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ポエマー、ビジネス向いてないよ。

コテツゼミの募集は満席にて終了いたしました。
次回開催時もVoicyとnoteでお知らせいたします。

Voicy No.0262 2023年1月9日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ! 

ビジネスでは感動的なドラマやポエムを重要視するのではなく、実利的な面に集中することが重要です。経営者の人格と起業の業績は必ずしも相関関係はありません。プロとしてお客様を満足させることを一番に考えていきましょう。


ドラマ派?実利派?


今日のテーマは「ポエマーはビジネスに向いてないよ」という話です。

ポエマー(詩を書く人)がダメだと言いたいのではなくて、ビジネスする側が感動ドラマのポエムをよんでいるように捉えている人は、向いていないのではないかという、ちょっとシビアなタイトルです。

世の中に出ている情報って、そのほうがウケがいいから多くがそう語られているけれど、「実際は違うんだよ」とコテツラジオを聴いてくださる方には言いたいと思っているのです。

例えばどういうことかというと、ビジネスがうまい人、会社や年商を大きくした人が人間性も高い。人間的な徳が高まれば商売もうまくいくなんて全く無関係。

過去にはKDDIや京セラをつくり、その後JALの再生を果たした稲盛さん、ホンダをつくった本田宗一郎さん、ソニーをつくった伊深大さんとか盛田昭夫さんのように、語っている生き方と経営が一致する方もいらっしゃいます。

でも、オレが直接会えた方を見る限り、数千億やっていても1兆円やっていても、経営者の徳と人間性と業績にはなんら一貫性はなかったです。

会社が大きいのは関係ない。
経営ゲームのスコアがいいだけです。

高い竹馬に乗れるとか、けん玉で難しい技ができるのと全く同じで、商売がうまくいくと人間性が高まったように周りが見て、なぜかわからないけれども経営者も人間性を語り始めて皆がありがたがるのは、本当に謎だと思っています。

例えばジャグリングなら、お手玉2個ができる人と6個できる人がいて、6個お手玉ができる人の生き方の話を聞くみたいなもので、それはもう別な話です。

1個のお手玉も落としてしまう人でも生き方を貫いている方もいらっしゃれば、お手玉を10個回している方でも、飼い猫を蹴飛ばしていたり隣の人がちょっと音を出したら壁をばんばんたたく人も絶対いますので、なぜ皆さんがそこを一致させているのかがオレには全然わかりません。

金儲けのうまい人には、お金の儲け方を聞けという話です。

世の中に出る情報にはいろいろあって、別にそれを正義感で正したいわけではないんです。オレはブランディングと商売をお手伝いするのが仕事なので、人間性とは関係ないという話はしたほうがいいと思っていて。

早起きして社長がお店の前を掃除するような飲食店は、店の前やトイレを社長が掃除するからではなくて、その姿勢でメニューづくりや接客にも取り組んでいるからうまくいく可能性は高いでしょう。

掃除をするから飲食店がうまくいくのではないです。
だから全否定はしないけれど、完全一致はしないということです。


アマチュアとプロの違い


アマチュアは「自己満足」でプロは「他人満足」です。

アマチュアなら自分が柔道が好きで競技会に出て、大会で優勝を目指していたら2位でも3位でも初戦敗退でも別にいいけれど、プロとなると観客がチケットを買ってくるようになるから、負けは許されなくなるじゃないですか。

プロとアマって「他人満足」か「自己満足」かの違いだと思います。

それなのに、ビジネスをやっている人が感動してドラマに酔っているほうがうまくいくように言われています。

それは全く別の話で、プロはお客様がいてクライアントがいる状況下においては、淡々と自分が出すべき価値をしっかり出すことに集中することが大事です。

俺はドラマ派と実利派という言い方をするけど、オープニングトークで「ネットフリックスの『初恋』というドラマはよかったよ」と言っているのは、それはオレが視聴者だから。

でも感動するドラマの作り手はものすごくシビアで、プロとして淡々と計画して進めていった先に、感動するドラマが出来上がるわけ。

やっぱりプロって実利派なんですよね。

実利は単純に売上とか収益ではなくて、本人が好きとか嫌いはあったとしても、いったんクライアントやお客様の間で何かが動き始めたら、プロに徹するのです。
好き嫌いだけじゃないものを大事にしてやる人のほうが、うまくいきます。

だからポエマーというか、「好きなことをやれ」みたいな考え方ですごく怖いのは、やる側が好きかどうかと買う側が気に入るかどうかは、全く別問題だということ。

手品をして、自分が驚きたくなっているようなマジシャンは、やっぱりうまくいきません。手品はマジシャンの練習のたまもので、段取りが集積されたものだからです。

だからマジシャンがやっているときは冷静です。
見ている側がおおっとなるのがプロで、手品をしている側がおおっとなりたいのはプロじゃない。


バランスの重要性


ご自身がどんな感覚で取り組んでいるかの1つの尺度として、ざっくりした言い方ですが、起業準備中の人はドラマ派とかポエマーのような人が多い。フリーになりたての人もそうです。

でも、大きな企業の社員の方は、めちゃくちゃ実利派だったりするんです。

これは両極端ですよね。

横軸を引いたときに、起業準備中の夢見る人がいます。
大企業の社員は実利派で、軸の対極にあります。

本当はその間ぐらいがちょうど良いのに、結構どっちかに寄ってしまうのです。

もう冷めていて「これをやれと言われているので、やっているだけです」と実利のみになってしまうか、それともドラマだけに酔ってしまうか。

ドラマだけに酔う人は、お客様との間でピントを合わせなかったり需要をつかめなかったりするから、「ドラマに酔っているポエマーで儲かっていない」人が、ビジネスの世界ではたくさん生まれます。

ビジネスをやるにあたっては、好きだとか嫌いだとかは、オレの中でどうでもいいと思っています。使命感だとか、需要があるとか、お客様がいてくださるとか、お金を支払っていただいているとか、決まっているからやっているのももちろんある。

コンサートでヒット曲を歌うスターやアーティストが、毎度毎度気持ちが乗っているわけがないでしょう? 
嫌だなと思って歌っているときもありますよ。
でも、それを楽しそうに歌うのがプロだということ。

自分で自分のドラマに酔わないで、お客様を酔わせましょうというお話でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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