rawa

話すのが好きだけど苦手なので、適当に文章を書いています。 詳しくはないけれど、合唱が好…

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話すのが好きだけど苦手なので、適当に文章を書いています。 詳しくはないけれど、合唱が好きです。

マガジン

  • 散文集「コード・コネクト」

    短編のうち、完結した話と世界が繋がっているものを集めています。 繋がっている必要があるものもないものもあるけど、名前や人間関係について唐突感があったらご容赦ください。

  • 日記・エッセイ

    神様なんて出てこない日常の雑感。

  • 小説《神様と11人の私》シリーズ

    繊細で個性的な女の子をはじめとする、変人達のズレた青春の話です。 語り部や時間軸をくるくるしながら、おおよそ一日一話投稿してます。

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あらすじ

連作小説シリーズのあらすじです。 いったん完結してますが、他の短編等も本シリーズと世界観を共有しています。 ①「神様と11人の私」(主役:悠里姫) https://note.com/ra_wa/n/n4bec367bbfd7  繊細で独特の思考回路を持つ中学生の悠里姫(ユウ)は、好きな人が自分の友達に想いを寄せていることを知ってショックを受け、自分の世界に籠るようになる。  ユウは逃避と想像で生み出した理想の男の子『キリ』とのやり取りに溺れながら、そうしている自分を冷や

    • 「いとむすび」

      《1》聖 結衣(ひじり ゆい) : 雑踏 私は昔から、行く宛もなく駅に立つ。 誰に呼び掛けることもなく、通りすぎる人を眺める。誰も彼も、私とは違って行きたいところがあるのだろう。 最近は、繁華街の待ち合わせ広場だったり。 観光地の入り口だったり。 色々なところで、すれ違う人を眺める。 たくさんの顔。たくさんの人生。 そこで私と繋がるものは、一つもない。 私は昔、恋人を亡くした。 恋人というか、私が彼の奴隷だったような気もする。彼はいつも、支配者の顔でいることで自分を保

      • 「カウントダウン」(単話)

        (1)神保 幹人① 好きな漫画の連載がいつか終わるものだと知ったのは、いつのことだっただろうか。 小さい頃は毎日の密度が高すぎて、目の前のものがまるで永遠にあるかのように思えていた。 少し大きくなって何かの計画を組んだりすると、時間というものは当然に流れていくんだと感じる。それがなんだか寂しいことに思えるのか、カレンダーや時計がどうにも苦手だった。 1年が365日しかないことを、1日が24時間で終わることを、明日が今日になり昨日になっていくことを突きつけてくる無慈悲さが

        • 日記「ある舞台と旧友についての一考察」

          先週、旧友の演劇初舞台を観に行った。 この記事は脱線を含むがその感想だ。 舞台と、旧友本人への感想が同じくらいかもしれない。 珍しくガッツリとした日記で相変わらず独りよがりで、全世界に公開するような話でもないが、これを見ている人も少ないし眠れないのでたまにはよいだろう。 彼はこういう話を嫌うタイプではないと思うし。 大いに勘違いや失礼があるだろうが、大人だし許してくれると信じる。 舞台の演目は、地方から出て東京みたいな街を舞台に生きている、大人になってしまった人たちの会話

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        あらすじ

        マガジン

        • 散文集「コード・コネクト」
          30本
        • 日記・エッセイ
          11本
        • 小説《神様と11人の私》シリーズ
          170本

        記事

          「空砲とサンドバッグ」

          ✕✕✕ 誰もお前を見ていない。 ✕✕✕ 私に津留崎 惠(つるさき けい)という名前をくれたのが誰なのか、私は知らない。 昔、育ててくれる人に聞いたとき、「答えられなくてごめんね」と悲しそうな顔をされたからそれ以来聞かないようにしている。 私には、顔も知らない弟がいるらしい。 一生出会うことはないと、育ててくれる人に言われた。 自分がひとりじゃないと知っている私は幸せだと思うけど、何も知らないその子は寂しがっているんじゃないかと少しだけ心配している。 私には、もう話せ

          「空砲とサンドバッグ」

          「3000回の古傷へ」(単話)

          千晴さん。 天野千晴(あまのちはる)さん。 僕です、チビタです。お元気ですか。 友達から、千晴さんは遠い国で素敵な方と幸せな家庭を築いたと聞いています。 色々とご不便もあるでしょうが、千晴さんならきっと楽しく乗り越えているのだろうと思います。 今日で、千晴さんが僕を刺してから3000日が過ぎましたね。何となく懐かしくなって、またあなたに手紙を書いてしまいました。 僕が千晴さんと初めて会った時のことを、今も夢に見ます。 友達になれるかだとか、好きとか嫌いとか、そういう感情

          「3000回の古傷へ」(単話)

          「引かれ者の小唄」

          明日の居場所を見つけられなかった僕だけが、昨日と同じ場所で減点を免れている。 ※※※ 無遅刻無欠席。 学生時代の自慢は、それだけだ。 どうしようもなく熱が出た日も、みんなで気に入らない先生の授業をボイコットしようとした日も、クラスメイトに無視された日も、僕はただそれだけを守った。 親戚のレイは手のつけられない遊び人で、それに比べて僕は良い子だった。良い子であることだけが、僕の誇りだった。 特段やりたいこともなかったし、間違いを起こすのは怖かった。正しくないことをする

          「引かれ者の小唄」

          「99/100」(単話)

