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2020年1年間続けた映画感想のアウトプットを365日文書記事にしました。 僕のフィルターを通した感想をまとめてみましたので、是非。
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2020年11月の記事一覧

310/365
2020年『殺人ホテル』
"真実""価値""情報"のリテラシーを映画で高めよう。
ヤーラン・ヘルダル監督

310/365 2020年『殺人ホテル』 "真実""価値""情報"のリテラシーを映画で高めよう。 ヤーラン・ヘルダル監督

人々が飢えに苦しむ終末世界で、悲惨な状況だからこそ娯楽が必要だと説く男に誘われ奇妙なホテルでのディナーショーに参加した一家が主人公。

86分っていう短い映画というのもあって展開が早かったり、サクッとホラー描写もあるけど、サスペンスよりな映画で人間心理を揺るがす人間同士のやり合いは実物。

何が事実で何がデマかわからない情報が模索される中で"事実"なんて信じている人が多ければそれが"真実"とされ"

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311/365
2013年『フルートベール駅で』
人種差別は海外だけのものではなく、世界共通の問題。
ライアン・クーグラー監督

311/365 2013年『フルートベール駅で』 人種差別は海外だけのものではなく、世界共通の問題。 ライアン・クーグラー監督

2009年1月1日にカリフォルニア州で発生した事件、無抵抗の黒人が白人警官によって殺されたオスカー・グラント三世射殺事件を題材にした作品。

ここ最近あった出来事でジョージ・フロイド事件という記憶に新しい事件があって「丸腰で無抵抗の黒人が警官によって殺された」のはフロイド氏が初めてではなく、数字で見るとあり得ないほどあって本作の題材の事件もその一部に過ぎない。

こういう事件を減らすためにも明日の

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312/365
2009年『マイレージ・マイライフ』
政治を身近なモノに捉える"大きな政府、小さな政府"とは。
ジェイソン・ライトマン監督

312/365 2009年『マイレージ・マイライフ』 政治を身近なモノに捉える"大きな政府、小さな政府"とは。 ジェイソン・ライトマン監督

人にレイオフを告げる汚職を喜んで引き受け、自分はマイル集めを楽しみ、飛行機はいつもファーストクラス。

マイレージVIPなので飛行機もホテルもチェックインの行列に並ぶ必要もない。

最高の部屋に泊まり最高の食事をしsexも楽しむ。

実際アメリカにはAt-Will雇用のため自由に従業員を解雇でき「企業側の都合でレイオフされても訴訟しない」という同意書にも就職の際にサインさせられている。

1980

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313/365
2013年『大統領の執事の涙』
1950年〜80年の歴史を踏まえて大統領選を捉える。
リー・ダニエルズ監督

313/365 2013年『大統領の執事の涙』 1950年〜80年の歴史を踏まえて大統領選を捉える。 リー・ダニエルズ監督

同じ時代を描いた50年代から80年代を描いた『フォレスト・ガンプ』が南部アラバマ州にも関わらず人種隔離、キング牧師、公民権運動を一切描かなかった事への反論の意味を込めた作品でもある。

トルーマン・アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン…8人のアメリカ大統領に仕えた黒人執事の人生をたどった映画。

ユージーンアレンという人物を基に描かれた作品だけど、本作に描か

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314/365
2010年『カンパニー・メン』
凡人でも出来る無一文からの成り上がり方
ジョン・ウェルズ監督

314/365 2010年『カンパニー・メン』 凡人でも出来る無一文からの成り上がり方 ジョン・ウェルズ監督

ポスターから見て「会社人間」を綱渡りで表し、すでに落ちているベン・アフレックやトミー・リー・ジョーンズはロープを見上げている。

2008年のリーマン・ショックが背景。

その金融崩壊によってリストラされた3人が主人公。

ローンも払えず、近所に事実を打ち明けられず、車を売り、ゴルフクラブを売り、家を差し押さえられ、両親の家に出戻りし生活レベルが下がった。

本作からは80年代以降のアメリカ企業が

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315/365
2014年『グローリー/明日への行進』
人に聞く前に自分で調べろ。
エイヴァ・デュヴァーネイ監督

315/365 2014年『グローリー/明日への行進』 人に聞く前に自分で調べろ。 エイヴァ・デュヴァーネイ監督

1965年3月7日公民権運動指導者キング牧師が指揮し、セルマからアラバマ州の州都モントゴメリーまで行進をテーマに、エドマンド・ペタス橋で起きた警官隊が黒人デモ隊を殴打した「血の日曜日」をも描いている作品。

2020年7月17日に亡くなられたジョン・ルイス下院議員もキング牧師と共に公民権運動の象徴的人物として活動され、トランプを正当な大統領と認めないとしても有名だった。

色んな角度から大統領選挙

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316/365
2018年『ブラック・クランズマン』
映画業界は基本反トランプ。
日本人はトランプ支持者が多いが、日本人も有色人種だから差別対象である事は忘れてはいけない。
スパイク・リー監督

316/365 2018年『ブラック・クランズマン』 映画業界は基本反トランプ。 日本人はトランプ支持者が多いが、日本人も有色人種だから差別対象である事は忘れてはいけない。 スパイク・リー監督

舞台は1970年代半ば、アメリカ・コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、黒人初の刑事が新聞広告に掲載されていた過激な白人至上主義団体KKKのメンバー募集に電話をかけ、黒人(ジョン・デヴィッド・ワシントン)とユダヤ人(アダム・ドライバー)二人で一人の人物を演じることで型破りな潜入捜査を描いた作品。

