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EP.50 介護サービス企業からシニアマーケティングに取組む意味は!

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いつもお読み頂きありがとうございます。
気が付けば、50本目の記事となりました!
20周年リブランド企画の1つとしての社史公開も次回の総括で一旦完結となります。最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

20周年リブランドでは、①経営理念の刷新 から始まり、②商号(社名)変更、③本社移転、を柱に約2年の時間をかけて実行してきました。大きく舵切をしたわけではなく、これまでの活動の中から現在の活動との整合性をとり現行メンバーと次のステージへソフトランディングしているものです。

 今回は、なぜ、介護サービス企業として立ち上げた私たちの活動の軸をシニアマーケティングに移して取り組んでいるのかをお話したいと思います。



◆少子高齢化社会の先行き

少子高齢化・人口減少が社会問題として叫ばれて久しいですが、具体的な解決策を日本では取り組むことができていません。

我が国の総人口及び人口構造の推移と見通し(内閣府HPより)

 解決策についてはいろいろ考えはありますが、一旦このグラフに従って未来を考えてみましょう。出生率が低くい為、未来・現役世代(イエロー・パープル)の数が減少は既にはじまっております。
一方65歳以上(ピンク・ブルー)については2045年付近まで増加し、微減となっていきます。

 人口が減少していくと言うことは、商品・サービスの買い手が減っていくと言うことは疑う余地はなく、ほとんどのマーケット(市場)が縮小していくことを意味します。日本国内に限って言えば、シニアマーケットだけが膨らんでいくと言うことです。医療・介護の市場は確実に大きくなっていくことは余程大きな政策変更がない限り周知の事実です。

多くの企業は、もちろんこの情報に対して対応すべく戦略をとって対応準備を行っていっています。

◆シニアマーケットへの参入相談事

と言う背景から大手を始めシニアマーケット参入に向けて様々な商品開発やサービス開発が行われております。

数年前より日本デイサービス協会・全国介護事業者連盟等の業界団体の理事や幹事を引き受けるようになり、立場的にも介護業界やシニアマーケットへの企業相談を頼まれるようになりました。

相談を受ける企業さんは、誰もが知るTVCMなどもバンバン流している大手から中小企業まで様々です。ほとんどの相談は介護事業者もしくは高齢者向けの商品・サービスの販売戦略でした。

「今回、この商品を開発しまして介護事業所様へ導入して頂きたく営業活動しているのですがなかなかよい結果が出せませんで・・・」

「なるほど、介護事業者に導入してもらいたいと言うことですね」

「いや、できれば高齢者の方々にも購入して頂いてご自宅で使ってもらえるようにも考えています」

といった感じで商品の特徴などのご説明を頂きます。まぁ、なんら普通のやりとりです。

「で、どのくらいの金額で販売されているのですか?」

「1つ〇〇円です」

「その価格設定は、どうやってされたのでしょうか?」

「うちは、品質には自信があります!使って頂ければわかりますので、一度試してもらえませんか?」

「はぁ、試してもよいですが、そもそも事業者向けと高齢者向けを一緒にされるのは間違っていませんか? 品質の良し悪し以前に価格設定の根拠や購入者のニーズとマッチングしていないと思います。」

「いや、そんなことおっしゃられないでください。日下部さんの返答次第では、この商品の撤退をしないといけないと思っています・・・。」

「えっ、そんなに重大な相談なんですね・・・。でも、たぶん売れませんね。」

大手メーカーで優秀なマーケティング部隊もいるだろうし、なんでこんな商品開発になるんだろう??? 
 シニアマーケットに参入を希望する方々の相談に乗るたびに繰り返される同じ状況が・・・。私には大きな疑問が浮かんでいきました。

そして一つの仮説が、高齢者の生活実態のデータや情報をもっていないのでは???


◆届かない声をつなぐ役割

 私たち在宅介護従事者は、お客様の介護相談から始まり、生活におけるありとあらゆる支援方法を考えていく仕事です。もちろんそこにはお客様との信頼関係があり、いろいろな情報を頂きます。

多くの介護サービス事業者は介護保険制度のサービスで対応しようとしますので、制度上出来ないことは対応優先順位が低くなるか、他の誰かが対応するまで放置してしまいます。(対応する余裕がないのも事実ですが)

と言うことで要介護高齢者の在宅生活を支えていく上では介護保険制度のサービスだけで解決できない課題や問題も山積です。

要介護認定者数は約690万人(2021年11月)に対して、介護保険給付受給者(サービス利用者)は約400万人となっています。

約290万人(約42%)もの方が、介護サービスを使う目的で要介護認定を受け、実際にサービスを使っていない実態が出てきます。いざと言うときの為に先に認定だけ受けておく等、様々な理由があるとは思いますが実際に使いたいと思えるサービスがないというお声も頂いています。

介護保険制度は、国民皆保険制度ですので社会インフラとしていつでも、どこでも自己選択で利用できる優れた制度でありますが介護保険法の中でのサービスになりますので、なんでもかんでも自由になるわけではありません。

高齢者の生活を支えていくには、保険外の自費サービスや様々な企業の商品・サービスを組み合わせていくことが求められます。私たち介護サービス事業者は、高齢者と周辺企業をつなぐ存在であるべきなのです。

であれば、生活の困ったを解決するために実際のお客様のニーズをしっかり周辺企業につなぐことで、高齢者は利便性が上がり、周辺企業には実のあるビジネスチャンスが生まれてくるはずです。

◆境界を越えて他者を助ける社会を創る

介護事業者は、現場の介護が忙しいことを理由になかなか保険外サービスに本格的に取り組むマインドがつくられない状況が・・・。

しかし、私たちの社会的使命を全うし高齢者の生活を支えていくためには、私たちの活動フィールドを拡げる必要があります。シニアマーケットにはたくさんの可能性を秘めているものです。

現在、多数の企業さんとコラボレーション企画が動いています。内容は開示できませんが、通信、運動、健康、美容、食品、衣料、家電などなど分野は多岐にわたっております。

自ら動けば、何かが始まる!

正にこのことの実証であり、RARECREWメンバーは、これを楽しむ集団です。

《BEYOND THE BORDER ~境界を越えて、他者を助ける社会を創る~》

この理念を旗印に新しい価値の創出にまい進して行きます!!
現状を打破し、RARECREWと一緒に活動したい企業様をお待ちしております。


さて、今回のお話ではどんな気づきがありましたでしょうか?
社会情勢に紐づき、ビジネス環境は常に変化していきます。そんな中で私たちがどこに向かうかについては、理念が最終的な指標になることは間違いありません。

いよいよ、次回が社史公開企画の最終話となります。20年を振り返り、感じてきたこと、感じていることをまとめていこうと思います。

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