本シリーズと世界観を共有しています。

①「神様と11人の私」(主役:悠里姫)
https://note.com/ra_wa/n/n4bec367bbfd7 
 繊細で独特の思考回路を持つ中学生の悠里姫(ユウ)は、好きな人が自分の友達に想いを寄せていることを知ってショックを受け、自分の世界に籠るようになる。

 ユウは逃避と想像で生み出した理想の男の子『キリ』とのやり取りに溺れながら、そうしている自分を冷ややかで悲しそうに見つめる「神様」の視点をどこかで感じ続ける。

 現実と想像の境目があいまいになる中、ユウはキリに演奏をプレゼントし、自分と神様にしかわからないキリとの物語に区切りをつける。

主な登場人物
悠里姫(ユウ):主人公。
キリ:ユウが妄想で作り出した『友達』。
梁瀬ヒナノ(やなせひなの):ユウの友達。
吉井信二(シン):ユウの想い人。


②「おひめさまには内緒のはなし」(主役:梁瀬ヒナノ)
https://note.com/ra_wa/n/n83f26f11427b 
 中学校に入学した日、ヒナノは変人のユウと友達になった。嫌でも目立つユウに複雑な感情を持ちつつ、ヒナノは『ユウちゃん係』として面倒を見てあげていた。

 ちょっとしたすれ違いから、ユウは自分の世界に籠ってしまう。ヒナノは彼女がさらに意味不明な場所へいなくなっていくことをやりきれなく思い、シンと一計を案じることにする。


③「弟子と私の浅夢くずし」(主役:悠里姫)
https://note.com/ra_wa/n/n4b69c39f5444 
 高校2年生となったユウは、中学時代の部活の後輩の木立由芽(ゆめ)に懐かれる。ユウは彼女をあまり知らないでいたが、中学からの自分のファンだという由芽の様子に振り回されつつ、先輩らしいことができないかと彼女なりに奮闘する。

 ある日、元気に頑張っていた由芽が孤立しているところに声をかけると、愚痴を聞かされ、「さらってください」と冗談めかして頼まれる。次の日、彼女は手首を切っていた。
ユウは自分の演奏に共鳴する人に、ある共通項があることに気づいていた。

主な登場人物
悠里姫(ユウ/姫):主人公。中学よりは比較的丸くなっている。
木立由芽(きだち ゆめ):中学時代からのユウの部活の後輩。
東子道(トンコ):由芽の同級生。卑屈で他罰的。
森中直子(ナオコ):ユウの同級生。
梁瀬ヒナノ(ヒナノ):ユウの友達だが、別の高校に通っている。 


④「迷走少年」(主役:吉井信二)
https://note.com/ra_wa/n/n228dc21461ff 
 ユウたちの中学時代に時間は戻る。自分だけの「なにか」を追い求めていたシンは、部活にユウを誘うこととする。他にない世界観を持つ彼女の音に友人として魅かれつつも、どう接してよいかわからずエネルギーを奪われる日々を過ごす彼にとって、癒しとなる存在は彼女の友人のヒナノだった。

主な登場人物
吉井信二(シン): 思春期。
悠里姫(ユウ):シンのクラスメイトの有名人。思い込みが激しい。
梁瀬ヒナノ(ヒナノ):クラスメイトで、ユウの友達。面倒見がよい。
栗原美月(ミツキ):一つ下のシンの従妹。強気で攻撃的。
有馬海(カイ):シンの親戚のお兄さん。大学生教職を目指している。
久田(ひさた):部活の同学年。シンとはそりが合わない。
谷 (たに):部活の同学年。影が薄い。


⑤-1【シャーペン暴風記】
(主役:栗原美月)
https://note.com/ra_wa/n/n3feaae56b4bb 
 ユウ、14歳。中学2年の終わりごろ。とりあえず塾を見学しようとした彼女は、シンの従妹のミツキとすれ違う。
 ユウを敵視するミツキは、イライラしながら出かけたアクセサリー店でヒナノと出会い、一方的に思いのたけを告げ、仲良くなる。気持ちを整理したミツキは塾に戻り、小学生時代のドジな友人へ将来の夢を宣言する。

⑤-2【シャーペン奮闘記】(主役:松崎草太)
 要領が悪い小学生の松崎草太(ソータ)には、テストの点数しか人と戦えるものはなかった。努力の末に1番を取ったのもつかの間、途中入塾のミツキに1番を取られてしまう。
 自分のような人間にライバル宣言をする彼女の姿を追いかけるうち、彼はこれまで漠然としていた努力に一つの指針を見つける。