こうなった背景には人種隔離法が撤廃されてもなお根強く残る人種差別の中で、黒人や移民(ユダヤ人等)

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317/365
1980年『シャイニング』
非日常的な状態であっても俯瞰的に見る。
スタンリー・キューブリック監督

317/365 1980年『シャイニング』 非日常的な状態であっても俯瞰的に見る。 スタンリー・キューブリック監督

冬の期間だけ閉鎖されるオーバールック・ホテル。

かつては、精神に異常をきたした管理人が一家を惨殺した挙句に自殺するという事件があった。

そんないわくつきの幽霊屋敷を舞台にジャック・ニコルソン演じる管理人をホテルの“邪悪な何か”が狂気に陥れる。

その姿が名演すぎて恐怖と感じるんだろうなと。

映画自体も難解であるのもキューブリック監督の意図だとは思うけど、それを踏まえて今回「自己分析より、映画

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318/365
2016年『新感染 ファイナル・エクスプレス』
極限状態下で生きるやつと死ぬやつの違いを見極める。
ヨン・サンホ監督

318/365 2016年『新感染 ファイナル・エクスプレス』 極限状態下で生きるやつと死ぬやつの違いを見極める。 ヨン・サンホ監督

凶暴性と俊敏さ、耐久性もある対処が面倒臭い系ゾンビ映画。

「赤の他人」や「自分とは関係がないもの」に対する人の愚かさを感じずにはいられない作品だった。

グロ描写は少ないものの、痛々しいほどの骨の歪み、咬み傷など韓国映画っぽさが出ていて良かった。

ゾンビ映画を観て最近思うのは、ゾンビ化させるバイオテロ的な実験って今の世界のテクノロジーなら出来ていても可笑しくないんじゃないかと思う。

コロナも

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319/365
1991年『ターミネーター2』
「家族」の定義とは。
ジェームズ・キャメロン監督

319/365 1991年『ターミネーター2』 「家族」の定義とは。 ジェームズ・キャメロン監督

「タイタニック」や「アバター」などで知られるジェームズ・キャメロン監督の出世作。

そのターミネーターシリーズの中でも中枢に当たる作品が本作『ターミネーター2』。

本作は『ターミネーター』一作目の10年後の世界。主人公のジョン・コナーは父親を知らずに生まれ、母は収監され、その母に捨てられたと思い込み、愛情のない里親に育てられた。

そこで前作は敵だったシュワルツネッガー(T-800)が、ジョンの

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320/365
2017年『ハッピー・デス・デイ』
応援される、応援したくなる人の特徴とは。
クリストファー・ランドン監督

320/365 2017年『ハッピー・デス・デイ』 応援される、応援したくなる人の特徴とは。 クリストファー・ランドン監督

『パラノーマルアクティビティ』でもお馴染みクリストファー・ランドン監督が描く痛快なホラー映画。

ホラーが苦手な僕でも序盤の何も起きないけど、恐怖で動きがゆっくりなシーンは内心ヒヤヒヤしながらも見終わった後面白かったなで終われた映画。

殺人鬼に殺される1日をループする話で、よくどのB級映画で最初に殺されるような金髪ビッチのヒロインで人に親切でも好感を持てる人でもないような人だったけど、同じ1日を

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321/365
2016年『ワタシが私を見つけるまで』
結婚や恋人より自己の探求。
クリスティアン・ディッター監督

321/365 2016年『ワタシが私を見つけるまで』 結婚や恋人より自己の探求。 クリスティアン・ディッター監督

『あと1センチの恋』と同じクリスティアン・ディッター監督で、ダコタ・ジョンソンの大人しめの綺麗な女性ややレベル・ウィルソン演じる歌って踊れる自由奔放な女性など、複数人のキャラの濃い独身女性が恋人がいるのもいいけど「独身ライフ」をどう過ごすかといったところ考えさせられるような映画。

ここだけ聞くと主に女性だけかもしれないけど、男性は男性なりの悩みを抱えてたりと結構その辺りがリアルで面白かった。

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322/365
2003年『モンスター』
環境と選択肢。
パティ・ジェンキンス監督

322/365 2003年『モンスター』 環境と選択肢。 パティ・ジェンキンス監督

元娼婦の連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの生涯を描いた作品。

そのアイリーンを美人女優と言われる類だったシャーリーズ・セロンが自身の体重の増量と特殊メイクを使用し、惨めと言われる生き方しかないアイリーンを熱演。

子役のクリスティアン・リッチの演技も見所。ある意味、"財産"って環境と選択肢だと思った。

惨めな生き方が悪いとか全く思わないし、豪遊して好きな仲間とワイワイする事が良いとも思わないけ

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323/365
『メイド・イン・アメリカ』
その生き方の根底にある美学や哲学。
ロン・ハワード監督

323/365 『メイド・イン・アメリカ』 その生き方の根底にある美学や哲学。 ロン・ハワード監督

ジェイ・Zが主催する音楽フェス『メイド・イン・アメリカ』をドキュメンタリー映画化。

そのイベントのテーマとして人種差別や男尊女卑やLGBTQ、共和党や民主党の区別をなくし、みんなが一緒に楽しんでもらうという意味もあって、出演するアーティストはRun・D.M.C.やカニエ・ウエスト等のHIPHOPだけでなく、パール・ジャムやザ・ハイヴスのロックなど幅広いジャンルが募った音楽フェスになっている。

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