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幸せな忙しなさを噛み締めて、ぐっと。

百ます計算をクラスで1番に終わらせるのが好きだった。
「はやいね」「すごいね」って言われるから。
帰りの会が終わってダッシュで体育館行って部活の準備をするのが好きだった。
「はやいね」「さすがだわ」って言われるのが心地いいから。
英文の読解問題をさらさらっと解いて真っ先に職員室に持っていくのが好きだった。
「はやいね」「やっぱり君が1番だったか」って言われるのがわたしだと思ってたから。

わたしは幼い頃から「早く応えることこそ全て」だと思って生きてきた。
そうすれば褒められるし、頼りにされるし、何より気分がいい。
今でもスピードだけが、わたしの唯一の武器だと思う。相手の求めるものを瞬時に判断して、適切な情報をパスして。そこで信頼を得てきた部分もある。社会人として持ってて損はないスキルだと思う。

でも「はやい」だけじゃだめだった。
今特に思う。
これまでスピード命で生きてきた自分が
ちょっと憎いくらいに。

だって咀嚼が圧倒的に足りない。
取り入れる情報の深みがなさすぎる。
表面をさらっと撫でただけで「あーはいはい。わかったわかった」なんて、浅いにもほどがある。
学生時代もうちょい頭が柔らかければな、なんてちょっぴり後悔してしまう。

仕事にしても、応援しているアーティストにしても、毎週欠かさず見てるドラマにしてもそう。
スピードは万能じゃない。時には立ち止まってじっくり向き合う方がふさわしかったりする。繰り返すことで滲み出る趣を噛み締めたり、視点を変えることで新たな価値を発見したり。いろんな方向から本質を見ようとしなければ、その面白さはわからない。

わたしは応援しているアーティストやアイドルが複数いる。ありがたいことにいろんな情報が解禁され、供給過多で溺れそうな日々を送っている。テレビを見てラジオを聞いてTwitterで思いを垂れ流して友達とLINEで感想を言い合って…
「顔が天才」「かわいすぎる」「最高」
こんな語彙力でも成り立つ世界を愛しく感じながら、ふと「わたしこの人たちのこと全然理解してないな」と情報の早食いに気づく。
とりあえず胃に流し込んでるから、
そりゃあ美味しさなんて残らないか。
噛み締めながらゆっくり食べた時の方が
満足度も高いもんね。

実は数年前から薄々気づいてた早食い。
食い散らかしてる感じがして、
結局得たもの少ないんじゃないかなって。
だからもう少しゆっくり生きなきゃなあ、なんて思ってるもののスピードを落とすなんて自分が自分じゃなくなるみたいで、築き上げてきたものが崩れそうな気がして。
どこまでも不器用だね、わたしは。
また一辺倒で生きるつもりか?

最近はnoteを書くようになって心の整理ができてるからか、めきめき元気で。
そしたらやりたいこと知りたいことがどんどん出てきちゃって。でも早食いしたらパンクしそうだなって起きもしてない将来を想像してはウダウダしてて。
でも今はちょっとだけ好奇心の方が勝ってるので仰せのままにと気の向く方へ進んでおります。ウダウダよりは何か見つかるものがあるでしょう。

悲しいけれど時間は有限。
あれもこれもはできないし、やりたいこともだけどやらねばいけないこともある。
でも好きなことや興味あるものに触れる時間は、できるだけ確保するようにしたい。

これからは自分の心が動く瞬間をもっと気にかけよう。
どんなとこが面白かった?
どうしてそれが好きなの?って聞いていこう。
そしたら本当の「お腹いっぱい」に辿り着ける気がする。



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