          ※※※ マラソン大会の、8割くらい進んだ場所の苦しさって分かるだろうか。 運動が苦手な人は、最初の方から辛いらしい。 だけど、人よりも足が速かった私にとっては、最初のごみごみしてる場所は楽しかった。 皆を抜き去ってだれもいなくなったあとに、いつまで1位で居続けないといけないのか、そんな良く分からない世界で戦う方が苦しいのだ。 本気の世界なら違うのかもしれないけど、お遊びの行事ならそんなに戦略的でなく、ただ速い人が普通に速いだけで終わる。 そうするとあとは、なんだか良く

          「99/100」(単話)

          日記「1センチの水辺から」

          先日少し、ショックな出来事があった。 今度、ひそかに好きだった音楽ユニットが解散するらしい。ここで作るべきものはもう全て作った、とのことだ。 彼等の歌には根強いファンがいるし、何人かの心を確かに救ってきたのだろうけど、いかんせんそれだけでは足りなかったのかもしれない。 あるいは、足りすぎたのかもしれない。 好きといっても、ライブに行くでもグッズを買うでも、新曲が出るたびに追いかけるわけでもない。 だけど、たまに聞くと嬉しくなったり救われたりする、そんな勝手で浅い《好き》だ

          日記「1センチの水辺から」

          日記「ブランコを跳び降りろ」

          滑り台の金具に足をひっかけて、30分以上放置されたことがある。 回転するタイプの丸いジャングルジムから手を離して、吹っ飛ばされたことがある。 自転車でスピードを出しまくって、電柱に激突して無傷だったことがある。 小さい頃の遊具の想い出は、トラブルや怪我と共にある。 今は安全志向になっているというか、上手く怪我を出来る環境が少なく見えるけれど、実際のところどうなのだろう。 痛くなければ覚えない、なんていうけれど、思えば大人になるにつれて人に叱られることを怖がるようになり、い

          日記「ブランコを跳び降りろ」

          「過保護な雨に花束を」

          ※※※ 団子サッカーって、 意味不明に楽しいよな。 兄さんはいつか、男の子みたく笑っていた。 ※※※ 雨はいつも、僕をサッカークラブの試合から守ってくれた。 最初は、仲の良い友達と遊んでいたかっただけだった。 でも皆みたく、僕は体を動かせなかった。 だんだん、お前と試合にでたくない、なんて言われるようになった。 仲が良かったはずの友達が、僕のことを見下しているような気がしている。僕がミスするたびに、その鋭さは強くなって、小さく消えてしまいたくなる。 もう、やめちゃ

          「過保護な雨に花束を」

          「ヴィア・ドロローサ」おまけ

          最初→https://note.com/ra_wa/n/naea6197d776f 前→https://note.com/ra_wa/n/ndadcf65f3a9b ※※※ 「シー・ウァレース・ウァレオー」 ※※※ 僕は、痛みを愛している。罰されることを、愛している。 僕は、子どもを愛している。美しさを、愛している。 人より少しだけ、手が届く範囲が大きいと知っている。 人より少しだけ、倒れにくいことを知っている。 人より少しだけ、愛されやすいことを知っている。

          「ヴィア・ドロローサ」おまけ

          「ヴィア・ドロローサ」8+

          前→https://note.com/ra_wa/n/n2f602e633667 ※※※ 錠剤が私を支配する。 私が《私》でいられる時間は、まだ短い。 先生は私といるとき、無理に笑うことをやめた。外に出て、なにも言わずに空を見たり、部屋で少し濃いコーヒーを2人で飲んだりする。 可愛い生徒の話やひどい知り合いの話、馬鹿な信者の話なんかを、時々する。 なんのオチもなく、会話が終わる。 いつかのように私に嫌われたいわけでも、なにかを試すわけでもなく。 ただゆっくりと、自

          「ヴィア・ドロローサ」8+

          「ヴィア・ドロローサ」7

          前→https://note.com/ra_wa/n/ncd8828d39497 ※※※ 変人と名高いキリの奥さんからの謎電話を受け、俺はキリの評価が身内びいきでないことを実感していた。 ウチの問題社員は、家族まで問題児なのか。 キリいわく、自覚なく敵も味方も増やすタイプのようだが、どうやら俺は敵の方らしい。 いくらマモルさんが目下に甘いといっても、あそこまで馬鹿にした扱いを受けるいわれはない。 あの人を尊敬する俺まで馬鹿にされている気がする。 杏さんの写真を送っ

          「ヴィア・ドロローサ」7

          「ヴィア・ドロローサ」6

          前→https://note.com/ra_wa/n/nd97f3da0f5bd ※※※ 「座敷わらしのイカれた感性も、たまには役に立つもんだな。年貢の納め時だよ、衛くん」 美月ちゃんの背が伸びたように見えるのは、あまり見ないスーツ姿のせいだろうか。 幼く、可愛く、賢くて何より強い後輩。 そして、僕の尊敬する先生。赤ん坊がいるってのに、また無茶なことばかりして。 …もしかしたら、あの奥さんならお尻を蹴り飛ばしてくれたのかもしれないけど。 うん。 彼らに裁かれるなら

          「ヴィア・ドロローサ」6

          「ヴィア・ドロローサ」5

          前→https://note.com/ra_wa/n/ne19eb271a19a ※※※ 「アン」 アンに会いたい。 《俺》をリンと、呼んで欲しい。 この世界は、物語だ。 俺の魂が不十分なのは、書き割りのせいだ。 そう教えてくれたのは、アン。 俺と違って、アンは✕✕に愛されることが出来る。 ✕✕と子どもだって作れるのだろう。 あのとき俺が✕✕から逃げたのは、対等でいられなかったからだ。 同じ目線で悩めなければ、✕✕と幸せになることは出来ないと思った。 困ったよう

          「ヴィア・ドロローサ」5