主な登場人物
栗原美月:シンの一つ下の従妹。中学受験し、私立の中学に通っている。
松崎草太:ミツキの小学時代の塾の友人。ユウ達と同じ公立中に通う。 


⑥「リトル・スーサイド」
https://note.com/ra_wa/n/n7ab8d4ecd2e0 
 高校でユウが由芽と破局した後、傷が冷めやらぬまま彷徨う由芽は不審者と接触する。通りがかったシンが由芽を保護し、彼の兄貴分であるカイに問題解決を依頼する。

主な登場人物
コガラシ:不審者。精神的に不安定な人をえぐることで自分と同じ落伍者を増やしたいと考えている。
木立由芽:リストカッター。自殺未遂の後、不登校ぎみ。
吉井信二(シン):高校生。中学での由芽の先輩にあたる。
有馬海(カイ):新任教師。有休をとり、シンの家に厄介となっている。
飛倉(とびくら):カイの友人。カウンセラー志望の大学院生。
白瀬(しらせ):コガラシの学生時代の友人。過去、彼に好かれ破滅させられる。


⑦「ある後日談のポストカード」(主役:木枯タク)
https://note.com/ra_wa/n/naa7216b6269e 
 カイとユウに敗走したコガラシは、逃げた先で道楽社長に拾われる。住み込みのアルバイトの中で、伊織蒼(いおりあお)という生きにくい性質を抱えた年下の先輩と交流しつつ、自分がしたかったことを見つめなおし、生きなおすこととする。

主な登場人物
 伊織蒼:ハンディカップを抱えて働く素朴な青年。カイと飛倉の学生時代の友人でもある。色鉛筆で絵を書くのが得意。
 木枯タク: 新人。全てに苛立ちを感じている。
 水畑次郎:『じろう畑』社長。変な人を拾うのが趣味。
 唐錦燎(リョウ):蒼とコガラシの先輩。


⑧「オルタナティブ」(主役:悠里姫)
https://note.com/ra_wa/n/nfbe4863614f3 
 大学生になったユウは、普段使わない講義棟をうろつくうちに『自殺相談所』という看板の部屋にたどり着く。道を聞こうとその扉を開いた先で、彼女は狭霧敦(さぎりあつし)という、キリそっくりの青年に巡り合う。かつての妄想が思い出から飛び出してきたような彼に、ユウは恋をして失恋をする。

主な登場人物
 悠里姫(ユウ/姫):大学生。文学部。
 狭霧敦(サギくん/キリ):不真面目な大学生。『自殺相談所』部長。
 浪路加代子(カヨ):『自殺相談所』の部員。狭霧の妹分で、仲良し。
 ユースケ    :狭霧の親友で、故人。カヨの兄。


⑨「箱入りの声」(主役:有馬海)
https://note.com/ra_wa/n/n8c4a5fca9f03 
 自殺相談所の活動を楽しむユウのもとに、シンの兄貴分の有馬(カイ)から突如連絡が入る。要領を得ない有馬の話を、彼女は気分が悪いと受け流して終わる。

 かつて有馬は教育実習で、小夜子(さよこ)という少女を教えていた。いじめられっ子の彼女は神様から、「15歳になる前に死ぬ」と告げられたという。箱入りになった彼女の想い出と、後悔を彼は思い起こす。

主な登場人物
 有馬海(カイ):実習生。正義感が強く、空気が読めない。
 衣笠小夜子:中学生。有馬に懐いている。
 飛倉茉莉 :有馬の学生時代の友人。
 下原凛奈 :中学生。いじめっ子。
 石野木  :中学生。クラスの人気者の男子。


⑩「木石にあらず」
(主役:梁瀬ヒナノ、浪路加代子)
https://note.com/ra_wa/n/n2f64c184f464 
 大学生になったヒナノは、最近彼氏との関係が悪化していることを感じて友人の美月に相談していた。美月は憤慨し、自信がないヒナノのために奔走する。
 その彼氏である石野木立夏(いしのきりっか)は、ユウたちのもとを去った浪路加代子(カヨ)に取りつかれていた。美月は相方のソータの提案を受け、葛藤の末に『毒をもって毒を制す』ことにする。

主な登場人物
 梁瀬ヒナノ:大学生。面倒見がよく、やや劣等感が強い。
 浪路加代子(カヨ):放浪少女。依存先を探している。
 石野木立夏:中学からのヒナノの彼氏。サッカー部。
 栗原美月:ヒナノの友人。法曹に向け勉強中。
 松崎草太:大学生。美月の面倒を見ることが生きがい。
 唐錦耕 :石野木の転校前の中学の友人。
 有馬海(カイ):教師。石野木たちの中学で、教育実習生をしていた。
 悠里姫(ユウ):大学生。来る就活に震えている。


⑪「きこえ」(主役:飛倉茉莉)
https://note.com/ra_wa/n/na689c300be5b 
 ひょんなことからカヨに執着されることとなった有馬。そのとばっちりで、彼の数少ない女友達である飛倉(とびくら)はストーキングを受けていた。

 飛倉は彼の暴走に巻き込まれることに嘆息しながら、それもいつものことかと諦め、彼が友人の伊織蒼(あお)とともに自分を救ってくれた思い出を振り返る。

主な登場人物
 飛倉茉莉:カウンセラー。高校時代はバスケをしていた。
 有馬海 :飛倉の学生時代の友人。仲間想いでおせっかい。
 伊織蒼 :有馬の友人。ハンディキャップを持つ。      
 浪路加代子:カイのストーカー。
 木枯タク:『じろう畑』社員。伊織の後輩。


⑫「I want to stand the court」(主役:栗原美月)
https://note.com/ra_wa/n/ne50e0836410d 
 司法試験の前段階である法科大学院の試験に、美月は合格できなかった。初めての挫折にショックを受ける彼女に、相方のソータや従兄のシンはよい慰め方を見つけられずにいた。相談を受けたカイは、友人の飛倉を紹介する。

 一方で、自らの行為に虚しさを感じ始めたカヨは、何もかもを台無しにしようと最後の暴走を始める。 

 主な登場人物
 栗原美月:法学部の学生。プライドが高い。
 松崎草太:ミツキの相方。
 梁瀬ヒナノ:ミツキの友人。/石野木立夏:ヒナノの彼氏。
 吉井信二(シン):新任教師。/森中直子:シンの恋人。
 有馬海(カイ):ミツキとシンの親戚。
 飛倉茉莉:カイの友人。ミツキとは彼女が塾に通っていた頃の知り合い。
 浪路加代子:カイのストーカー。
 伊織蒼:カイの友人。   
 桑名衛(マモル):カイの職場の後輩で、大学時代の美月の先輩。
 悠里姫:逃亡者。


⑬「神もどきへのアンチテーゼ」(主役:悠里姫、桑名衛、狭霧敦)
https://note.com/ra_wa/n/n42aebcbe3767 
【悠里姫】
 就職したのもつかの間、職場の先輩に気に入られ、宗教へ勧誘されたユウは逃亡する。逃亡にあたり、なんとなく久しぶりに狭霧へ助けを頼んだユウは、元恋人との奇妙な共同生活をしながら自分の感情に整理をつける。

【桑名衛】
 自らに火傷の痕をつける宗教、『マモルの会』。桑名衛は、ユウの職場の先輩が信仰する宗教の教祖だった。自分を傷つけてくれる愛おしい存在を探す彼は、ユウに一目ぼれし彼女を『神様』と呼ぶ。

【狭霧敦】
 なんとなく社会人生活を送りながら、狭霧はどこか鬱屈とした気持ちを抱えていった。そんな中、退屈を打ち壊すユウのヘルプに少し心躍らせ、受け付けることとした。

 命の恩人であり、失恋した相手との奇妙な共同生活を送る彼のもとに、いつも通りユウがトラブルを連れてきた。心の闇があふれる後輩たちを通じて出会った桑名衛という変態は、自分の友人であるユースケのことを知っているという。 

主な登場人物
 悠里姫(ユウ/姫):失業者。逃亡も一段落し、狭霧と共同生活中。
 狭霧敦(サギくん/キリ):大学時代の資産を運用しつつ、友人の会社を手伝っている。
 桑名衛(マモル):教師で教祖。年下と痛みが好きな変態。

 有馬海:マモルの先輩。新婚。 
 下原凜:教師。/森中直子:凜の同期。
 沼尻中也(チュン):狭霧の大学の友人で、勤務先の社長。マモルの高校の後輩。
 東子道(トンコ):沼尻の会社の新人。
 木立由芽 :ユウの後輩で、トンコの友達。

 悠里愛:ユウの母親。旧姓は金口(かなくち)。
 金口眩(まぶし):悠里の職場の先輩。信者。
 更澤朱莉:故人。マモルの母親。自傷癖。
 桑名荒資:故人。マモルの父親。偏執狂。


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